既に一昔前、東海自然歩道歩きで富士川を富栄橋で渡った折、土地のおばさんに突然、「篠井山ですか?」と声を掛けられ…咄嗟に意味が分からず???

後で地図を見て、近くに聳える篠井山に登るの? と訊ねられたことが判ったのだが、それ以後、その「篠井山」の山名だけは記憶に残っていた。

桜満開のニュースが飛び交うこの時期、マロン連れで歩くに頃合の山は…と、考えるうち、所要時間3.5時間ほどの「篠井山」が候補に浮上し、晴天予報が出た金曜日の出発を決める。

◇所要時間: 6時間53分 (観察棟からの往復は3時間39)
◇難度(マロンとして): 易+++▼+難
◇マロンの日記: 工事現場以外は紐なしで歩かせてもらえて楽しい一日でした。

 

310分、家を出て町田ICから東名高速に乗る。富士川ICで西富士道路に乗り換え、国道52号線に進み富士川沿いに北上。空に雲はなく前方に「篠井山」が大きく聳えて見える。富沢町を抜け福士川沿いに奥山温泉を目指す。

548分、一昔前、東海自然歩道歩きで通過した「徳間」交差点先で思いがけなく道路閉鎖に遭遇。
路肩には「
全面通行止 町道奥山線は道路改良工事の為、通行止めです ※奥山温泉には行けません 期間3/134/30」の無慈悲な文面。

駐車予定の大洞観察棟へはまだ6kmほどの距離を残している。…「仕方ないから身延山あたりを適当に歩いて帰ろうか」と妻に提案したら、「ここから歩いて篠井山へ…」と想定外の反応。

 

557分、車を道路脇の空き地に置き、先ずは奥山温泉を目指しスタート。歩き始めるとマロンが何か咥えている。「No.!」と云ったら死んだ小鼠を吐き出したのでビックリ。

舗装路を緩く上っていくと路肩に東海自然歩道の標識。昔はこんな立派な道路ではなかった筈など話しながら進む。通行止め区間なら車は来ないとマロンをフリーにする。

621分、重機が置かれた工事現場を通過。路肩には「奥山温泉まで4km」の表示板。10分ほど先で簡易舗装路に代わる。

 

前方に篠井山の南北のピークが見える頃、路肩に「奥山温泉2km」の看板。風は無く、小鳥の鳴き声や沢音が聞こえてくる。

650分、再び、作業現場を通過。路肩に「フキノトウ」が数株。

655分、東海自然歩道歩き当時の記憶に残っている「七ッ釜の滝」の降り口を通過。直ぐ先に「奥山温泉1km」の標識。その先で町営キャンプ場のある奥山ふれあいの森を通過。

 

712分、奥山温泉への分岐地点に到着。ここで東海自然歩道と分かれ、「篠井山」目指して大洞川沿いに林道剣抜大洞線を北上。

716分、人の気配の無い大きな奥山グリーンロッジ前を通過。沢沿いに心地良さそうな散策路が整備されていた。

730分、やっと登山道入口に近い「大洞観察棟」に到着。

「篠井山3.4km 2.4H→」標識や「へび(マムシ)や山蛭に注意」看板が立っている。アンパンでエネルギー補給し、滝を左に見ながら檜林に進む。5分ほど先で簡易舗装林道はクネクネの砂利道に代わる。

738分、道脇の小さな表示板に「3.1」と山頂までの距離が表示されていた。

739分、「3.0」ポイントで橋を渡る。その先からは沢沿いの破砕石で覆われた山道を進む。

745分、「2.8」ポイントで沢を渡り檜林を通過。また小さな沢を渡る。流水を嫌うマロンが珍しく沢の水を飲んでいた。

 

759分、「2.4」ポイントあたりで暑くなりシャツを脱ぐ。直ぐ先で2段に流れ落ちる「明源ノ滝」横を通過。丸裸になった落葉樹林の中にチラホラと常緑樹も混じっている。

2.0」ポイントあたりから山道に残雪が見られるようになってきた。また小沢を渡る。

814分、「1.9」ポイントでまた沢を腐りかけた丸太橋で渡る。やがて破砕石と落ち葉でうまった山道は沢から外れて山腹を九十九折で上り始めた。

825分、2つの丸木橋が架かる沢に「渡り場ノ頭」の標識。尾根越しに朝日が差し込む沢横で小休止。

833分、「1.3」ポイント通過。相変わらず檜林を九十九折で上っている。西方の木立の間に薄く雪をまとった山が見える。「十枚山」らしい。山道は残雪で覆われ始めた。

1.0」ポイントの檜林で一休みしてムスビを食べる。6分ほど小休止。

91分、檜林の中に「0.7」表示板。マロンは九十九折山道を駆け上ってはトランシーバで呼び返され、ご褒美のビスケットを貰ってはまた駆け上がっていく。運動量は私たちの優に倍以上。
山道の片側が自然林に代わり傾斜が緩み始めた。

914分、北斜面の狭い山道を残雪に滑り落とされないよう注意して上っていく。

917分、「←神社(北峰)経由山頂7分」と「↑直接山頂(南峰)3分」標識地点に到着。北峰経由で山頂を目指すことにしてブナ、アセビ、アスナロ等の自然林の中を上る。山道は山頂まで小石が多い。

922分、小屋風な三棟のお社がある北峰に到着。
お社はそれぞれ異なる方向を向いているがそれぞれを建立した自分の村に向かって建てられているらしい。

三社それぞれに無事登頂のお礼参りをして南峰に向かう。
尾根道は直ぐに下り始め、南峰の上りに続く。南峰へ上りは北斜面で残雪が多くなったがアイゼンなしで頑張る。

 

933分、朝日を浴びた「篠井山 山梨百名山」柱標識が立つ山頂に到着。東に雪の富士山。眼下に富士川。快晴、無風。

常緑樹に囲まれた狭い山頂空き地には篠井山眺望図盤の嵌められたテーブルと登頂者名簿BOXと鐘があった。登頂者名簿によると最後の登頂者記録は3/26だったので近頃は登頂者が少ないらしい。折角なのでマロンも年齢2歳で記録させてもらった。

富士山を入れた登頂記念写真を撮ろうとしたが土が凍っていて杖の一脚が立たず苦労。

ムスビを食べながら雄大な富士を中心にした展望を楽しむ。

 

954分、下山開始。

中腹あたりまで下ると森の中でウグイスが鳴いていた。今年は初めて聞いたような気がする。「3.0」ポイントの丸木橋地点に戻る。この辺りまで下ると春の山の風情。

 

119分、大洞観察棟に戻る。
11
30分、ノンビリと舗装路を下って奥山温泉分岐まで戻る。途中、道脇のフキノトウを10芽ほど採取。

1150分、七ッ釜の滝で一休み。傍らに「このあたり山蛭注意」と記載されたプラケースの中に食塩の袋が置かれていた。山蛭が付いたら食塩を掛けろというのかも?

2箇所の工事現場では10人ほどの作業者が路面拡張工事をしていた。

出発地点に近づくとマロンが何か噛んでいる。「No.!」と云ったら今朝の小鼠を吐き出した。「マッタク!!

1250分、車に戻る。

330分、無事帰宅。