梅の開花シーズン始まる。冷気の中に厳しい山肌を見せた冬の富士山は見納め時。

昨冬、マロン連れで登った「竜ヶ岳」で隣にボリューム感を見せて聳えていた「雨ヶ岳」から冬の富士山を見納めしようと対象を決める。今回は家の用事や天候選択で約2週間ぶりの登山。

所要時間: 4時間45

 

 

48分、家を出る。大月ICを下り、一般道で河口湖方面へ走る。路肩の温度計はマイナス4度を表示。

139号線で本栖湖を通過し、「根原」村落のESSOガソリンスタンド先50mで小道の角に小さな「雨ヶ岳」標識を見つけ右折。

100mほど先でゲートに遮られ、その横の10台ほど駐車できそうな空き地に駐車。あたりに標識は見当たらない。

 

635分、地図を信用してゲートを通過しA沢貯水池を目指す。浅間神社の赤鳥居前を通過し、所々凍っている簡易舗装路を進む。杉、檜の木立の下には沢山の椎茸栽培のホダ木が積まれていた。

 

644分、7年前の自然歩道歩きで見覚えのあるA沢貯水池に着く。4差路には「東海自然歩道」標識と「端足峠・雨ヶ岳」の標識が立っている。

広々したカヤト原の中を進むと「東海自然歩道」標識が多数見られたがいずれも結構古びていた。背後を振り返ると大きな、しかし薄く霞んだ富士山が朝日に染まりはじめていた。

650分、針葉樹林の手前に「熊出没注意」の標識。まだ冬眠シーズンとは思いつつも鈴をステッキに付けて暗い杉林の中に進む。涸れ沢を渡り、下枝の払われた杉林と植林桧の間の荒れた山道を進む。

75分、森の中の三叉路。山に向かって「←竜ヶ岳・雨ヶ岳・毛無山」「←端足(はした)峠」の標識。東海自然歩道とはここで別れる。緩い上りは急斜面に続き、ジグザグで高度を稼ぐようになる。

 

735分、「←雨ヶ岳・毛無山」「竜ヶ岳→」の分岐ポイント「端足峠」に上り着く。竜ヶ岳の北側に本栖湖が姿を見せた。休まずに西に方向を変えて雨ヶ岳を目指す。

天気は良いのだが、南には早くも霞みが掛かり、逆光の中で富士山は朧。裸木の間からA沢貯水池が光って見える。潅木と笹の尾根道を緩く登るがじきに緩やかな下りに入る。

 

750分、平坦地形に下りるとまばら木立に残雪。これから登る斜面の雪は凍っていそうなのでアイゼンを装着。踏み跡を辿りながら単調な上り。気温はほぼ0度なのに風が無いので汗ばみシャツ1枚で登る。

815分、少し緩やかな尾根に出る。春らしい小鳥の声、姿も見せる。

830分、雪に覆われた尾根筋を直登。息が弾み会話する余裕は無い。ブナの木が目に付く。雪の上に小獣の足跡。リスかも。

 

853分、見晴らしの良い南面に出る。真っ青な空をバックに雨ヶ岳からタカデッキの稜線が形良い。

南の大きな富士山は相変わらず霞んでいる。ダケカンバが多くなる。前方の木立が薄くなってきた。山頂が近そう。

912分、「雨ヶ岳(1772m)」に到着。

北側がダケカンバ林に囲まれた広場には20cmほどの硬い残雪。富士山は靄に霞んで存在感ゼロ。気温は1度。

南東に竜ヶ岳を見下ろしながらコンビ二弁当を半食。「毛無山」方向には尾根続きで「タカデッキ」が大きく見えて誘われている感じ。

935分、下山開始。凍った雪道の急坂下りは気疲れする。軽アイゼンではここらが限界かも。

前方に雪の無い竜ヶ岳、その左に本栖湖、右に霞んだ富士山を見放題で風の無い春のような雰囲気の中を下り続ける。

1030分、端足峠に戻る。穏やかな陽を浴びて、朧富士を眺めながら弁当の残りをゆっくり味わう。

1120分、車に戻る。本日であった登山者は1名のみ。

140分、無事帰宅。