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春霞で展望は期待できず、新緑はまだ先の話。さりとて体は動かさないと直ぐに鈍ってしまう。 そこで妻が選んだ山は標高差が1100mほどの秩父の「熊倉山」。 積雪具合がインターネットでも把握できず心配ではあるが、金曜日は弱風・快晴との天気予報が出たので思い切って出発することにした。 所要時間: 5時間15分 |
3時5分、少々早過ぎるとは思いつつも出発。 青梅市、名栗村経由で秩父市に入り国道140号線を走る。秩父鉄道「白久駅」への道に左折し、谷津川沿いに南下。白久温泉先1km地点で「熊倉山・白久(林道)コース」看板を見つけ小さな空き地(3台程度駐車可)に駐車。 |
やっと夜が明けてきてヘッドランプ無しでも何とか歩ける明るさになっていた。 (この登山口の空地は私有地らしいが駐車は認めてくれている様子・・消えかかった看板の文面より都合よく判読) 5時50分、登山口横を流れる谷津川を丸木橋で渡り出発。 (出発地点に営林署のNo1標識が立っていたが山頂近くのNo.17標識までこれが続いた。) 沢沿いの山道を登っていく。 |
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6時5分、コース看板に「本谷コースは7合目付近が崩落のため通行不能」と書かれていた。(この本谷コースは国土地理院地図には記載されているが昭文社地図には記載されておらず)私たちは最初から谷津川沿いコースと決めていたので迷わず林道コースに進む。 杉・檜の森の中は薄暗く、足元に注意しながら登る。風はなく気温は0度。 |
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6時20分、杉や檜の森を抜け出て自然林の急斜面を登る。10分ほどで展望の利く尾根に出る。 東南の山稜越しに朝日が差込みはじめた。東側は伐採跡地の急斜面が下の沢まで落ちこんでいる。この急斜面には檜の若木が植林され、食害防止の為か丁寧に一本一本が網で包まれていた。 |
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この景色に驚きながら少し登ると山道は伐採跡地の急斜面を等高線沿いに進み始めた。地図には「悪路」と表示されていたがこんな景色の中を歩くとは予想外。ザレた山斜面の中腹の痩せた踏み跡を水平に長く歩く。 6時55分、地獄谷に到着。標識は無い。北斜面の山陰で積雪が凍り、岩の間を冷たく澄んだ水が流れている。栃の枯葉が積もった山道は檜の森に続き、凍った雪道の上りが始まる。 7時8分、手入れの行き届いた檜の森の中に床が抜けかけた「営林署小屋跡」が残っていた。この先も檜の森の中を綴れ折りで上っていく。 |
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7時25分、檜の森の中、「獅子岩」とでも名付けたい大岩脇を通過。 7時45分、急登。大きい岩のある尾根に平行に沿った山腹の道を進む。涸れた沢筋を渡り、急登。 |
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8時10分、「林道標識No16」に「高根」の現地名が表示されていた。尾根越しに南には陽のあたる長沢背稜が望めた。 山道は「井戸沢ノ頭」のピークの北側を巻いて等高線で進む。道が凍って滑り易く気が抜けない。 8時28分、「三門の広場」(林道No.17)に到着。山頂近くには珍しい平坦地形。山頂へは岩まじりの潅木帯の尾根を登っていく。 |
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8時32分、「熊倉山(1626.5m)」山頂に到着。 山頂の細長い小広場には「熊倉山登山道案内図」と三角点、大きな山頂標識と小祠があった。山頂周囲は大小の木々に囲まれ、展望は殆ど得られない。 岳カンバの間から武甲山を見つけて陽だまりを探してコンビニ弁当を取り出す。気温は0度で微風。なぜかひどく寒く、手袋をつけたまま弁当は半分だけ食べる。 |
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9時10分、往路を使い下山開始。 9時15分、下山路の氷の様子が分かっているので、「三門の広場」でアイゼンを装着、「高根」で外す。 森を抜けた伐採跡地の急傾斜地点からは如何にも優しそうな武甲山の山容が眺められた。 |
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11時5分、車に戻る。 登山口の車はマイカー1台のみ。今日は誰にも出会わない登山だった。 帰路、秩父市街を通過しながら北側から眺めた武甲山は前面上部が削り取られて「すさまじい憤怒」を感じさせる姿を見せていた。 1時50分、渋滞に出遭わず短時間で無事帰宅。 |
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