マロンとの最初の一週間

313(1日目) …マロンが我が家に到着。

ワクチン注射は3日前に済ませたとのことで朝6時半、ブリーダーのところに生後56日のマロンを引取りに出向く。首都高速経由で8時過ぎに足立区の「アダチセキヤ犬舎」に到着。既に奥さんがマロンと餌、カルシュウム粉末とワクチン証書を揃えて待っていた。マロンの耳裏には個体を特定できるよう刺青でNo.が入れられていた。盗難対策にもなるとのこと。

マロンを抱いて門を出ようとする妻を犬舎の中から母犬と父犬が他の犬を押しのけて見つめていた。


(
)サシェム・ド・スゥ・レ・ヴィヴィエール

 

帰路の2時間、マロンは車酔いする様子もなくダンボールから身を乗り出して活発。帰宅後、朝食抜きのマロンにブリーダから渡されたふやかしたドライフードを与える。食欲は旺盛。食事は3/日と決めたが適正量が分からず、差し当たり50g/回とし、適・不適はフンの硬さで判断することにする。

初日は静かに過ごさせようと100円ショップで購入した金網(台所用品をぶら下げる格子網)で作った犬用柵のなかに放したが、常に私たちの姿を目で追い、柵を乗り越そうと立ち上がる。

柵に入るとやたらと足や手に纏わり付いてくる。警戒心が少なく人好きな犬だ。2時間ほど激しく動いてその後30分ほど深い眠りに入るパターンで夜を迎える。

 

314(2日目)…動物病院で初診。

 昨夜は2時間毎に泣き声で起こされた。トイレ場所に用意した吸湿シートはすぐに口で引き剥がしてしまい、床に落としたフンを踏んづけて歩き回るのでやたらと手が掛かる。本能的にか寝場所ではしない。午後は初代マロンがお世話になった「のずた動物病院」にマロンとフン持参で初診をお願いする。院長は腹部に小さなヘルニアが見られるが他に問題とするところはなさそうと耳の中だけを清掃してくれた。ブリーダーで済ませた最初のワクチンは早すぎだと言って3月末と4月末に追加注射した方がよいとのこと。初診代3200円。

食事はブリーダーから渡されたドライフードを湯でふやかし、カルシュウム粉末と犬用ミルク粉末を振りかけて与えるが短時間でよく食べる。フンが硬いので少しずつ増量中。食後は1時間ほどでフンをするパターンが続く。物怖じせず掃除機の音も全然気にしない。手作り柵をよじ登る様子を見せるので金網ユニットを組みなおし、高さを48cmに改造。

 

315(3日目)から脱走。

昨夜は11時頃、寂しそうに泣き始めて泣き止まない。寂しいのかもと毛布を筒巻きにしてケージに入れてやったら母犬に抱かれたような姿で眠り始めた。今朝は4時に泣き始めたが癖がつくといけないと放置。そのうちドタッと音がする。

起きて見に行ったら、マロンは居間を走っていた。柵の中はシーツ外に踏みつけられたフンが散らかり、オシッコが流れている。急ぎマロンをケージに閉じ込め、フン始末中にも50cm弱のケージを乗り越して手に纏わりついてくる。

2ヶ月にもならないのに本当にタフな犬だと感心。柵は再び、金網ユニットを組みなおして62cmの高さに改造。日々、マロンと知恵比べの様相。

 

316(4日目)…我が家に慣れ始める。

マロンと私たちの波長がだんだん合ってきた感じ。フンの前動作も分かるようになり、シーツにさせることに2度成功。柵の中での動きがあまりに激しいのでウッドデッキに出して噛み綱を投げると猫のような身軽さで追いかける。

キャシャでチビ犬だったので優しく扱わなければと思っていたが、金網を攀じ登ったりシーツを引きちぎったりで予想外に体力、運動能力があって、物怖じせず好奇心も強くて驚ろかされることが多い。

遊具を与えても5分ほどで飽きてしまうのに紐に吊るしたコングをケージの桟に吊るしてやったら30分以上も唸り声まで上げて遊んでいた。鳥猟犬なのにあまり匂いを嗅いでいる姿は見せない。犬小屋の内側に張ったウレタンフォームのシートを齧りとってうれしそうに遊んでいる。

 

317(5日目)…再びを乗り越す。

0時に泣き声を出したが放置していたらそのまま静かになる。朝4時、再び泣き始めフンでもしたかと柵を覘くとやたら抱かれたがる。見ていると暫くしてフン。昨夜の夕食から10時間経過して腹が減っているものと考え、朝食を与えるとガツガツ食べて落ち着いて眠り始める。食事は4/日に増やすことに決め、眠っているマロンを残して朝散歩に出かける。家に戻るとマロンが玄関に出迎えに出てきた。金網柵を高く改造したのにどこから脱走したのか不思議。

昼に外出から帰ると、妻がマロンはトイレ場後ろの柵を乗り越して出てくると言う。見ていると柵を高く改造し残した箇所に前足を掛け、懸垂の要領で柵上に首を出し後ろ足で金網をよじ登り、柵上に身を乗り出し、柵外に転がり落ちてきた。
早速、高く改造し全面、内側にオーバーハングさせた。フンとオシッコはトイレシートにする回数が増えてきた。ウッドデッキから庭に下りられないよう、柵と同じ金網を張る。体重は初日より100g増加しただけなのに背が高くなったような気がする。夜8時にフンをして眠りに入る。

 

318(6日目)…ウンチとオシッコをトイレで。

深夜0時頃と朝4時頃に泣き声を上げたが構わずにいたら眠ってしまった。この調子なら食事は3/日で問題なさそう。我が家に慣れて自信を持ち始めた様子で日中、ウッドデッキに出すと走り回って靴下やズボンに噛み付いてくる。口を抑えたり仰向けに押さえつけると暫くは大人しくなる。試しに布製のフリスビーを投げてやったら結構夢中になった。咥えたフリスビーは得意気にすぐに犬小屋に持ち込んで取られまいとする。

偶然かも知れないがフンは3回ともシーツの上にした。ウッドデッキにもトイレシートを置いたら遊びの最中でもオシッコはその上でしていた。いつのまにか身についてきた様子。

 

319(7日目)…体重が500g増え自信も付いてきた。

11時半頃、泣き声を立てバタバタするので起きて見たらフンをした。今しばらくはフンを我慢できそうもなく、食フンの気があるので深夜の見守りは必要になりそう。朝4時頃再びフン。内臓も早く成長して朝まで我慢できるようになってほしいものだ。

日中、纏わり付くので押すと笛が鳴る小形ボールを与えたら、無造作に押さえてピッ!の音にビックリして飛び上がった。

暫くはボールを敬遠して無視するようにして遊んでいるが横目で見ていたりで結構、気にしている。子犬の好奇心や探究心を試すのは結構面白い。少しずつチョッカイを出しなから1時間ほど掛けて遊び始めた。

1週目にしてオシッコとフンは柵の中でもデッキでもシーツを探してするようになった。適切に教えたという実感はなく、マロンが本能的に匂いや足裏の感じまたは私たちの喜ぶ気持ちを感じて行動が決まってきたような気がする。
我が家に来て早くも1週間。自信を付けて自分の希望も態度で示し始めた。また最初は極度に嫌がった仰向けにされること、口や足を触られることにも慣れてきた。体重は500gほど増えて3.8kgになっていた。

「マロンとの最初の1週間」はこれで終わり。