「飛龍山」は奥多摩の山では一番高く、名前も立派なので以前より意識はしていた。が、地図から標高差1150m、歩行時間も6時間以上と読めるので、マロン健在時には我が家の登山対象から外していた。

この所、近くに頃合の山が見当たらなくなったこともあり、これまでは敬遠していた「飛龍山」に登ってみようかということになった。幸い、継続している山歩きで体力も向上、体調も良いので雪が始まる前、晴天で平日(狭い林道に駐車スペース確保のため)等、条件を選んで月曜日の出発が決まる。

所要時間: 6時間45

 

48分、家を出る。天気予報通りの快晴で半月と星空の下、青梅街道をひた走る。路肩のデジタル温度計がマイナス 1度を示していた。

奥多摩湖を過ぎ、「お祭り」バス停先を右折し後山林道に入る。殆どが砂利道の後山林道をガタゴト約10km走り、林道終点に一番乗りで駐車。

 

630分、薄明かりの中、林道終点の「三条の湯 雲取山方面→」標識に従い出発。水量の多い三条沢を青岩谷橋で渡る。沢沿いの木々に付けられた名札で木名を覚えようとするが裸木では区別出来ない。「銚子の滝」横を過ぎ、「山女魚橋」を渡る。

656分、「三条の湯」小屋(宿)に着く。小屋横には「飛龍山」「雲取山」「お祭り」「サオラ峠」と四ルートを指示する道標が立っていた。休まずに小屋裏手の山道で「飛竜山」を目指す。

 

落葉しつくした森の急斜面をジグザグを切りながら登っていく。周りの山頂に朝日が差し込む。急な上りが一段落したあたりの登山道に霜柱に混じって残雪が見られた。

725分、「1300m」表示地点を通過。風が無く、穏やかな朝日が差し込み、気温が4度位なのに汗ばむ。シャツ一枚になっても寒さを感じない。

1450mを越すあたりから尾根沿いに南斜面を登り続けるようになる。夏はさぞかし煩わしかろうと思われる笹竹がいつも右から被さってくる山道が続く。変化の無い景色の中を登り続ける。

いつの間にか「中ノ尾根」から隣の「孫左エ門尾根」の斜面に移ったらしい。

 

 

815分、足場が悪くなり、急斜面に作られた木橋を渡るようになる。水の流れる沢も渡ったがツララが見られた。山道にだんだん雪量が増えてきた。

833分、大きい尾根を回り込むと左前方に尾根が伸びて見える。前飛竜らしい。高度計は1700m。冷風を感じ脱いだシャツを着る。気温は変わらず4度。山陰から富士山が姿を現す。

845分、沢を渡る。飛龍山と雲取山を繋ぐ尾根に近づいたらしい。

 

このあたりから左下に切れ落ちていくいくつかの尾根を等高線沿いに横切って進むので工程が捗らず、歩いても歩いても景色に変化が少なく精神的に疲れてくる。

910分、雪の残っている木橋を渡る。山道の雪は締まっていて歩きやすいが凍っているところもあり気が許せない。

 

920分、開けた地点に出る。その先に戻る方向の尾根筋に向かって、「三条タルミ・雲取山→」道標があり、「北天ノタル」地点と分かる。

この先は完全に雪道。地形の悪い箇所では木橋が五つほど続く。シャクナゲの木が増えてきた。

 

930分、岩の突起を乗り越える。雪道に気が許せず、歩行ペースが結構低下。

948分、右斜面に手書きの「飛龍山近道2030分」看板を見つけた。

一瞬、これで山頂を目指そうかとも思ったが、急斜面の森の中に続く踏跡が残雪と笹に覆われていたので安全第一と思い直して正規ルートに進む。

 

107分、やっと飛龍権現のポイントへ到着。

好展望地かとの期待は外れ。小祠横に立つ道標は「飛龍山頂」「サオウラ峠、丹波」「雲取山、三条の湯」「笠取山、将監峠」と4方向を指していた。

小祠の「飛龍権現」様(?)に無事到着を感謝し、背後の山頂に向かう。

一段上って山頂かと思ったら、山頂は更に前方に聳えていた。コメツガやシャクナゲ林を縫って雪道を進む。

1028分、「飛龍山(2077m)」山頂に到着。山梨百名山標識と三角点がある森の中の狭い空き地。南側だけが開かれていて富士山、大菩薩嶺、三頭山が望めた。陽を浴びて富士山を眺めながらゆっくり食事。

1048分、下山開始。帰路は例の近道を利用しようかと降り口を探したが、見つけられず往路と同じコースを帰る。

「北天ノタル」あたりからは東方に「雲取山」から「鷹ノ巣山」へ続く奥秩父主脈縦走路が良く見えた。

115分、誰にも出会わず車に戻る。林道終点の車は3台に増えていた。

 

45分、無事帰宅。