新潟県境近くにある群馬の「稲包山」はアズマシャクナゲ、マイズルソウ、ムシカリ等の花が見られるとのガイド書を見て、この時期はシャクナゲの花期だと気づき、快晴予報の火曜日の出発を決める。

ガイド書は 6.5時間の 周回コースを紹介していたが、私たちは山頂からの展望と花を見るのが主目的なので、登山口と山頂間の最短コースと思われる送電線の巡視コースを往復することにした。

 

◇所要時間: 4時間6
◇難度(マロンとして): 易++▼++難
◇マロンの日記:
 登山地図にはコース表示されていないルートとのことで心配しましたが、歩き易いコースでした。いまだ雪が残っていたのに早くもダニが繁殖していて、マロンだけが集中攻撃されたのは驚きでした。

 

210分、出発。外気温は17度。高速道と一般道を使って練馬ICから関越自動車道に乗り、月夜野ICを下りて国道17を北上。猿ヶ京温泉先3.5kmで県道261に左折し、法師温泉方向に向かう。

赤沢スキー場への分岐先の「←法師」看板の立つ地点で無標識の左の舗装林道に入り、緩く山に上ると2kmほど先で林道が二分岐。左の舗装路に進む(・・×)とカーナビが目的地から外れたことを図示したので分岐地点へ戻り、砂利道を100mほど進み、小橋(秋小屋沢橋?)先に登山口を見つけ、空き地に車を止める。気温は8度。

53分、マロンに殺虫剤をスプレーし、熊鈴の消音カバーを外して新緑の森に出発。

 

この森には栃、胡桃等の樹が混じり、林床には羊歯、ゼンマイが見られいつもの山と雰囲気が違った。少し肌寒い風を正面から受け、新緑の中を気持ちよく緩く上る。道脇のヤマアジサイらしい潅木が蕾を付け始めていた。林床のヤグルマ草群落に朝日が差し込む。

534分、急斜面を九十九折で上る。林床に笹が増え始めた。東山腹に抜け出て朝日を浴びて進むと頭上に高圧線。

 

553分、鉄塔下に到着し小休止。エンレイソウが濃紫色の花(・・正しくはガク片らしい)を見せた。

ガイド書地図コースは鉄塔下から尾根筋を上るように書かれていたが、そのような道は無く、東斜面の山道を70mほど辿ると、進路に折れ枝が置かれ、左の林に山道が分岐。傍らの中東京幹線の標柱に小さく手書きで「←稲包山」の文字。

 

これに進むと九十九折の道脇にスミレや蕾を付けたユキザサ、マイズルソウが見られた。

マロンの息が荒いので水飲み休憩し、水スプレーしてやる。

618、林を抜け出ると東に視界が得られ、朝日を浴びた新緑の山腹に紫紅色や白い花。近づくとムラサキヤシオとオオカメの木だった。

大きな高圧線鉄塔に近づくと周りの笹原に若タケノコが多数。この笹の種類は・・・
昔、安達太良山からの下山時、土地の人達のタケノコ採りを真似て、折り採って持ち帰った若タケノコを妻が長時間、茹で上げたのに硬くて食べられず、結局、ゴミにしたことのある「ネマガリダケ」らしい。

試しに採って皮をはいで齧って見たら、特にエグ味はなく食べられそうだった。

 

636分、巨大鉄塔下に到着。鉄塔先には「稲包山」の尖った山頂が見えた。
ガイド書地図にはこのポイント先に「アズマシャクナゲ」「ムシカリ」の花名が記載されていたのでこれらとの対面を楽しみに先に進む。森では相変わらず鶯が鳴き交わしていた。

進路先の林の中に白色が見え、近づいてみると残雪。マイズルソウとゴゼンタチバナはやっと蕾を見せた程度。その先ではムラサキヤシオが魅力的な花色を見せてくれたが、待望のシャクナゲが姿を見せない。

 

651分、尾根筋の三分岐に出ると左右標識は「←赤沢休憩舎 稲包山→」で私たちの上ってきた道は無標識。

シャクナゲを探しながら山頂を目指す。ムシカリ(=オオカメノキ)の白花は多いがシャクナゲは樹さえ見当たらない。一段上りあげると山頂は平坦地の先に聳えていた。

 

林の中に濃いムラサキヤシオが美しく咲いていた。いまだ姿を見せないアズマシャクナゲの花との対面は諦めて緩い上りで山頂を目指す。

716分、山頂を眼前にして水飲み休憩するとマロンの顔を這うダニを見つけ排除。更に山頂に近づくと勾配がきつくなり道脇にムラサキヤシオ。

山頂標識直前の低潅木の中にシャクナゲの花!!。姥花だったが写真に収めて山頂に上がる。

 

723分、三等三角点と石祠のある「稲包山1597.7m」山頂に到着。

快晴の空の下に360度の展望。地図を取り出し、展望できる山名を調べると、北から東に「平標山」「仙ノ倉山」「万太郎山」「谷川岳」「東吾妻山」。西には「白砂山」、北西には「苗場山」が僅かに覗いて見えた。

南下には先ほど車で通過してきた猿ヶ京の「赤谷湖」が見えたが、遠景は霞の中。

山頂東斜面に数株のアズマシャクナゲが花を見せてくれたので以前、マロンと登った「平標山」をバックにして写真に収める。

 

748分、充分、展望を楽しみ下山開始。

15分ほど下って勾配が緩んだ地点の三分岐で無標識の左の山道に下る。

風の入らない笹道には早くも羽虫が飛び交って煩わしい。

 

812分、巨大鉄塔下に到着し、小休止。涼しい北風を浴びてムスビを食べる。ここからは谷川岳の双児峰が確認できた。更に下ると下のほうから蝉か蛙の鳴き声。

838分、下の鉄塔に近い三分岐に戻り、小休止すると林で蝉が鳴いていた。

沢に近づいたあたりまで下り、同年輩夫婦登山者と交差。沢沿いに下ると沢からは蛙の鳴き声。マロンが水の少ない沢に浸って泥犬になる。

99分、車に戻り、本流の沢でマロンを洗い、体を細目櫛で梳いてダニ排除し帰路に付く。

 

13時、無事帰宅。
先ずはマロンの体のダニ除去作業。獣の気配が感じられなかった山なのに意外にダニが多く、特に目の周りに集中していた。