紅葉前線は東北地方にまで南下とテレビが放映。  今年は幸い、全メンバーの体調が良いので、「紅葉を訪ねて福島県へ」の山行計画を作成したが、何故か当地方に晴天予報が続かない。・・・で、待機中の体力低下を避けようと、ガイド書から諏訪南ICの南西にある「釜無山」をピックアップ。
この山は唐松にかかる「サルオガセ」が多いことで有名らしい。

◇所要時間: 4時間11
◇難度(マロンとして): 易++▼++難
◇マロンの日記:
 今日は笹の多い山で、濡れ笹の下を紐付きで長時間歩かされストレスが溜まりました。・・・が、その後の長い林道はずっとフリーにしてもらえ楽しめました。

 

340分、出発。国立府中ICから中央高速にのり、諏訪南ICを下りる。カーナビに従い国道20号線をくぐり、道脇の「入笠山→」標識にガイドされ西に高度を上げていく。

610分、標高1810mの「大阿原湿原」駐車場に到着。

湿原には霧がたなびいていた。駐車場に朝日が差し込み始めたが気温は5度で寒さに弱い妻は手袋を着用。

624分、先ずは「釜無山」目指し、舗装路を南に向かう。ガイド書通り、道脇のカラ松林にサルオガセが垂れていた。

今日のマロンは落ち着いているので紐を外す。舗装路は20分ほど先で砂利道に代わった。

649分、草道が左に分岐していたが標識が無い。地図とGPSで「程久保山」への道と認識し、これを上る。カラ松に混じる広葉樹は早くも黄〜茶に色づいていた。登るに従いマロンが森の中の獣道を気にしはじめたので紐付きに戻し上る。

 

656分、小空き地の「程久保山」山頂に到着。下山路方向を見ると濡れた笹が密生していた。踏み跡を下ると背丈ほどの笹原になり、直ぐにズボンがビショヌレ濡れ。

77分、下りきって砂利林道に合流。唐松林にサルオガセが増え始めた。湿った風が流れる沢地形に多く見られるようだ。

 

720分、砂利林道が2分岐し、直進路先に閉鎖ゲート。

右の森の入口に「釜無山・登山口」看板を見つけ、森に進もうとしたが笹壁で遮られ・??。・・笹原を注意して見ると、その中にルートがあるらしい。

思い切ってマロンを嗾けて笹原に突入。

 

笹の下を先行するマロンは完全に潜航艇犬になり、私たちは紐長9m先でマロンが僅かに揺らす笹を目印にして笹原を追従。濡れ笹丈が肩の高さになり、シャツまで濡れ始めた。

唐松の枝に結ばれたテープも頼りにして、10分ほど進むと笹丈は腰程度になり、歩きやすくなった。

733分、進路方向が左に変わり、前方に右に長い山体が現れた。その右端の緩い高まりが「釜無山」らしい。

また肩丈ほどの笹原を進む。潜航・先行マロンの目の高さでは笹林の中に前方に続くトンネルが存在するらしく、好調に前進していくが、リールを持って追従する私達は密集した笹原を泳ぐよう。

 

740分、前方尾根に150mほどまで近づくと突然、「水源かん養保安林」標識の立つ笹の刈られた小空き地に飛び出した。(妻の指差す方が往路)

シャツが濡れ、立ち止まっていると寒いので再び先に進む。

744分、尾根に上りつき右に進むと笹丈はまた肩〜腰の高さになり、紐先マロンは笹トンネルの中。

 

752分、笹丈が低くなり、西方に形の良い山が姿を見せた。マロンに引かれて濡れ笹を掻き分け進む私はプールから上がったばかりのようにズブ濡れで靴の中には水が溜まった。

82分、緩い上りでシラビソ林に入り、苔に覆われた露岩を避けながら前進。5分ほどでシラビソ林を抜け緩く下る。腰丈ほどの笹原越し北に視界が開け始めた。

 

88分、穏やかな皿状地形の8畳ほどの小空き地で「釜無山」標柱を見つけた。

先ずは記念写真を撮り、濡れた衣類を着替え、ムスビを食べながら展望を楽しむ。北の笹原先に岳カンバが朝日を浴びて立ち、遠方に「蓼科山」が特徴ある姿を見せた。青空に流れる白い絹雲を見て、「サルオガセそっくり雲」だと妻。

登山口から嫌になるほど濡れ笹に苛められたので、この穏やかな初秋の景色が一段と美しく感じる。

834分、山頂の雰囲気を十分味わったのでレインコート上下で完全武装して下山開始。帰路は背後から太陽を受けるので笹原の緑が美しい。

850分、「水源かん養保安林」標識の立つ小広場に戻る。この空き地から東斜面に笹が刈られていたので、ヒョッとすると林道に下りられるのでは・・と、国土地理院地図とGPSを調べ・・・→高度40mほど下に林道が通過していると推定。

 

→刈り跡に進むと直ぐに、急斜面下に林道が見えた。これで濡れた笹道と縁が切れると喜んで急斜面を下る。

91分、砂利林道に降り立つ。 このあたりにもサルオガセが多く見られた。

917分、閉鎖ゲートを通過し「釜無山」登山口で小休止してレインコートを脱ぐ。

駐車場へ戻る途中の林道からは形の良い北八ヶ岳が望めた。

湿原入口への帰路、フリーにされたマロンは休むことなく林道や森や斜面を走り回り、猟犬の体力の凄さを感じさせた。

955分、「大阿原湿原」駐車場に戻り、そのまま「遊歩道 0.9km→」標識に従い、時計回りで「湿原探訪」に出発。

遊歩道は湿原脇との予想外は外れ、往路はシラビソやツゲの森の中を西に進む。

やがて暗い森の左斜面から水が流れ込み、先に進むに従い、流水箇所が増え、都度、古びた木道で流れを渡る。

やがて湿原尻に来たらしく、流水を集めた沢脇に出てこれを渡る。

 

113分、草紅葉の明るい湿原に抜け出た。

「大阿原湿原」は南西に緩く傾斜しているので湿原北側は草原の雰囲気。

明るい湿原を眺めながらムスビを食べ小休止。

 

1024分、帰路は湿原の北縁を辿る。秋の日を浴び色づいた草原に岳カンバの白い幹が映える。

長野県でこんなに紅葉が進んでいるとは思いがけないことだった。これでは予定している福島県への遠征山行は時期を失することになるかもと心配になった。

1035分、車に戻る。気温は15度に上がっていた。

 

1時、無事帰宅。

 

右図は当日のGPS軌跡。