季節、体調ともに良いので、標高差があり、長距離コースと敬遠していた富士山近くの「毛無山」に登ることにした。

富士五湖地方は前日から当日昼まで「晴れ」予報のため、富士山の眺めも十分期待できそう。
前回の山行からほぼ二週間ぶりの登山である。

 

手元の昭文社の山と高原地図「富士・富士五湖」のエリアマップには「毛無山は富士山周辺の山では一番の高峰で容易に人を寄せ付けない山である。尾根筋の道が安心だが、金山沢経由で上る人も多い。」と書かれている。

 

 

 

所要時間: 5時間45

 

330分、家を出る。頭上には半月と星。相模湖ICから中央高速に入り、河口湖ICを下りる。路傍のデジタル温度計は「7度」を表示。未だ車の少ない139号線を好調に走って朝霧グリーンパーク入口を右折。

7年前の秋、東海自然歩道歩きで見覚えのある東京農大の農場脇を通過。途中、毛無山登山者用駐車場(無料)が目に留まったが、ゲートまで往復1時間強の歩き時間増を避けるため、「毛無山入口」ゲートまで車を乗り入れ、ゲート横の無人有料駐車場(500)に車を停める。

 

6時、ゲート脇の「毛無山山頂160分 地蔵峠まで140分 不動の滝40分」標識と簡単な看板地図を眺めて林の中に出発。

神社と麓金山精錬所跡を右に見て、砂利道を進むと堰堤前で砂利道は左に曲がり、右には細い山道。標識がなく、早くも進路に迷う。仕方なく、ゲートに戻り看板地図を見直して右の小道に進む。石の敷き詰められた枯沢を渡り、「登山ルート」標識に従い山に入る。

 

610分、「←地蔵峠」方面と「←毛無山登山道」の分岐に着く。地蔵峠経由で登るつもりだったが、山道が濡れていて下りは滑りそうに見えたので直登ルートで頂上を目指すことにする。

いきなり尾根筋の急登が始まる。杉の根や岩石が階段状に積み重なっているルートで、みるみる高度は稼げるが息も上がる。植林帯はすぐに終わり、雑木林の中の急登になる。

620分、「一合目」の白看板を通過。岩混じりの尾根道を登り続ける。

630分、「二合目」通過。標高差で200mほどは上ったはず。

 

637分、「不動の滝」見晴台に到着。谷を隔てた右手に水量の多い見事な二段の滝が見える。 南には木の間越に黒い富士山が姿を見せ、その後ろから太陽が昇ってきた。

滝を眺めながらバナナでエネルギーを補給し上りを続ける。急坂箇所には補助ロープもあるが頼るほどでもない。林の中に大岩が現れ始め、道脇にはヨメナやトリカブトの花。笹薮地帯を登り抜ける。

77分、「四合目」通過。更に10分程の上りでちょっとした平坦地に着く。

727分、「五合目」に到着。何故か今は懐かしい「マツダランプ」の名前入り古看板が掛けられていた。この後も相変わらず一本調子の急登が続く。

742分、「六合目」。太陽光が弱く未だ蕾状態のリンドウの花が目立つ。オヤマボクチ、リュウノウ菊(?)も花を見せる。青空にダケカンバの白い幹が映える。林の中の痩せ尾根を通過。相変わらず急登。

8時、「七合目」通過。少し緩やかになる。トリカブト、紅葉が美しい。再び急坂。
「八合目」、既に富士山は雲の中。上空は晴れたり曇ったりで一喜一憂しながら登りつづける。

830分、「富士山展望台」に上りついたが富士山方面は積乱雲状の雲で覆われてしまった。右手の山だけがガスの中で見え隠れする。「九合目」通過。さしもの急坂も緩んできた。

 

842分、山頂と下部温泉への分岐標識のある稜線に上りつく。「毛無山山頂へ300m」標識に従い尾根を右に辿る。

道脇の大岩に「南アルプス展望台」の表示。上って見たら雲の上に南アルプスの山並みが連なって見えた。山頂へ向かう尾根筋は紅葉が鮮やか。

紅葉色に染まった薄霧が流れる。霧に濡れたコケの緑も美しい。

もともと毛無山に紅葉風景は期待していなかったので、この300mの尾根筋の紅葉に出会えたのは想定外の喜び。

 

853分、一等三角点が設置されている「毛無山 (1946m)」山頂に到着。

山梨百名山標識にマロン像を乗せて記念撮影。潅木に囲まれた山頂広場は東から南東方向に視界が開けているが、今日はガスに閉ざされている。

フリースを羽織り、富士山方向を眺めながらコンビ二弁当を半食。マロンが同行していればお相伴をせがまれて一番忙しい時間になるのにとマロンが話題に上る。

915分、食事を終えて下山開始。5分で分岐に戻り、往路と分かれて地蔵峠目指して下部方面に緩やかに下る。

933分、分岐から尾根を500mほど進み、進路が南に変わった途端、下り傾斜がきつくなる。

957分、「(第二)地蔵峠」に到着。「毛無山山頂50分、約1870m」と「麓への下山道分岐まで約10分」の看板があり小休止。

1015分、下部と麓との分岐に到着。地図にはこの地点に「地蔵峠」と表示されているが現地には標識が見当たらなかった。

東に方向を変えて急なザレ道を下る。二人とも二度ほど滑った。急な崖をロープ頼りで降りると水場。休まずに沢を渡り対岸の斜面を上る。

1038分、「金鉱石を焼いた窯」跡の看板地点を通過。先ほどの地蔵峠の南に「金山」の山名もあり、このあたりは金の産出地だったらしい。

 

1050分、清流の沢横で弁当の残りを食べながら一休み。沢を渡り下山継続。ルートはこの金山沢沿いに作られており、その後、4,5回、沢を渡り返す。

1125分、水量の多い落差5mほどの「比丘尼の滝」を通過。日が入る山道脇には大きな富士薊の群落が見られた。

1145分、車に戻る。

駐車場の車は5台に増え、全車のワイパーに料金領収のカードが挟まっていた。今日出逢った登山者は5人で全員、逆ルートから上ってきていた。

留守番マロンのために早く帰れるよう、八王子ICまで中央高速を利用し、25分、無事帰宅。