当初計画


実際

梅雨期に入り、マロンは体力を持て余し気味で行動が荒くなってきた。

先日、相模原のJさんから奥多摩の「三窪高原」の蓮華ツツジが見ごろだったとのメールを戴いたので、マロンのガス抜きとツツジ見物を兼ね、高原先の「倉掛山」を訪ねることにした。

今回、妻は風邪で参加を見送り。このため、うろちょろマロンのコントロール、写真撮影、ルート確認の役に加えて山行メモも私が取らねばならくなった。少しでも楽をしようと、メモ用紙に国土地理院地図からコース情報を切り取り貼る。これを使い、ルート確認と山行情報メモを同時に処理しようとの算段。

(…結果的には国土地理院地図には観察ルート等の記載が無く、痛い目にあった。)

所要時間: 1時間+2時間45
難度(犬として): 易++▼++難
マロンの日記: 倉掛山へは石や段差が少ない山道で歩きやすかった。フリーにしてもらい、虫や蝶 (?)とも遊べた(食べた!!)ので楽しかった。

 

330分、マロンを連れて静かに家を出る。国道16号線を走る頃、東の空が早くも薄明るくなり季節が着実に進んでいるのを実感。大月ICで中央高速を下り、塩山市経由で大菩薩ラインに上る。柳沢峠を200mほど通過した先で左折し、林道に入る。

電波塔への三分岐点の路肩には既に7台の車が止まっていた。

車を路肩に置き出発準備中、カメラを提げた人が山から戻ってきた。聞けば蓮華ツツジの撮影とのことで今日はガスっていて良い雰囲気の写真が撮れたとのこと。

 

550分、ゲート横をすり抜けて砂利林道に出発。進むに従い霧が立ち込め、ウグイスの声が聞こえる。

 

610分、左に山道が分岐し、左は「展望台」、直進は「笠取林道」との標識が立っていた。「笠取林道」の名は地図に見当たらないので「展望台」に向かえば良かろうと丸太階段斜面を左右にうねりながら下る(×)

3分ほどで霧の中に東屋。前日の地図確認でルートに休憩所マークがあったことを思い出し、順調に予定コースに乗っているつもりで霧の中を更に道なりに進む。

 

一段の高まりに登ると、数人のカメラマンがツツジ撮影中。小広場の方位盤の現地名が「ハンゼノ頭」と記載されていてビックリ。

今回の計画では先ずは電波塔の分岐に着き、そこから北進して「板橋峠」経由、「倉掛山」に登るつもりが、いつの間にか予定コースの逆方向にある「ハンゼノ頭」に立っている理由が理解できない。磁石で方角を調べたら、北と思っていた方向が南だったので更に驚く。

マロンが動き回るので撮影者達に迷惑を掛けてはと気になり、登山地図を取り出して、じっくり調べる気にもなれず、又、ここから霧の中に道を探しながら北進して「倉掛山」に向かうのも気が重く車に戻って「板橋峠」をスタートポイントにして「倉掛山」を目指すことに決め、霧の中を戻る。

 

車に戻りマロンをケージに入れて登山地図を取り出し、検討。どうも最初の分岐点で「展望台」に向かったのが、ミスの始まりらしい。詳細原因追求は帰宅後に回すことにして、車を林道の先に進める。ガスが薄くなり、日の光が差してきた。

 

林道の前面と左側が古びたフェンスで囲まれた地点に到着。小広場を車で一回りし、北に向かう廃林道らしい窪みに「倉掛山→」の小標識を見つけ、ここが「板橋峠」と確信。

655分、人の気配が無いので、マロンをフリーにして標識に従い北に向かう。朝日に照らされて暑くなり、マロンに水を与えるが飲まない。

 

716分、草むらに倒れた「倉掛山→」標識を見つけた。その5mほど先で廃林道(?)は右にカーブし、細い山道が尾根に上がっていた。

標識はこの山道を指示していたものと推定し尾根筋に登る。

今日のコースは尾根沿いの防火帯に付けられていて、このシーズンの若草の緑は美しい。

山道は緩やかに左右、上下にうねっているので景色に変化があり、楽しく歩ける。東には常に眺望が得られ、近くに「鶏冠山」が望めた。いつの間にか若草の露で靴下までグッショリ。

737分、ピークに登る。少し暑くなってきた。その先は緩く下る。マロンは虫取りに夢中。東の林でカッコーが鳴いている。

 

次のピークで休憩を兼ねてムスビを食べる。マロンはドックフードに目を輝かせている。

81分、ピーク。息が切れる。青空復活。

821分、蕗が姿を見せる。マルバダケブキにしては少し優しそう。

前方の高まりに向かって、若草の緑、レンゲツツジの朱色、岳カンバの新緑、空の蒼さと続いて思わず見とれる。小鳥の鳴き声が響く。

825分、緑の斜面を登り詰めると木の幹に「←倉掛山」「白沢峠→」の標識。

826分、林の木の幹に「倉掛山」標識を見つける。尾根越し前方には広瀬ダムが見えた。マロンを抱いて、マロン7山目の登頂記念写真を撮る。

山頂東20mあたりは立ち木が切り払われていて南北に展望が得られる。北には大きな「笠取山」、南には「大菩薩嶺」が形良く聳えて見える。東隣の「鶏冠山」は木立の陰。ムスビとドックフードを食べながら景色を楽しむ。

848分、往路で下山開始。途中、女性3人のパーティと中年夫婦と交差。

935分、待機している車に近づいたあたりでフト気が付くと「蝉の声」の中にいた。マロンは疲れた様子も無く、蝶々に飛びついていた。

940分、車に戻る。

1230分、無事帰宅。

帰宅後、インターネットで「笠取林道」を調べたら、「斉木林道」が近頃(?)改名されとの記事があった。登山地図によれば三窪高原には観察路が多くあり、今日のミスは「←展望台」標識に従ったのが敗因。
「笠取林道」標識に従い、直進すれば、霧の中に電波塔が立っていて、そこの分岐点には板橋峠(斉木林道の終点?)に行く道があったものと思われる。