高気圧が日本を覆い、全国的に晴天が続くとの天気予報。

季節が良いので少し遠出したい気分だが、マロンの体調を考えて少し易しい山をと、おかーさんは昭文社の登山地図「大菩薩嶺」から甲州高尾山を選ぶ。

「大滝不動尊」奥宮から高尾山への往復では余りに短距離なので、尾根伝いにある「棚横手山」も訪ねる事にした。

 

所要時間: 4時間38
難度(犬として): 易++▼++難
マロンの日記: 優しいルートを選んだと聞かされて出発しましたが、ルートミスしたとかで、藪だらけの道をタップリ歩くことになりました。

 

 

412分、家を出る。国道20号の新笹子トンネルを抜け、5kmほど先の柏尾交差点を右折。県道38号線を使い道脇の「大滝不動尊・奥の院」標識に従い、菱山深沢林道を上る。

大滝不動尊の山門前広場には車が一台止まっていて、同年輩の夫婦連れが出発準備をしていた。

653分、手早く身支度を整えて先ずは展望台を目指す。山門を潜るといきなり急な石階段が現われ、右脇を豊富な水量の滝が流れ落ちている。

 

200段ほど上がると正面に朱色の本堂。本堂裏手でも急峻に立ち上がった岸壁の遥か上から何段もの滝が流れ落ちている。

72分、大滝不動尊に安全登山を祈願し、本堂の右脇の赤い橋を渡り山道に進む。山腹を巻いて上ると天狗の社前を通過。二度目の安全登山をお願いする。

77分、杉林の中に社。ここにも安全祈願して通過。

715分、四差路に出る。道標に従い、先ずは右手の展望台に進む。展望台からは眼前に甲府盆地、その先に南アルプスの山々。傍らの「甲斐御嶽大神」鳥居横の解説板には

大滝不動尊と滝
元慶四年(880)金界坊が三光寺南堂の不動明王を移し草創したと伝えられる大滝不動尊は男滝をはじめとして女滝、神洗滝、前滝、後滝などの大小の滝があり、さらに山内には本堂、文殊堂、籠り堂、山門、金界坊堂、八郎坊堂、の諸堂や雨乞い場が配され、修験霊場としての歴史的景観がよく残されている。また一帯はモミ、ツガの自然林が見られ、その下にはミツバツツジ、コアジサイなどの植物が群生し自然環境もよく保存され、山梨県指定自然環境保全地区となっている。     
と書かれていた。

725分、四差路に戻ると先ほどの夫婦連れが登って来た。挨拶すると私たちと同じく、四差路→展望台→富士見台→棚横手山→甲州高尾山→大滝不動の コースを歩く予定とのこと。私達は先行して東に向かう「富士見台」への砂利林道に進む。

10分ほど先で林道右脇の叢に立つ「富士見台 甲州高尾山」の標識を見て、この方向を示す標識に高尾山の名前があるのは変だと話しつつも、標識の指示通り林道を先に進む。(・・・×だったらしい。)

砂利林道にはススキ、山アザミ、セキヤノアキチョウジ(?)等が覆い被さってきて歩きづらくなる。

740分、杉林に入ると、右の森から下る枯れ沢に「雌滝の沢」の看板、その先では「大窪の沢」の看板を見ながら沢を横切って進む。

750分、流水のある沢を渡る。山道に覆い被さる草が更に増える。進路が右に曲がり始めると杉、桧林に朝日が差込んで光芒が現われる。山道に砕石が多くなる。

 

8時、沢を渡る。道が草に隠れ、獣道状態になり、所々に付けられた赤テープを頼りに進む。
進路が不明になり、手分けして赤テープを探していたら朝に出会った夫婦登山者が追いついてきた。踏み跡らしい道を見つけて「お先にドウゾ」と先行を勧めたが丁重に辞退され我がパーティは幽かな踏み跡を強引に上に向って進む。

(最初の指導標から先では分岐山道は一つも無く、地図や磁石を見ずに草を掻き分けて、遮二無二前進してきたが、感覚的には既に「棚横手山」あたりまで進んだように感じていた)

 

830分、尾根に登りつく。兎も角、山頂に出ようと高みの右に進む。あまり踏まれていない尾根道には多種のキノコが沢山見られた。

845分、木立の中の山頂に「宮宕山1368m」の標識が立っていて大いに驚く。何時の間にか「棚横手山」も西側を巻いて通過してしまったらしい。山頂で記念写真を撮って、尾根道を南に進み「棚横手山」に向かう。

 

9時、森を抜け出ると、正面に大きな富士山。

山頂あたりが薄雪で彩られ、美しい姿を見せてくれた。

山道は地図表示とは異なり、斜面南側に付けられていて、連嶺の後ろに聳える美しい富士山を見放題で進む。

日を浴びた山道にはリンドウ、リュウノウギク、コウヤボウキが花を咲かせていた。

 

915分、「棚横手山」山頂で「山梨百名山」標識に迎えられる。三ッ峠山の山頂アンテナまで良く見えるが、ここからの富士山は右稜線が少し崩れて見えた。小休止して次の甲州高尾山へ向かう。

938分、当初予定ではここから登って来た筈の「大滝不動尊」からの道が右下から合流。ここから少しの間、上り。リュウノウ菊やヤクシソウ、千振(?)の花が見られた。

 

943分、「富士見台」通過。

950分、一段高いピークに登り、おニギリを食べながら一休み。南斜面は桧苗の植林帯だが展望は大きく取れる。所々のナナカマドの紅葉が青空に映える。

1010分、アップダウンを繰り返しながら「大滝不動尊」への分岐を通過。

1033分、今日、通過した山の中では一番低い山「甲州高尾山」山頂に到着。ミスコースで想定外の山歩きになってしまい、マロンが疲れた様子なのでパンを与えて休む。

1047分、下山開始。マロンは体温が上がり、草臥れた様子で木の陰があると立ち止まる。

1115分、「大滝不動尊」への分岐地点に戻ると、朝の夫婦連れが富士見台の方から下ってきて、私たちを見つけて、「宮宕山に誘い込まれてしまいましたと」話し掛けてきた。互いに自分達の判断と結果を話し合ったが、ミスコースの原因は納得出来ないまま別れた。

 

不動尊へ戻る森の下山路では山栗のイガが多数散乱していたのでマロンは抱いて通過。

1145分、車に戻る。車は2台のみ。今日出会った登山者は4名のみ。

230分、無事帰宅。

マロンに優しい登山をと考えて「甲州高尾山」を選んだが、道に迷って「宮宕山」まで登ってしまい、マロンにはお疲れコースだった。帰宅後、コースミス原因をHPや地図資料等で調べて下記が原因と推測。

・・・最初に見た「富士見台 甲州高尾山」道標は林道右側に林道に平行に設置されていて、私達2パーティは「目的地は更に林道の先」と判断したが、道標設置者は「富士見台」へはこの地点で「右の山道に分岐して進め」と云いたかったのでは・・・。(その分岐山道が草に覆われて見えない状況だった・・?)
なお、この地点通過後、赤テープで前進し、登りついた尾根の山道は1/25000地図に記されている勝沼ゴルフコースと宮宕山を結ぶ点線の山道だったらしい。