土・日・祭日を避けての晴天予報を待っていたが、天候不順が続いていつの間にか9月が終わる。台風21号が本土縦断の翌日、久しぶりに全国的に秋晴れの予報。この期を逃してはとの思いで、手持ち候補の山を種々検討。

今秋はマロン連れでのテント泊山行も計画しているので、今回は私たちの体力と宿泊道具のチェックも兼ねることにしてキャンプ用品もザックに詰めこみ、より負荷を掛けた状態で前回の「御座山」で北隣に見えた「茂来山」へ登ることにした。

所要時間: 3時間57
難度(犬として): 易++▼++難
マロンの日記: 痛かった!!痛かった!!!!。眼から火が出たかと思いました。蜂に刺されたのだとおとーさんが云い、針を抜いて毒を吸い出してくれました。

 

3時、家を出る。夜空に星と月が輝き、天候は申し分無い。中央高速を須玉ICで下り、国道141号線を北上。信号の少ない街道を快調に走って長野県に入り、「千曲病院入口」交差点を右折、十石峠方面に東進。途中の道路脇のデジタル気温標示計は3℃を表示しており、あまりに低温なのでビックリ。

国道299号線を6kmほど走ったあたりで道路脇に「平川原」標識を見つけ、少し先の滝平橋手前の小道に右折。すぐに霧久保沢を渡って車線幅の細舗装路に適宜現れる「茂来山→」標識に従って前進。舗装路が広がり、右に急カーブする地点手前の「茂来山→」標識で砂利林道に進み、その先のゲート横の空き地(20台程度は駐車可)に駐車。

このスペースは佐久町が登山者用に設置してくれた駐車場らしく、登山案内板横の小ボックスには「茂来山登山ガイド」パンフレットが用意されていた。

車からマロンを無人の広場に開放すると、待ってましたとばかり広場を走り回って臭いを嗅ぎ回る。山に来ると猟犬の血が騒ぐようになったのかも。戻ってきたマロンの体は草の種まみれ。広場にはクマ生息の看板もあり、マロンに鈴を付けフリーにしてスタート。

 

653分、「四方原(茂来山)林道」標識に従い、ゲートをすり抜けて砂利林道を進む。5分ほど先の路肩に「登山道まで500m」の標識。

予想外に涼しく、いつもより重いザックを担ぎポケットに手を入れ肩をすくめて歩く。

710分、少し開けた地点で「四方原山林道」は行き止まり。この地点に「茂来山登山道 頂上まで2.0km」標識が立っていた。

檜林を少し進み、飛び石で小沢を渡る箇所ではマロンが躊躇。普段は矢鱈と無鉄砲マロンなのだが、何故か流水が怖いらしい。変な癖をつけてしまったようだ。

 

森の中に続く進路は窪地地形に付けられているので道脇にキノコ、シダ、コケが目に付く。山栗や胡桃のからも落ちていた。カラマツ林を通過。

730分、自然林の中の小沢を通過。

 

743分、木立の先に大木が見えてきて、道脇に「森の巨人たち100選 No.49 茂来山トチノ木」の看板。観察台まで設置され、「コブ太郎」と名付けられた 推定樹齢250年 樹高22m 幹周り5.31mのトチの大木が見られた。

8時、先ほどの「コブ太郎」より更に大きそうなトチの大木横を通過。やがて砕石ゴロゴロの急な上りをクネクネと上る。

周りの樹木は白い幹の木が多くなった。

 

815分、ルートを外して斜面の大木のウロに顔を突っ込んだマロンが突然悲鳴を上げて斜面を3mほど転がり落ち、前足で顔を掻き毟っている。ブーンと羽音も聞こえたので瞬間的に「マロンが蜂に刺された」と気づく。

急ぎ、その場を通過させ、刺された箇所を探したが分からず、先に進む。相変わらず山道は見晴らしの無い窪地地形を上っていく。そのうち、元気印マロンがだんだんおとなしくなってきたが足場が悪いので更に上に登る。

835分、やっと尾根に上り付く。マロンを見ると左眼の上が腫れ上がっている。腫れの中央部に蜂の毒針を見つけた。毒針を抜き「緊急用品」のケースからインセクト・ポイズン・リムーバー(蜂・蚊・毒虫に刺されたとき、毒を吸い取る器具)と虫刺され軟膏を取り出し痛がるマロンを二人掛かりで押さえつけ治療。

 

治療を終えたマロンはおかーさんから「マロン・もらい山で蜂の一刺しをもらう」とからかわれた。

治療後、尾根の標識を確認すると「槙沢 館旭→」と書かれている。いつの間にか山頂への分岐近くまで上り詰めていた。

850分、最後の上りにスタート。

 

 

9時、快晴の山頂に到着。

さほど広くない山頂には「茂来山1718m」標識と石の祠、「浩宮様 茂来山登山記念」の碑と三角点が朝の陽を浴びていた。マツムシ草とリュウノウ菊も僅かな風にそよいでいる。

今日のルートは殆どが森の中だったので山上に上りついた途端、展望が一気に広がり感激。「八ヶ岳」「浅間山」はかなり近くに見え、北アルプスは遠方ながら「穂高・槍ヶ岳」まで同定出来た。

923分、往路で下山開始。

前日までの雨のせいか、広葉樹の葉色は鮮やかで新緑の様な雰囲気の森を下る。沢で一休み。マロンを水に誘ったが頑として拒否。以前、丹沢で強引に引っ張って沢を渡らせたのが拙かったのかも。

1050分、登山者には一人も出会わず車に戻る。

 

駐車場で入手の「登山ガイド」を参考に、駐車場から舗装路まで戻ったところで左折し、道なりで進んでみたらかなり素直に299号線に出られた。(車で駐車場まで入るつもりの方には、このルートの逆行がお勧め。入口目印は「平川原」の標識看板。但し、こちらには「茂来山→」標識は殆ど無かったようなので霧久保沢を渡ってすぐの右折砂利道に立つ(「茂来山→」標識を見落とさないのが肝心。)

250分、無事帰宅。心配したマロンの眼上の腫れがひいていたので一安心。