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私達の影響なのか郷里の弟も夫婦で山歩きを始め、そのうち、愛知県の「明神山」の魅力に執りつかれたらしくこの山に山行を重ね、石楠花も見られるので一度、遠征してはとの誘い。 ネットのHPでこの山の様子を調べると、地形が複雑で野草の多い面白そうな山ということが判り、提案に乗ると返事をした上で、コースの鎖場や鉄ハシゴ通過のためのマロン背負子の具合も再確認する。 ◇所要時間: 5時間34分 ◇難度(マロンとして): 易++++▼難 ◇マロンの日記: おとーさんは変化があって面白い山だと言っていましたが、2ヶ所の鉄ハシゴ通過はマロンにはどうすることも出来ず、惨めな姿を晒して残念でした。 |
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2時55分、出発。町田ICから東名高速に入り、磐田ICを下りて弟宅に寄り、車2台で天竜川沿いに北上。 東海自然歩道の通過する「熊(くんま)道の駅」経由で国道151号線に抜け、東栄町手前の新本郷トンネル手前で「←明神山・登山口」標識に従い左折し林道に進む。 天気の回復が遅れたらしく路面が湿っていた。檜林を通過し橋先の小空き地に駐車し、出発準備。 8時4分、曇り空の下、杉の森に舗装林道でスタート。 |
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8時11分、路肩の「三ッ瀬・登山口」看板地点から左の沢を渡り杉林に進む。 湿った杉林を緩く上っていくと「銀明水」標識と「濫觴の水」看板の立つ「一合目」の水場に着いた。 水場の僅かな流水にマロンが腹ばって体温を冷やす。 |
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(・・帰宅後、「濫觴(らんしょう)」の意味を調べたら 「濫」は「溢れる」(河川の氾濫等)の意、 「觴」は「盃」の意で、水源のこと。転じてものごとのはじまりを言う。と知った)) |
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この山の茶褐色の破砕石は関東地方の山では余り見ない岩だ。草木の繁殖に適しているらしく林床植物の種類も多い。弟が雨の後でも沢水は濁らないと言っていた。 緩い上りの道脇には小さな蕾を付けた山アジサイが群生。常に湿気の多い山らしく、岩や樹の根元にコケが付いていた。 相変わらずの元気印マロンに引かれ、私とマロンが先行して私の息が上がったところで3人を待つというサイクルで上る。 |
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8時42分、山腹から尾根に登ると「2合目」標識。ここで方向を西に代えて尾根筋を辿る。 8時50分、細尾根の先端に近づくと左に屹立した岩壁が見え、目を凝らすとその岩壁に白い花。 「セッコク」とのこと。細尾根の露岩帯を登る。 |
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崖から張り出して薄ピンクの「ホソバシャクナゲ」が咲いていた。写真に収めたが盛期を過ぎた残り花らしい。 乗り越す岩塊が大きくなり、岩や木の根を掴んで上る。マロンが自力で上りきれない段差はジャンプに合わせて上に投げ上げてやる。 |
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2mほどの段差箇所では、弟は山の師匠が登山者のために取り付けてくれたザイルが持ち去られてしまったと怒っていた。 9時13分、3mほどの崖に10段ほどの鉄ハシゴ。巻き道が無いのでマロンを背負子に入れ、背負って通過。 5分ほど先の森の中で水飲み休憩。樹間越しに見える空が少し明るくなった。山道に山椿の花が落ちていた。小さくアップダウンしながら新緑の痩せ尾根を登っていく。 |
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9時30分、「シャクナゲ群生地」看板が立っていたが、この高さでは既に花は見られない。道脇の草の幼株は「エンシュウハグマ」とのことでこの地方限定植物らしい。 9時43分、小さなピークに「6合目」標識。南に乳岩コースが下っていた。 |
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森の中、気持ちよく尾根筋を登っていくと弟の携帯が鳴り、師匠から「XXにギンランが咲いた。」とのメール入手と言う。 明神山に魅せられ、定年後は年に150日ほどもこの山に入り、標識や補助具メンテなどしてコース維持してくれる人を中心にして明神山愛好者連が自然形成され、花情報、コース情報、近況などを交換し合っているとのこと。 9時55分、4mほどの鎖場。岩裏に巻き道があるというのでマロンは裏から登る。僅かに「シロヤシオ」が咲いていた。その先の山道に三つ葉ツツジらしい花が散乱していたが頭上には見当たらない。数日前で花季が終わったらしい。 |
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10時6分、森の中の大きな岩盤の尾根に鎖が2段になって下がっていた。 弟夫婦に先行してもらい、紐付きマロンに「GO!!」と言うと、後を追って自力で上りきる。 ホソバシャクナゲの花が咲いていたが終末状態。鎖付きの岩塊の間もマロンは自力で跳ね登って通過。 |
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10時20分、3mほどの高さの岩壁が前方に延び、これに上るための鉄ハシゴ横に「馬の背岩」の看板。 紐付き先行マロンが自力では歯が立たないと戻ってきた。10段ほどのハシゴの上下の足場がしっかりしているのを確認し、マロンを右腕に抱きかかえて上る。19kgのマロンを抱えて上るのはこの段数が限度。 |
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「馬の背岩」に上ると、岩上は巾1.5m、長さ10mほどの岩稜で展望が利く。 南西に宇連山と鳳来湖が、北東方向の雲間に南アルプスの連山が覗いて見えた。 眼下に広がる新緑の多彩なこと!!。 |
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崖から張り出して咲いている白い房状の花は「ザイフリボク」と教わる。 進路前方に「明神山」山頂が近い。 10分ほど展望を楽しみ、「山頂 あと150m」標識を通過し、岩と木の根を踏みしめて最後の斜面を登る。 |
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10時37分、「明神山1016m」標識と明神の石祠、鉄製見晴台のある山頂に到着。 マロンを鉄柱に繋いで皆で見晴台に登る。雲が動いて周りの山の稜線が見え始めた。見晴台の手すりの「山名表示図」板は弟の手造りとのこと。 見ている間に北方はガスに包まれ始めた。 |
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弟が師匠と呼ぶ方が山頂に上ってきて弟と山情報を交換しているうち、一人、また二人と山仲間が上ってきて話が弾み始めた。 皆の話を聞いていて、上りで見た白い花は「梅花ウツギ」と知る。 師匠にシロヤシオの咲いている山頂先の場所を教えてもらって写真に収める。綺麗な花と五葉の若葉が見られた。 |
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11時29分、ムスビを食べて往路で下山開始。「馬の背岩」のハシゴはマロンを抱いて通過。 11時57分、6合目の「乳岩分岐」通過。最初の鉄ハシゴもマロンを抱え下りる。 下山途中で「山ウツボ」を撮ろうとして、マロンが足先を舐めているのに気づき見ると親指付け根から出血。切り傷軟膏をつけ、下山継続。 |
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