<コースと標準時間>**道路閉鎖部分の迂回路は約1.5 kmプラスの要。
西藤原駅(3.5km 0:45)→東藤原(4.1km 1:00)→青山渓入口(1.8km 0:38)→石榑北(2.2km 0:28)→養魚場前(3.4km 1:29)→八風牧場(3.3km 1:05)→切畑(3.8km 1:05)→尾高観音(2.5km 0:40)→朝明日バス停(2.3km 1:05)→風越峠(1.9km 0:40)→希望荘(3.8km 1:10)→湯の山温泉バス停(1.5km 0:45)→林道終点(2.7km 0:35)→雲母休憩所(2.1km 0:30)→湯森林道始点(3.4km** 1:00)→宮妻 (3.2km 1:00)→椿大社(1.5km 0:25)→桃林寺(5.5km 1:40)→峰ヶ城メモリアルパーク(2.5km 0:45)→坂本(1.6km 0:30)→石水渓バス停分岐総距離=56.6km

 

テレビ画面を彩る各地の紅葉のニュースがおしどり夫婦を「自然歩道歩き」に誘う。三重県ルートに関わるバスと電車時刻を電話で収集・検討の結果、今回は日毎に前進した後、現地交通機関で出発地点の自車に戻り、折り返しで車を最前地に移動し車泊で旅を続けることにする。旅程が遠方になるに従い旅程計画作りは難しくなるが、雌おしどりは結構それを楽しんでいる様子。

11月9日(火)

4時、犬を散歩に連れ出す。星空での散歩に犬が不審顔。朝餌を与え後事を息子夫婦に託し、4時半に家を出発。

「町田IC」より東名に入り、ノンストップで名神「関ヶ原IC」まで走る。国道365号線のコンビニで弁当を調達し945分、前回の離脱ポイント三重県三岐鉄道終着駅の「西藤原駅」に到着。駅横駐車場は土日祝日のみ有料(500)との看板。到着の電車からは登山姿の一団が下車。話声から藤原岳登山らしい。

10時、駅前の自然歩道指導標「聖宝寺1.4km 前川橋5.4km」に従いスタート、舗装農道でまずは西野尻に向かう。

1023分、西野尻集落はずれで兵士の石像のある4辻を通過。背後には藤原岳が快晴の青空に大きく聳える。

1041分、「青山峡5.3 km 宇賀渓12 km」指導標を通過したあたりで、3個所ほど道路閉鎖での下水工事現場に遭遇。いずれも断って通過させてもらったが途中で指導標を見落としたのか一時、進路を見失う。石神社の石碑を見付けて自然歩道に復帰。

 

1053分、員弁川を「前川橋」で渡り右折。川向こうの秩父小野田セメント工場の後ろに、前面が殆ど切り取られた藤原岳が聳えている。

10分ほどで歩行者専用の千歳橋に至り、員弁川を渡り返し急坂の林に入る。林を出ると緑・白の自然歩道標識がクネクネ道を細かくガイドしてくれる。

1130分、日蔭を見付け藤原岳を眺めながら、田圃脇で昼食。

1148分、「西藤原5.4 km 青山渓登山口2.6 km」指導標あたりで自然歩道はループして三岐鉄道を潜り、太い舗装路を左折しゆるい坂を登る。林の中の舗装路は通行車両が無く、道の真ん中をのんびり歩ける。

 

1228分、青川を「黄金橋」で渡り8分ほど田圃脇の舗装路を歩いた後、急角度に脇道に入る。ここからの道は森に続き自然歩道らしい草道は足に優しい。

13分、森を抜け出ると本日の離脱ポイント予定地「石榑(いしぐれ)北」バス停への分岐点に到着。道脇の指導標は「宇賀渓3.3 km 福王山8.4km 三岐治田駅5.8km」。

 

離脱地点近くに駐車可能場所を見付け「石榑北」バス停に向かう。

バス時間には40分も間があり、三岐鉄道「丹生川駅」まで歩くことにする。155分、駅に到着。48分待ちで電車に乗り、315分「西藤原駅」に到着。直ちに車を「石榑北」離脱ポイントに移動。林中の駐車予定地点では「雄きじ」が餌を探していて、車を乗り入れると仕方が無いという風情で場所を明け渡してくれた。

明日の駐車場所は確認出来たので、夕食と今夜のキャンプ地を見付ける為、地図にコンビニ印のある国道306号線に車を出す。石榑東のコンビニ近くに「両ヶ池」公園を見つけ、ヨット艇庫のある池畔をキャンプ地に即決。コンビニ弁当の夕食を済ませて、相撲放送を聞きながら寝袋に入る。

本日の総距離=9.4km 本日の歩行時間=3時間3

11月10日(水)

 415分、野営地の湖畔を後にする。コンビニに寄り朝食のムスビと昼食の弁当を調達し「石榑北」離脱ポイントに車を回す。

54分、車のダッシュボードに「自然歩道遊歩中」のメモを残し、二日目の行程に出発。月は無く星が素晴らしく輝く中、ヘッドランプで自然歩道の標識を探しながら西に向かう。直に国道421に合流。前方からの風が冷たく、コートを車に残してきたのが悔やまれる。

520分、旧道らしい側道に入るが3分ほどの「落合橋」袂で新道に復帰。同時に左の山道にガイドされる。20分ほど登ると国民宿舎「登竜荘」横で国道に出る。暗く人気の無い舗装路を更に登り20分ほどで「キャンプ場200m」の標識に従い左折。

 

555分、「八風牧場を経て福王神社3.6km 尾高高原9.1km」指導標地点の清潔なトイレのある休憩所でヘッドランプをしまいながら一休み。

65分、吊り橋を渡る。眼下の渓谷では広葉樹が色づき始めていた。上り下りを続けるうち気持ちの良い自然林の山道に入る。

645分、「福王神社2.3 km 尾高高原6.9 km」指導標。道の両側に石を並べた参道風の草道はやがて森に続く。

7時、福王山中腹を西から南に回り込むと朝の太陽に対面。12分ほどで福王神社への分岐に到着しルートを外して、福王神社参道に回る。235段の石段登りは省略し鳥居の所から神社の毘沙門天に旅の安全を祈願。朝日を浴びながら階段に座り朝食を摂る。

724分、分岐に戻り坂道を下る。見晴らしがよく、遥かかなたに海が光る。山道はやがて林道に出てゴツゴツした石道を下る。川を渡り林を抜けて、段々田の間をウネウネと集落に下る。

751分、切畑集落を通過。砂利道を進むと道脇に小さな祠を載せた大石があった。ガイド書による八風大石か?。左折して森に入る。

 

820分、大きな車道に出る。「尾高観音1.8 km」の指導標にガイドされ、尾高山を前方に見ながら歩く。右手に平行して太い幹線道路が造成中。

838分、尾高口バス停への分岐点から先は中央分離帯に桜並木の歩道が作られたカラフルな道を歩く。

843分、聖徳太子作という尾高山11面千手観世音菩薩を祭る六角堂で小休止の後、指導標に従い三重県民の森に向かう。小さな尾根を越えて太い舗装路を東へ下るとやがて展望台広場に出る。東方が大きく開けて遥かに伊勢湾が光る。進路は県民の森の尾根を回り込み西方へ向きを変えて緩い登りに続く。

940分、朝明日バス停の自販機でお茶を補給し一休みしていると犬が近寄ってきた。首輪をしているが飼い主が近くにいる様子はない。ちょっと話し掛けて朝明日川沿いの太い上りの舗装路を歩きはじめる。と、この犬が先導しはじめた。去年、愛知県の千鳥寺でも犬が先導してくれたことなどを話題にしながら歩く。1.2キロ先の水無口バス停あたりで犬の姿が見えなくなる。

我々は舗装路を外れ、朝明日川を飛び石で渡る。増水時は徒渉不可の看板あり。天気も景色もよいので、この河原で早い昼食を摂ろうと弁当を開いたところへ彼の犬が飛び石を渡って来た。ここまでの同伴、ご苦労さんの気持ちでソーセージ等を与える。

1027分、出発。沢沿いの登り。この沢底は人工の割石が全面にはめ込まれており見慣れない構造に驚く。ガイドマップによると明治20年以降に開始された砂防工法で「なわだるみ堰堤」と呼ばれるとのこと。1キロ近くこれが続くが目立った損傷個所は見えなかった。

河原で別れると思った彼の犬はこの急坂の登りにも先行して姿を隠したり、突然後ろの薮から飛び出して我々の横を走り抜けたりしながら我々に付き従ってくる。

1054分、「希望荘1.9 km 湯の山温泉4.9 km」指導標のある「風越峠」に登り切る。一息入れて沢沿いの下りに入るが相変わらず犬が同伴。先行した犬が沢の入り組んだ地形の山陰に隠れたのを見定めて、我々は山斜面に登り隠れて口笛で犬を呼び返す。と、前回同様に息せき切って戻ってきた犬は「風越峠」の方にすっ飛んで行った。

1132分、坂を下りきると三重県勤労者福祉センター「希望荘」が舗装路脇にあった。自然歩道はトンネルで鈴鹿スカイラインを潜り「湯の山温泉」への山道の登りが始まる。

 

122分、休憩テーブルで一息入れ、更にスカイライン沿いの山道を登る。突然、頭上で木の枝が跳ねる。見上げると猿が二匹、アケビの実を採っていた。

1216分、湯の山温泉地区に到着。

自然歩道は温泉地区の外郭を巡っている。指導標の指示ルートに従うと「蒼滝橋」「あかねばし」「るりばし」と凝った形の橋が続く。

 

1226分、「蒼滝」に対面。高さ50 m、幅10 mで結構大きい。

1249分、「大石公園」を通過し、温泉宿の立ち並ぶ町の中心へ向かう階段を下る。

1時、「湯の山温泉」のバス停に到着。

結構、賑わいのある町並み。当初計画ではこの地点を本日の離脱ポイントに予定していたが、予定より早く到着の為、少し足を伸ばして6.3 km先の「湯の森林道始点」を離脱ポイントにしてはと、雌おしどりが言い出した。

この場合、戻りの交通機関のある地点は「近鉄・湯の山温泉」となり、更に2.9 kmの歩きを要する。が、雌おしどりも十分やる気になっているので、直ちに「湯の森林道終点」の山頂に向かって登りを開始。

堰堤を越し「潜戸の滝」を通過し更に大きな堰堤を通過。じきに最高地点に登りつくとの予想は外れて上り下りの地形が続く。

145分、白いザレの林道を上り詰めると右下に大きな堰堤が姿を現す。やっと最高点の「湯の森林道終点」に到着。眼前に御在所岳。山頂へのロープウェイが行き交って見える。蜜柑とバナナで元気を付けて山道を下り始める。

227分、「雲母(きらら)休憩所」で一息。下りはじめると突然、猿が10匹ほど林道に飛び出して来てギャーギャー騒ぐ。驚いて杖で身構えるうちに猿達は姿を隠したが、後になってカメラを出さなかったことを悔やむ。

しばらく下山を続けるうち、雌おしどりの「昨日は雉、今日は犬と猿。まるで桃太郎だね」の言葉に笑う。

乗馬姿の騎手を背に二頭の馬が登ってくる。これを見送り下山を続けると道路に馬糞の山。乗馬姿は凛々しいがこれは頂けない。

 

254分、「湯の山駅1.8km 25分 宮妻3.6km 1時間 椿大社7km 2時間」標識地点が「近鉄・湯の山駅」への分岐ポイントだった。

 ガイドマップに従い下山継続して330分に「近鉄・湯の山駅」に到着。駅近くに温泉入浴者用の大きな駐車場を見付けた上で、駅前タクシーを使い「石榑北」の自車に戻る。直ちに車を「近鉄・湯の山温泉」に回し、明日の駐車場所を確認の上、途中見付けたコンビニで夕食を調達。

この近くに「道の駅・菰野」を見付けて今夜の車泊場所とする。道の駅は5時には閉店となり、6時頃には駐車場も静かになる。今日は結構疲れたので、6時には寝袋に入る。

本日の総距離=29.5+2.9km 本日の歩行時間=10時間26

 

11月11日()

 

330分、「道の駅」を出発。夜空は雲に被われている様子。コンビニに寄り朝と昼の食料を調達し、車を片岡温泉の駐車場に置き身支度を整えて4時に歩きはじめる。

426分、昨日の離脱ポイントに復帰してヘッドランプで標識を確認の上、山沿いの道を南に進みはじめる。

 

453分、道路閉鎖の柵の横に「この先の自然歩道は先の台風の被害にて通行不可。指示迂回路に回れ」の看板。指示迂回路には5個所ほど分かれ道が記入されていた。これを常に山側に道を取ればよいと読み取り()迂回路に進む。

55分、「中島橋」横に最初の分岐があり、雄おしどりは躊躇せず山側の道に入りかけると心配性の雌おしどりが疑問の声を上げる。

 

持参資料の数種の地図をライトの光で確認。三重県より入手のガイドマップの丸山林道と書かれた道が迂回路らしいと判断。とすると、迂回路指示の現地地図には幾つかの道が省記されている可能性がありこの地点で山側へは入るのは×で舗装路を進むべきと推測。注意して歩くうちに県道752が迂回路に指定されているらしいと感じる。

518分、三叉路に自然歩道標識を発見し、青少年野外活動センターに向かう。道路右脇に自然歩道迂回路看板を見付けて沢沿いの遊歩道を登る。

532分、青少年屋外活動センターの展望台に到着。暗い夜空の下に名古屋、四日市の町の明かり。一息入れながらムスビでの朝食後、更に山道を進む。

554分、「雲母橋」に到着し自然歩道標識を確認し一安心。これより舗装路はほぼ等高線沿いに茶畑斜面を左に見て南へ進む。

 

66分、宮妻荘を通過するあたりで自然歩道は舗装路から外れて左斜面に下る。谷状の地形をうまく生かして休憩所が作られている。もみじの名所との解説板があったが、盛期にはまだ間がありそう。この先は自然歩道沿いに清流が走っており気持ちの良い道。

624分、鋭角に右折指示の指示板。危うく見落とすところ。道は広い河原に続く。水の無い「内部川」を横断。橋は無く増水時は横断不可とある。ススキとセイダカアワダチソウの茂った河原の中道を上流に向かう。背後の雲間から僅かに朝日が覗く。

 

指導標に従い左折すると道は椎茸栽培の林を通過し茶畑に続く。道の先に小動物の姿。穏やかな顔をした狸。こちらに気づき草陰に消えた。

79分、杉林を抜け出て舗装路に出ると「椿大神社」。伊勢一の宮で猿田彦大神の総社らしく品格ある神社。神主らしい人以外に78人の白装束の外人が神社や朝の太陽を参拝していた。外人の宗教ツアーか?

自然路は水の無い鍋川を飛び石で渡り再び林に入る。木立越しに海が見える。やがて急な階段の登り下り。

735分、桃林寺前を通過。禅寺らしい雰囲気。「小岐須キャンプ場3.5km 石水渓10.5km」の指導標で、今日の行程は「石水渓バス停」まで延ばせられることを確信。

751分、遍照寺前に到着。知人がこの辺りに引っ越しする予定との事で、10分ほど町中を見て回った後、御幣川を渡る太い車道を進む。

824分、「新畑橋」通過。三重県のガイドマップではこの先が山側と町側の2ルートが書かれている。我々は現地標識に従い右折して山に入る。

標高差で100 mほど登ったあたりに細い清流が道を横切っており一息入れる。ここからの下り道はザレ石で歩きづらい。

847分、茶畑の中の三叉路を右折し舗装路に出て指導標に従い緩い坂を登る。

99分、峰ヶ城メモリアルパーク通過。太い舗装路は西に向かって延々と続く。通行車両はゼロ。

「野登寺入り口」「雨量観測所」などの看板で現在地を確認しつつ、単調な歩道を進む。宮川を渡るとやっと坂本集落に入る。

953分、坂本集落の外れに「バス停分岐1.7 km」の標識。右折しコンクリートの急坂を下る。矢原川を渡り舗装路を下りきるあたりに巨大な橋脚が建設中。第二名神高速道路工事の文字が見える。「石水渓口1.5 km」の標識を見つけ、ここを今回の旅の最終離脱ポイントにする。

太い舗装路を石水渓口に向かい歩く。が、30分歩いてもバス駅に出会わず???。やっと出会った人に聞くと、我々が歩いた道は新道で地図には未記入の上、バス駅は旧道に設置されていた為だった。1時間半の待ち合わせの後、やっと亀山行きバスに乗る。

1240分、バスが亀山駅に着くと同時に四日市への電車は発車してしまう。更に1時間の待って四日市駅→近鉄・四日市駅→湯の山駅と辿るのは気が重く、ここから自車の待つ「湯の山温泉」までタクシーを走らせることする。130分、湯の山温泉駅近くで待機のRVRに戻り、「東名阪・四日市IC」より高速道路に入り「東名・町田IC」を下り6時半頃、無事帰宅。

本日の総距離=17.77.9km 本日の歩行時間=6時間35

電車:丹生川駅→西藤原 220円*2
高速料金:町田IC→関ヶ原IC 7800円 四日市ICから町田ICまで8150
タクシー:湯の山温泉→石榑北 4470円 亀山→湯の山温泉 8390
バス:安楽→亀山 500円*2