<コースと標準タイム>
西丹沢自然教室→(1.6km 0:30)箒沢→(1.0km 0:15)大滝橋→(2.5km 1:40)一軒屋避難小屋→(1.6km 0:45)大滝峠上→(1.5km 1:10)畦ヶ丸→(0.6km 0:25)モロクボ沢の頭→(2.0km 1:05)城ヶ尾峠→(3.8km 2:00)菰釣山→(7.4km 3:05)高指山→(2.9km 0:55)平野 ・・・・・・・総距離24.9km

雌おしどりが一部未踏破区間を残していた「西丹沢自然教室と平野」間も二人で歩き、ケジメを付けようと出発準備を整える度に「明日の杉花粉は非常に多い」とテレビが予報。花粉症の雌おしどりの顔は中止希望がアリアリでこの山旅は2度ほど延期。

桜の便りに急かされて箕面への旅を先に済ませた4月下旬、まだ花粉予報は続いているが二日連続の好天予報に思い切って「西丹沢自然教室と平野」コースに月曜日の出発を決定。
今回、自車は使わずバス・電車利用で、山での泊りは県営の避難小屋を使わせてもらう予定。

4月24日(月)

65分のバスで小田急線鶴川駅へ出て720分に新松田駅下車。50分ほど時間待ちしてバスで西丹沢自然教室へ向かう。

925分、西丹沢自然教室を後にして緩やかな舗装路を南に下り始める。途中、名木100選に選ばれているという見事な「箒杉」下を通過。

10時、大滝隧道を抜け、橋を渡り右の林道に入る。今回ルートの舗装路はここまで。砂利道の緩やかな林道を大滝沢沿いに「大滝峠上」へ向かって登る。

1035分、左に大滝を見る。水量は結構多い。やがて大滝沢を丸太橋で渡る。10分程でマスキ嵐沢合流点を通過。早くもマムシ草が姿を見せた。

1050分、尾根に登りついた所の休憩テーブルでコンビニ弁当を半食。若葉の緑をバックに三葉ツツジやミツマタの花が彩りを添える。小休止して尾根を辿る。

 

 

1127分、鬼石沢を渡ると直ぐ「一軒屋避難小屋」の前に出る。キレイに維持されている小屋前の沢水は豊富。

自然歩道はステタロー沢に沿って上る。猫の目草が群落をつくっていた。「大滝峠上 0.7km」の指導標を横目で見ながらステタロー沢沿いに更に登る。

流水は少なくなり、やがて涸れて尾根筋に登り着きこれを辿る。

1215分、大滝峠上に到着し小休止。休憩テーブル横のルート説明看板に「自然歩道は平成4年より「畦ヶ丸」経由に変更」と記載されていた。

 

 

 (私たちが旧ルートを逆行した当時の記録: (`94.5.21 )420分、家を出る。前回大界木山を訪ねた折、この山の下へ林道が伸びているのを見付けた為、道志道からこれへの車の乗りいれを図る。推測通り、奥まで林道が繋がっており大界木山近くまで入ることが出来、6時に大界木山を振り出しに山歩き開始。

 

新緑のブナの中を城ヶ尾峠、信玄平と進み地図に「経路荒廃」と書かれている旧東海自然歩道へ歩を進める。現地看板にも「大滝峠より信玄平間は沢多く登山経験者向きのルートです。通行注意。神奈川県」と書かれていた。

確かに道は崩れ倒木が道を塞ぎ、笹が手や首に擦れるが踏み跡は辿ることが出来る。途中、あみがさ茸を見付け採取。進路が塞がれれば戻る覚悟で「赤沢」、「戸沢」を横切り「水晶沢」標識を目にして、何とか大滝峠上へ抜けられる事を確信。

 

この道は廃道とされやがては自然に帰りそうだが、よい風景を見せてくれた。ついに通り抜けた先にも県の注意看板が立っており、その脇の草むらに倒れていた白地の看板を拾い上げて見ると赤文字で「熊に注意」と書かれていてビックリ。写真に収める。大滝峠上で半食し、モロクボ沢の頭で残りを食べ大界木山経由で車に戻った。)

 

 

いつも背荷物は極力軽減している雌おしどりも今回は寝袋持参の為、休み休みの歩き。「畦ヶ丸」に近づくに従い、すず竹が道に張り出し煩わしい。このあたりのブナはやっと芽が動き始めた所。

112分、「避難小屋200m」の標識あたりより新しい丸太階段を急登。10分程で「畦ヶ丸」避難小屋横に登りつく。小屋には毛布56枚、薪ストーブも設置されていた。登山者日誌を覗くと4月に入って12人の宿泊記録があった。畦ヶ丸山頂(1293m)は自然歩道から100m程離れているが、久しぶりなのでチョット訪問。

130分、小屋を後にしてモロクボ沢の頭に向かう。白砂のザレ道に5m程の鎖場あり。20分程でモロクボ沢の頭に到着。

 

246分、大界木山(1246m)通過。指導標には「城ヶ尾峠0.9km 高指山12.5km」。

この頃から右手前方が霞み始め、やがて北の空が暗くなってきた。昨夜のテレビ天気予報図では高空の寒気が南に張り出す図を映していたが、予想外に強い南下による天候急変と推測。
しかし、前方には太陽、海側には青空が見え、強い南風も吹き込んでいるので我々の所は安泰と話しながら歩いていたが・・・・・・黒雲はグングン南下。あたりが薄暗くなる。早めにレインコートとザックカバーを装着。

 

323分、城ヶ尾峠(1199m)着。雨が気になり休まず先を急ぐ。道脇にエンレイ草やトリカブト。登りでは暑くなりレインコートを脱ぐ。

355分、「中の丸」(1270m)通過。指導標には「菰吊山2.1km」。前方に御正体山が大きい。

 

雷鳴が始まり再び雨支度。雷光と共に雨粒。「避難小屋100m」看板あたりで本降り。上り坂を喘ぎながら急ぐ。

425分、「菰釣避難小屋」に飛び込む。

小屋の中は真っ暗。ローソクを灯す。暫くすると雨はミゾレに変わる。

ヘッドランプを点けて夕食の「おじや」を作っていると突然、小屋の西窓から夕日が差し込んだ。
天候は再度急変して木立の後ろに虹が立つ。

小屋に備え付けの日誌に「鼠出没」の記事が多いので、食料やゴミはビニール袋に3重にくるみ、針金で吊るす。

6時過ぎには寝袋に入る。気温が低下しているので、小屋の毛布を数枚借用。

10時頃、目覚める。寝入りばなに鼠の気配を感じたが、その後は気配なし。雄おしどりの連続いびきに鼠が恐れをなしているのではとの雌おしどりの考察。足が暖まらないのでホカロンを入れ更に毛布を掛ける

本日の総距離=13.9km 本日の歩行時間=7時間

 

4月25日(火)

 

315分、借用の毛布から杉花粉が舞い上がったのか、雌おしどりが息苦しくて寝てられないと起き出す。夜空には半月と星。長居は無用と出発を決め、小屋内を片づけ熱いコーヒーを飲みながら、小屋の日誌に宿泊記録を残す。

 

350分、避難小屋を後にして濡れた笹の葉を避けながら尾根道を登る。半月が道連れ。寒気は去ってしっとりした夜気が心地よい。

413分、菰釣(こもつるし)山頂(1379m)に到着。前方に白雪の富士山が月明かりに浮かぶ。富士山の手前の闇に御殿場の街の灯かり、更に左は小田原の街の灯かりか?

ヘッドランプで足元を確かめながら霜柱を踏み痩せ尾根を下る。30分程でランプをしまう。

448分、ブナノ丸山頂の三叉路を「高指山6.7km」標識に従い南西に向かう。後方の空は茜に色づき始めて前方に富士山、右手に重量感ある御正体山を見ながら進む。ブナや山桜、カラ松等何れも未だ芽吹きなし。

510分、油沢の頭(1310m)で日の出。「高指山5.8km 城ヶ尾峠5.4km 菰釣山1.6 km」標識を見ながら痩せ尾根を進む。

532分、大きな岩を回ると「樅の木沢の頭」。笹の痩せ尾根が続く。20分程で「西沢の頭」を通過。

625分、石保土山(西の丸)通過。トリカブトが多くなる。朽ちかけた丸太階段を下るあたりは北風が冷たく、霜柱が伸びていた。

650分、水の木分岐を通過。道は「大棚の頭」の南斜面に位置する為、あたりは春の雰囲気に変わる。

 

655分、「大棚の頭」下に到着。山伏峠への下山道を右に見送り「高指山」に向かう。短い鎖場を登り、高圧鉄塔横を通過。

「高指山1.4 km」標識あたりで姥百合の球根でも掘ったのか、一面に獣が黒土を掘り返した跡。高指山に近づくに従い自然林は潅木の林に変わる。

753分、高指山(1174m)に到着。カヤトの原を下った先に山中湖、その先に青空をバックに富士山が大きい。

15分程南へ下り自然歩道の大看板前で方向を変えて山中湖に向かう。別荘地帯を抜けて舗装路を直進。

845分、直進舗装路の途中で「(右折)大平山.石割山  (直進)平野バス停0.5 km」の自然歩道の指導標を見つけた。4年前の自然歩道歩きの初日には見つけられなかった指導標識だった。

これを確認して東海自然歩道は完全走破したと自分達で納得。帰路につく。

平野(タクシー)→旭日丘(富士急バス)→御殿場駅(10:54発特急あさぎり)→町田駅(小田急)→鶴川駅(バス)→自宅着(12:50)

<> バス:真光寺→鶴川駅 190*2 小田急:鶴川駅→新松田 520*2 バス:松田→西丹沢自然教室 1150*2
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> タクシー:平野→旭日丘 1370円 バス:旭日丘→御殿場駅 950*2 あさぎり:御殿場駅→町田 2300*2 小田急:町田→鶴川駅乗り越し分40*2 バス:鶴川駅→真光寺190*2

本日の総距離=11.0km 本日の歩行時間=5時間10

 

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