猛烈な低気圧が北日本に居座り、1日で160cm以上の積雪の地域もあったとのニュースが報道されていた。我が家では昨年末の箱根「神山」登山での強風に懲り、二の足をふんでいた。

…が、強風は収まるとの予報が出たので、比較的雪の少なそうな「鬼ヶ岳」(1ヶ月前に行った「王岳」の隣山)を登山対象に選び、低温は覚悟の上で出発を決める。

        所要時間: 4時間35

 

5時、家を出る。先回の「王岳」登山と同じルートで西湖・湖畔の魚眠荘前を右折。

魚眠荘の先で「雪頭ヶ岳 鬼ヶ岳→」標識を見つけ、小川沿いに林道を上り詰め、堰堤工事現場横の広い空き地に駐車。前方を仰ぐと「雪頭ヶ岳」らしい山が聳えて見える。

 

712分、工事現場横の「雪頭ヶ岳 鬼ヶ岳→」標識に従い、作業現場右の荒れた登山道に入る。枯れた沢を少し辿り、すぐに右に分かれて杉林の中を登る。空は快晴で気温はマイナス4度。

727分、大岩の前に「急角度で左折」を図示した標識に出あう。指示に従い斜面を登る。

745分、桧林の尾根の東斜面に付けられた山道を登っていく。背後には富士山、前・上方には朝日を浴びた「雪頭ヶ岳」が木立の上に聳えている。樹種は桧から唐松に変わるが地形的には単調な上りが続く。

82分、唐松林の尾根を直登。気温に変化はないが西隣の尾根越しで風が吹きつけ、耳が痛くて耳覆いを着ける。

818分、自然林に入ると「ブナの原生林」看板が立っていた。このあたりから急坂が始まる。

 

825分、山道が北斜面に回り込むと、雪道となりウサギの足跡が目立つ。気温はマイナス7度に低下。北風が冷たく鼻先が痛くなりバンダナで覆うとまるで盗賊スタイル。

838分、南斜面に抜け出ると陽だまりで人心地が付き一休み。南に富士山を中心に大展望が広がる。青空に半月が懸かり、飛行機雲が伸びていく。西に真っ白な南アルプス。

 

一息入れて、岩混じりの急な斜面を登る。「足元注意」の看板が立てられていた。

855分、大岩通過箇所にロープがあるが頼るほどでもない。ここを登ると南に傾斜したカヤト原に出る。HPに記載のあったお花畑らしいが、このシーズンでは見る影も無い。

 

92分、ピークでないのに「雪頭ヶ岳」の山頂看板が立っていた。

風が収まっているので富士山を中心に南面の大眺望をゆっくりと楽しむ。季節が良ければ更に前斜面の野草の花が彩りを添える筈。

景色を十分に堪能し、今日の最高点の「鬼ヶ岳」に向かう。

95分、北斜面に入ると景色は一変して冬の世界。

「鬼ヶ岳」へ移動するには雪と岩と潅木を縫いながら複雑地形を標高差で20m以上、下り・上りしなければならなかった。

雪の付いたヤセ尾根通過は風が吹かなくて幸い。大岩通過は20段程の設置アルミ梯子に助けられる。

山行前には毎回、1/25000地図を見て標高図を書き、コース予測しているが今回の「雪頭ヶ岳」と「鬼ヶ岳」間の200mほどの区間は予想外だった。

917分、雪と岩の山頂「鬼ヶ岳」に到着。現地に来てみると鬼の角の2つの岩は随分離れていた。

山頂を歩けば360度の眺望は得られるが、-7度の気温と冷たい風のため、展望を楽しむ気力は起こらない。鬼の角下で風を避け、陽を浴びながら早い昼食を摂る。

帰路は「鍵掛峠」経由での下山を予定しているので、西に下る尾根筋を眺めて、残雪を確認してアイゼンを付けることにする。軽アイゼン装着時、手間取って雪に濡れた素手に風が当たった時の冷たさには参った。

945分、下山開始。雪の残る細い岩尾根を西に向かい慎重に下る。傾斜はかなりきつい。

105分、岩山の手前の下りにロープあり。残雪が少なくなったのでアイゼンは外す。

1010分、小ピークへ上り。岩の頂を3つ越えて下る。背後を振り返ると逆光の中に「鬼ヶ岳」と「雪頭ヶ岳」が一体になって意外に大きな山の印象。このあたりから下りの傾斜は緩み始めて気楽に下山継続。

1028分、ロープで急坂を降りる。

1032分、「鍵掛峠」着。ここからは昨年末(12/22)に通った道で雪も殆ど無く無難に下山を続ける。「ブナ原生林」を過ぎ、墓標が並んだ様な「食害防護筒」を見て下る。

1120分、舗装路に出る。前回駐車した薬明神社に気づいて今日の無事の山行を感謝し参拝。

1147分、車に戻る。今回も誰にも逢わない山行だった。

235分、無事帰宅。