以前、奥多摩の「槇寄山」を下山の折、「大羽根山」経由を予定したがミスコースして寄らずに下山。
先日、図書館で「奥多摩山歩き・一周トレール(東京都勤労者山岳連盟編)」を見たら、「秘峰の大羽根山を訪ねる」のコース紹介を見つけた。出版から9年経過の本なので既に「秘峰」ではないかも知れないが興味を魅かれ、金曜日の出発を決める。

◇所要時間: 4時間20
◇難度(マロンとして): 易+++▼+難
◇マロンの日記:
 大羽根山までは素直な道でしたが、そこから「笛吹入口」への下りコースは山慣れない人には薦められないとおとーさんが言っていました。最後の下りは判断ミスだったとおとーさんがおかーさんとマロンに謝りました。

 

450分、出発。

多摩川〜秋川〜南秋川沿いの国道、県道を使って檜原街道を西に走る。

「笛吹(=うずしき)入口」バス停先の三叉路脇で「笛吹峠→」登山標識を確認し、更に300mほど先で「檜原苑」看板を見つけ、左折。100mほど先の路肩で20台ほどの空いた駐車場を見つけ、林道先に駐車するまでも無かろうと車を止めて出発準備する。気温は-5度。

 

640分、桧原街道に出て、戻る方向にスタート。

三叉路脇の「笛吹峠→」標識地点を右折し、大きくうねった舗装路で高度を上げる。雲ひとつ無い快晴。路肩にはミツマタが咲いていた。

 

76分、お宮横を50mほど通過し、右山腹を指示する標識で山道に進む。

杉や檜林を登るうち、朝日が差し込み始めた。モミらしい大木が混じる檜林を上っていく。やがて山道は溝地形の中をくねりながら登るようになった。体が温まりコートを脱ぐ。

 

幅広の尾根道に出て九十九折で登る。人工林の巾広の尾根筋に残雪が見られるようになった。

754分、雪上に踏み跡が2分岐している地点で、雪に埋まりかけた標識を見つけて雪を払ってみたら、左「丸山」、直進「笛吹峠」の標識。左に進む。自然林の残雪は10cmほどに増えた。

758分、左下から良く踏まれた道が合流。右の自然林越しに「三頭山」が姿を見せた。その手前に下山に使う予定の尾根が延び、稜線途中に小ピークが確認できる。あそこが今日のターゲットの「大羽根山」と目処をつける。

雪面には鹿ではない獣の足跡が交差。マロンの熊鈴の消音カバーを外して上り続行。雪の斜面で水のみ休憩し、檜林に進む。

 

822分、森の中に四差路。直進は「丸山、日原峠」、右「笛吹峠0.6km」、左「土俵岳、日原峠」。先ずは山頂を目指す。

824分、裸木越しに朝日の差し込む「丸山1098m」山頂に到着。南に見える山稜の上に富士山がのぞく。記念写真を撮り、尾根筋で笛吹峠を目指そうとしたら、繁茂した檜林に妨げられて進めず、下の十字路に戻ることにした。

 

 

832分、四辻に戻って「笛吹峠」に向かう。檜林と自然林の間の尾根道を前方に見える「三頭山」目指して雪道を進む。

844分、上り斜面が始まるところが「笛吹峠」で右下から踏み跡が合流していた。この先の尾根道を上り下しながら進む。

 

93分、直進「三頭山、西原峠」左「上野原町、藤尾」の三分岐標識地点。

(・・・このあたりに三分岐点は無かった筈と昭文社の山地図を注意して見ると、「登山コースではない小道」の点線コースが記入されていた。点線コースでも現地には標識類がかなり整備されているようなので「登山コースでない小道」も活用すれば結構、周回コースが作れそうに思えた。)

朝日を浴びてザクザクした雪を踏みしめ北に向かう。空は真っ青。

 

910分、風雨に晒され判読しづらい「大羽根山を経て浅間尾根登山口バス停→」手づくり標識が支尾根の先を指していた。

下山する分岐支尾根が確認できたのでザックを下ろし、ムスビとドックフードでエネルギー補給。雪上に地図を広げ、北方に見える山の名前を調べると何れも初代マロンと訪ねた山だった。

 

922分、支尾根に下山開始。

幅広尾根筋はじきに狭まってきた。数人の踏み跡をトレースしていく。10分ほど下って檜林の中を緩く上る。

 

北側の木立の下に古い休憩テーブルが見えたので、立ち寄ってみたらこれが「三頭山」の好展望地。

 

 

 

しばし展望を楽しみ自然林と檜林の間を緩く下ると前方に小高い雪のピーク。

 

940分、「大羽根山」着。

北から東にかけての展望台のようなピークだった。この山を「秘峰」と称した案内本の表現もマア許すことにする。

左に「三頭山」、眼前の浅間尾根の上に「御前山」、「大岳山」が特徴的な山体を見せてくれた。暫し展望を楽しむ。

 

この雪の山頂の左下へは「浅間尾根登山口」へ下る踏み跡が続いていたが、私たちの下山路の「笛吹入口」へのコースは右の支尾根への分岐点だけに黄色テープがあるだけで、ルートと思われる木立には小潅木が生えていて、人の歩いた形跡が感じられない。

945分、チョッと躊躇したが、GPSがあるので問題なしと私、マロン、妻の並びでブッシュを払いながら下山開始。

 

951分、GPSを見ると予定コースより右ずれし始めているのが判り、自然林の中に移動するとまたブッシュに煩わされ檜林の中を下る。

これまでのところ、「大羽根山」からはテープや標識類や靴跡は皆無。

幅広尾根やブッシュの中では尾根筋を維持するのが難しいが、GPSに記憶させた進路と現在地が15m以内の誤差で確認できているので安心して前進。

 

102分、下草の無い檜林を下って、古い踏跡らしい凹みを見つけて辿り下る。やがて雪は無くなり、地形は複雑になったが尾根筋を外さず進む。

1027分、杉林の幅広尾根を下っていたら左から幅広山道が近づいてきたのでこれに合流して下る。

1031分、また左から山道が合流。樹間に下界の屋根が見える辺りで水のみ休憩。

 

1037分、山道は尾根の先端を左に下り始めた。GPSを見ると出発点(=駐車場)は尾根先端の右下に位置している。右下は急な山腹だが、高さで20mほどを下りきれば大きくショートカットが期待できると思えたので、思い切って急斜面を下ることにした。

細木を頼りに斜面を10mほど下ったらその先は急斜面になり、下からは沢音が聞こえてきた。細木を掴んで上り返すのはキツソウだと感じられたので、私が空荷で下が覗けるところまで様子見に下り、崖も沢も何とかクリアーできると目処をつけ、マロンをフリーにして下山続行。

1058分、強引ながら下りきって無事に沢も渡り、対岸の舗装路に上った。

11時、駐車場に戻る。

130分、無事帰宅

 


当日のGPSデータ


最後の急坂下りの奮闘の軌跡の拡大図

(紫色の点は予想下山コース))