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皇海橋からの最短コースで「皇海山」を訪ねることにした。なお、余力があれば、隣の「鋸山」へも足を伸ばす予定。 皇海橋へは利根町の追貝、または根利から栗原川林道を使って出向くことになるが、道路状態が比較的マシだという根利経由で登山口を目指すことにした。台風18号の後ながら、幸い沼田市役所観光課から「林道通行可」情報も得られたので月曜日の出発を決めた。 なお、「皇海山」の山名由来は・・
昔は笄(こうがい)山と呼ばれ、それが皇海になり、皇はスメと読めるからスカイになったというとのこと。 |
◇所要時間: 6時間6分 |
2時15分、家を出る。 中央高速、圏央道経由で関越自動車道の沼田ICを下り、片品川沿いの県道62号線を東進し、根利から倉見川沿いに村道?を北上。途中、車内のマロンに朝食を与え、交差余地の少ない一車線舗装路を進む。 |
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5時10分、野生動物進入防止用ゲートに対面し、開閉して通過。ゲート先には「道路情報 村道追貝根利線(根利栗原林道) 通行可」標識。 この先は砂利林道だが時速20km以上で走行可。ライトに照らされた道脇の木々が黄葉していた。 5時40分、ライト無しで走れる明るさになった。空は快晴。真っ黒の獣が道路に飛び出し、崖下へ姿を消した。カモシカかも。 |
5時51分、栗原川林道・記念碑地点で前方に見える皇海山と東の空の朝焼けを撮影。 記念碑には 「森林資源開発目的で30有余年の歳月と10数億円の費用を投じた。」と書かれていた。緩く林道を下って「皇海山登山口」に一番乗りで到着。気温は4度。 6時20分、準備を整え、不動沢沿いの幅広林道に進む。 |
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路肩の「熊、猿出没注意」看板を見てマロンの熊鈴の消音カバーを外す。200mほど先で「皇海山→」標識に従い左の山道に入る。紅葉最盛期らしいが、黄葉がメイン。 6時29分、「皇海山山頂3.2km」標識先で流水の「不動沢渡渉点」を飛び石で渡る。 |
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コースを示す紅テープ標識が煩いほど多い。落葉を始めた唐松林を通過し、涸れ沢や流水の小沢を横断。突然、近くで「ヒョー」の鳴き声。木立の中を雄鹿が走った。 6時47分、沢を渡り、両沢の間を登って小沢右岸を上る。流水の小沢を数回渡り返しながら幅狭の大石の露出した山道を登る。 7時5分、「皇海山頂2km」標識通過。また小沢を横断。 7時12分、登山口と山頂の中間点標識を通過し、涸れ沢筋を登る。唐松林を通過すると少し勾配がきつくなった。 |
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7時20分、進路左右に支沢が増えた。リボンに従いメインの沢筋を登る。20mほど流水の沢筋を登る。水飲みに来る獣の臭いがするのか、マロンが沢横の草むらに走る頻度が増えた。 7時31分、破砕石が堆積して僅かながら水の流れる沢筋を息を弾ませ登ってきたがやっと沢から離れて沢横斜面を上る。 7時36分、破砕石の多い急坂に長いロープが垂らされていた。私たちはロープに頼り、マロンは自分の爪で頑張る。5分ほどで急坂を通過し、楽になった。 |
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7時46分、「不動沢のコル」と呼ばれる尾根の三分岐に到着。 朝日を浴びた「鋸山」が目を惹く。「皇海山」から下山時、余力があれば登ってみたいと考えてきたが、急角度で屹立するあのピークに犬連れで登るのは大変かも・・・。 7時52分、先ずは「皇海山」だと、残り高度差300mの上り再開。コメツガの樹林帯を登る。10分ほどで「皇海山0.7km」標識通過。登るに従い背後の南に展望が利き始めた。快晴で強い朝日を背に受け、またオオシラビソの樹林に入る。この高度では岳カンバは完全に落葉し、針葉樹林にモミジだけが散見される。 |
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8時23分、「山頂まで400m」標識あたりから傾斜が強まり、岩と木の根に助けられながら上る。ロープも垂らされていた。 8時30分、大岩が露出する幅狭の露岩帯を登る。勾配は緩み、オオシラビソとコメツガの林を緩くうねりながら進む。 |
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8時39分、「皇海山2143.6m
沼田市」標識と「渡良瀬川水源碑」、二等三角点のある山頂に到着。 上空に雲は無いが、周囲は木立に遮られて視界は悪く、北に「日光白根山」、その右に「男体山」が見られた程度。 8時53分、ムスビを食べ下山開始。 2分ほど戻った地点に背丈より大きい青銅の剣と「庚申二柱大神」碑とが立っていた。 |
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不動沢のコル近くで同年輩の夫婦登山者に出会い、山頂への残高度を尋ねられ、更に林道では車の底を擦らなかったかと尋ねられた。聞けばESTEMAで追貝経由、上ってきたが、悪路で往生したとのこと。私たちは根利経由で20〜30km/Hで走れたというと、地図を取り出して林道状況をいろいろ質問された。下山続行。二組の登山者と交差。 |
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9時27分、「不動沢のコル」に戻り、全メンバーに余力があるのを確認し、南の「鋸山」を目指しコメツガ樹林の幅狭尾根に進む。林床は膝程度の笹でテープが沢山付けられていた。 一旦、15mほどを下り、上り返して途中のピーク通過。更に笹原をうねりながら下る。 |
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9時43分、シラビソ樹林の上りが始まった。一時、東に視界が得られ、朝日を受けた対斜面の山肌の紅葉の彩りを楽しむ。 5分ほど先から急坂が始まった。紐先マロンは自力で崖をよじ登り頑張る。二箇所のガケ段差はマロンのジャンプに少し助力。 9時57分、ロープの垂らされた涸れ沢筋の急斜面を登る。最後は鎖の垂らされた面状の岩肌だったがマロンは何とか足場を見つけて上りきった。 |
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10時5分、全員、無事に「鋸山1998m」標識の立つ山頂に到着。 360度に好展望が得られ、近くに先程登った「皇海山」が意外に立派な山容を見せた。 東には「庚申山」経由の登山道が鋸の各ピークに絡みながらこの山頂まで続いていた。ムスビを食べながら展望を楽しむ。 |
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北には「日光白根山」「太郎山」「大真名子山」「女峰山」「男体山」が見え、南には「袈裟丸山」が近い。 「鋸山」への上りは予想外に厳しかったので、下山はマロンの背負いシートをすぐに取り出せるよう格納しなおし、カメラ、GPS、ストックはザックに格納。 10時27分、下山開始。マロンを後に従え、露岩帯やザレた沢筋はロープに助けられながら下る。 |
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20分ほど下り、フト気がつくと上りでは見なかった白色リボン箇所を2度通過していた・・・??。念のため、ザックからGPSを取り出し、現在地を調べると上りの軌跡とは30mほど、西にずれた沢筋にいるのが読み取れた。ミスコースだ!!。ザックも残し、樹林の急斜面の右を探し、稜線に往路を見つけた。 10時56分、全員、無事正規ルートに合流。上りに通過した2箇所の大岩段差は先ほどの迂回で巻ききっていた。ひょっとすると正規の巻き道だったのかも。 |
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11時16分、「不動沢のコル」に戻ると皇海山の下山時、林道情報を聞いてきた夫婦登山者が昼食中。挨拶を交わし、私たちは下山続行。 途中、マロンは沢で水浴びして体温調節。沢の合流地点で小休止してムスビを食べる。この標高から下は唐松林が黄色に色づいていた。僅かな風に色づいた落ち葉が沢に散っていくのは結構な見もの。 全般に黄色葉が多いが、モミジの朱色が入ると俄然美しく見える。 |
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12時19分、最後の沢を渡ると登山口まであと400m。 12時26分、車に戻る。車は5台に増え、車ナンバーを見ると北九州、静岡、香川、群馬ナンバーで「皇海山」はやはり百名山だと感じた。 16時25分、無事帰宅。 |
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