大月市選定の秀麗富岳12景の1山、「高畑山」に登っていないことに気づき、冬の富士山の見納めにと快晴予報の出た木曜日の出発を決める。

コースは残雪のない南斜面で上ろうと、県道35号線の雛鶴トンネル東口からのコースを採用。

 

◇所要時間: 3時間26
◇難度(マロンとして): 易++()++難 (但し、雛鶴峠と高岩の間)
◇マロンの日記:
 予定した場所に駐車できず、予定外の登山口から山に入った途端、雪斜面でツルやブッシュや潅木に取り囲まれ、その上、紐を外してもらえず上ることになり大変。それでも峠から黒岩までは普通の山道でしたが、峠からの下山はまた道の無い山斜面をズリ降りることになり驚きました。紐さえ外してもらえればマロンには楽勝コースでしたが・・・。おとーさんはマロンを信用していないようです。

(右図は当日のGPS軌跡。青線は計画したコース。)

 

 

440分、頭上に北斗七星を仰ぎ出発。相模湖IC入口先で相模湖を渡り、秋山川に沿って県道35号線を西に進む。このところ日の出は早まって613分には日の出。気温はマイナス4度。

633分、雛鶴トンネルの東口に着き、あたりに登山口と駐車場所を探したが共に見つからず、700mほど戻った地点から旧道に入って旧トンネル入口を目指そうとしたがすぐに侵入禁止柵に止められた。

この地点からの登山開始も考えたが旧道路面の凍った雪を見て、雛鶴トンネル西口からでも入山できるのではと思いつき、車でトンネルに戻る。トンネル西出口で横の山斜面に上に向かう細い雪道を発見。即、ここから登山開始と決め、駐車できそうな路肩を200mほど先に見つけ駐車して出発準備を整える。

 

642分、トンネル西口に向かって出発。トンネル入口脇の残雪を踏み越えて、沢筋横の細い雪道を上る。

雪道は徐々にブッシュが煩わしくなり、掻き分けて登るようになった。トンネル中央の真上あたりが雛鶴峠の方向と判っているが、密集した潅木やブッシュに妨げられて、やむなく進路を右にずらしながら上の尾根を目指す。少しでもマロンに先行されると紐がブッシュに絡まり身動きが取れなくなるので「後ろへ!!」の命令を頻発。急坂に雪と落ち葉で足を取られ、ブッシュで邪魔されるので結構苦しい上り。

 

藪上りの途中でGPSを見ると雛鶴峠とは45度も方向が違っていたが、峠方向には地形とブッシュで進めず、兎に角眼前の尾根を目指し足掻く。

740分、やっと尾根筋に上りついたがそれは期待していた登山道のある尾根ではなくてその支尾根だった。一息ついたところで左腕に痛みを感じて腕まくりしてみると擦過傷。ザックを下ろして傷を手当し、更にこの尾根筋で高みを目指す。背後の南の山稜越しに富士山の頂上が見え始めた。

752分、「雛鶴峠」と南の「赤鞍ヶ岳」を結ぶ尾根筋に上りつき、山道に合流。朝日を背に受けて山道を緩く下りながら峠を目指す。尾根道の歩き易いこと!!

 

81分、展望が利く小さな禿山のピークに立つ。青空に半月が残り、その下に僅かに富士山が山頂を見せた。

 

 

85分、「雛鶴峠」に到着。

「←赤鞍ヶ岳 倉岳山→」と「←都留市 無生野→」と標識が四方向を示していたが、「←都留市」銘板には、<通行不可><道なし不通>などと手書きされていた。

今日は2時に自宅で用事があるので、残り時間に余裕が無く、これからどうするかを妻と相談。

 

この峠から確かなコースで車に戻るには旧道を使い、県道に出て雛鶴トンネルを通過し車に戻ることになるが結構、時間が取られそう。・・で、今日は予定コース途中の「高岩」までを往復し、この「雛鶴峠」からの下山は「←都留市」標識に従いながら適当なところから山腹を旧道に下り、更に適当な地点を見つけて県道に下り、車を目指すことにした。

89分、「高岩」を目指し、凍った雪道に進むが新しい靴跡は見当たらなかった。

 

814分、高圧鉄塔下を通過。

鉄塔の先は暗い檜林で冷たい風が吹きこんでいた。

痩せ尾根を進むと前方にピークが、左下には舗装路が、南の山稜越しには富士山の山頂が覗く。

 

827分、潅木に取り囲まれた「高岩」に到着。

北の木立越しに「高畑山」と「倉岳山」が意外に近く見えた。近いうちに再チャレンジをと考え、ムスビを食べながら小休止。

831分、下山開始。

 

851分、「雛鶴峠」に戻り、ここからは車を置いたトンネル西口側に下ることにして<道なし不通>などと手書きされている「←都留市」標識に従い西に進む。

910分、あまり踏まれていない山道を進みながらGPSを見て、左下に延びる尾根手前の山斜面を下ることにした。

細木や蔦やブッシュで素直に下れない急斜面を杖と立ち木を頼りながら少しずつズリ下る。下に旧道が見え、倒木を処理していた二人の作業者が私たちに気づいて手を休めていた。

939分、無事に簡易舗装路に降りきり、GPSを見て更に下の県道に近づく地点を探し、両道の最接近地点は左と読んで、左に進むと旧道のトンネル口(閉鎖)に出た。

 

両道が一番接近しているのは地中のトンネル内であることが判り、諦めて往路を戻る。

倒木を処理していた人に県道への最短路を訊ねたら、忠実に旧道を辿って、「リニア実験線棟」横から県道に出るのが一番との答え。旧道を下り、日当たりの良いところでニギリを食べながら小休止。

 

105分、旧道を下り終えて大きな工場風の「リニア実験棟」建物横で県道に合流。山梨県のこの辺りの地下に浮上式で500km/Hで疾走する「リニアーカー」の実験線があることは聞いていたが、このような出遭い方をするとは思わなかった。

108分、車に戻る。相変わらず天気は快晴で気温は8度。今日は予想外の山歩きになった。

帰路、雛鶴トンネルを抜けた地点の道路左に「峠の茶屋(廃業?)」看板を見つけ、車を下りて建物後ろに回りこんでみたら数m上を旧道が通過し、上れることが判ったが、3台ほど駐車できそうな茶屋庭には「工事関係者以外駐車禁止」看板があった。

12時半、無事帰宅。

  高畑山・2