前山行の「大栃山」の西に位置する「滝戸山」にターゲットを絞り、ネットのHPでこの山の情報を収集。

<結果>この山域では主要な山頂を結ぶ尾根ルート以外には案内標識類は殆ど無いらしく、滝戸山周回コースでは鶯宿峠から大窪への山道がその後作られた林道で分断され、国土地理院地図通りではなくなって分かりづらくなっているらしい。

昭文社の山地図はこの地域をカバーしていないのでコース情報不足は新規装備のGPSに国土地理院地図記載の山道ルートをインプットし、これを頼りながらコースを周回することにした。

 

◇所要時間: 4時間20
◇難度(マロンとして): 易++▼++難
◇マロンの日記:
 今日は登山者の少ない山だというので山中はフリーにしてもらえるものと楽しみにしていましたが期待は裏切られ、自由にしてもらえたのは最初と中間と最後の林道だけでした。峠からの下山路は何故か随分と藪道を歩かせられました。

 

415分、出発。

国立府中ICから首都高速に入り、早朝夜間割引を使って通常の半額で甲府南ICを下りる。県道308号線で南下し、県道終点の大窪の先の三叉路地点で車4台ほどの空き地を見つけ駐車。

今日も天気は快晴で気温は0度。

 

615分、三叉路から山腹を西北に伸びる大窪-鶯宿峠林道の舗装路を緩く上っていく。人の気配が無いのでマロンをフリーにして進む。

北方に見える甲府市街とこれを取り巻く山々には早くも朝日が当たっている。

やがてこの林道にも太陽が差し込み始めた。

646分、金刀比羅神社裏の峠地点に着き、国土地理院地図に従って南の尾根に進もうとしたが、舗装路の路肩はコンクリート壁で尾根に上れず???

・・で、峠前後の舗装路50mほどを行きつ戻りつ丹念に上り口を探したが・・×

若干、あせって捜索範囲を徐々に広げ最後には峠を120mほども通り越した先の「林道 大窪鶯宿線」看板の立つ地点で尾根への登り口を見つけた。(大窪鶯宿線林道の先はゲート閉鎖されており、看板には4/25まで冬季閉鎖と書かれていた)

結局、上り口を見つけるために12分ほどタイムロス。

74分、尾根筋を少し上ると左に山道が分岐。標識は無いが山道に進み() ヒノキの植林帯に入る。

717分、ヒノキ林を抜けて陽だまりで小休止。マロンに水を与えるとガブ飲みする。周りのツツジらしい潅木が若芽を見せ始めていた。

731分、舗装林道をクロスして更に山道に進む。

 

749分、「狢山」の山頂標識に出合わなかったのでGPSを見ると山道は「狢山」の東山腹を通過しており、既に滝戸山-狢山間の1/3地点に上っていた。

先程の峠から尾根への取り付き場所といい、狢山通過の山道位置など国土地理院地図であっても山道に関しては結構、アバウト表示で、眉唾しながら見る必要がありそうだ。気温はマイナス1度に低下。木立の間に南アルプスが覗く。

757分、右前方に滝戸山が見え始めた。登山者は少ないらしく山道に落ち葉が積もり、ブッシュが張り出している。これまでのところ、コースを示す標識類は皆無に近い。

 

8時、尾根幅が広がるにつれて山道が不明確になってきた。珍しくブッシュの枝に黄色テープが付けられていた。

86分、コナラ、ミズナラ林の中、滝戸山への最後の上りが始まったが登路がはっきりしない。踏み跡らしきものを辿ると山腹を左に巻き始めた。これでは山頂に上れないと、ここからは山頂目指して直登開始。一段上り上げてGPSを見たら山頂は尾根筋先80mと表示。

 

818分、「滝戸山1221m」山頂に到着。

山頂には二等三角点と「山梨百名山」、「山梨の森林100選 滝戸山のミズナラ林」の看板が立っていたが見晴らしは得られない。

北東に向かって「鶯宿峠 春日山→」、上ってきた方向は「←境川方面」、南には「滝戸山登山道」が伸びていた。木漏れ日を受け、ムスビを食べながら小休止。

832分、尾根筋で鶯宿峠に向かう。

 

10分ほどで小ピークに上ると、「←春日山 名所山1205m 滝戸山→」標識に対面。国土地理院地図で「名所山」は鶯宿峠の先、と記憶していたのでこの標識を見た途端、「ワッ!!、又ミスコース」と驚き、急ぎGPSを見たら現在地は滝戸山近くのピークにあったので一安心。表示高度も現地に整合しているので、たまたま同名の山だったらしい。

幅広尾根を進んでいくとやがて尾根筋が痩せて左下に林道が見え始めた。

 

93分、「大窪 鶯宿林道」の砂利林道の広場に下りた。そこは現在の鶯宿峠で休憩イスがあり、展望台風の場所からは北に八ヶ岳、南アルプスの一部、甲府の市街が望めた。

ここからはゲートで閉鎖中(冬季閉鎖 12/104/25)の「名所山林道」で古い鶯宿峠を目指す。マロンをフリーにしてやり暖かい朝日を浴びて砂利林道を東に進む。

 

911分、北に向かって林道が分岐(この林道が大窪へ下山する山道を分断していたらしい。)していたが我々は直進。

915分、「ナンジャモンジャの木」地点に到着。

小山の上に太い立派な老木が立っており、下記の看板が立っていた。

リョウメンヒノキ

この木は昔から「鶯宿峠のナンジャモンジャ」と言われ有名で葉がヒノキに似てヒノキでなく、コノテガシワに似てコノテガシワでなく結局樹種不明であるため、「ナンジャモンジャ」といわれてきたものである。

昭和3年、牧野富太郎博士がヒノキの変種として、リョウメンヒノキと命名し、珍種であることが判明した。普通のヒノキの葉は表、裏がはっきり区別がつくが、本種は裏面のY字形の白蝋粉がなくて、その区別がしにくいために、リョウメンヒノキの名が付けられた。本樹は珍奇な種類として名木中の名木であるので、昭和三十六年六月十六日、県指定の天然記念物に指定されている。   芦川村教育委員会

 

920分、この昔の「鶯宿峠」から標識は無いが北へ下る道に進む。荒れた山道は窪地地形の中をくねりながら下っている。

927分、コースのはっきりしない荒れた窪地を下ってきたが前が大きく崩落していて前進不能。GPSに記憶させた国土地理院地図ルートを見るとコースは現地左の尾根を北に下っている。左上を見上げると白い林道のガードらしいものが見えた。

焦りは禁物と小休止してバナナでエネルギー補給し一息いれる。

 

938分、林道目指して強引に斜面を攀じ登り2分ほどで林道に上りついた。この林道は911分時点に左に見送った林道らしい。

簡易舗装の林道を50mほど進むと林道は左にカーブしていたがGPSの予定ルートはこの尾根筋を北に下っている。

 

先ずは私が林道のガードを乗り越して30mほど先行し、なんとか先に進めそうだと判断の上、妻とマロンを呼び寄せ尾根筋を下る。

952分、ブッシュを避けながら100mほど進むと尾根筋先が削り取られ、眼下のコンクリート壁下に先ほどの林道が横切っていた。これでは前進不能だと仕方なく30mほど戻って急斜面を林道までズリ下りて簡易舗装路で尾根筋を下っていく。7分ほどで簡易舗装路は森の中で終わり、その先の窪んだ山道は50mほど先で右の沢に向かって九十九折で下り始めた。

沢筋に下りきると次に合流する涸れ沢の左岸に出た。左岸の山腹を蔦や藪に邪魔されながらも徐々に沢に近づきながら下っていく。

1018分、右下に簡易舗装路が見えたのでこれに下り、マロンをフリーにして太陽を浴びながら砂利林道をのんびりと下る。

1035分、車に到着。

今日の山行のようにコースの不明確な山ではGPSが非常に頼りになるのを実感。

帰路は一宮御坂ICから中央高速に入り1時、無事帰宅。