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近頃、郷里で山歩きの楽しさを覚えはじめた弟が「丹沢」を歩いてみたいと希望してきた。丹沢山塊の山々は1昔前に3年間ほど歩いていたが殆どが日帰り山行で一気に縦走したことは無かった。 今回はよい機会と考え、丹沢表尾根で「塔ノ岳」に登り、尊仏山荘に1泊。翌日は「丹沢山」「蛭ヶ岳」「桧洞丸」と丹沢山塊を横断するコースを計画した。 |
1月6日(火) 朝8時すぎ、東名・大井松田IC出口で弟の車と合流し、2台で下山ポイントの丹沢湖先の「西丹沢自然教室」に走り駐車場(無料)に弟の車を残す。取って返して国道246号線を走り、名古木交差点からヤビツ峠にのぼり、峠先の富士見山荘前で左に分岐する林道に車を乗り入れる。 |
100mほど先に「二ノ塔経由 塔ノ岳」の登山口標識が立っているがこれを見送り、更に400mほど上って大きな空き地に到着し丹沢主脈縦走の準備を整える。 10時32分、「塔ノ岳」への正規ルートは先ほどの道標のある登山口から登り始めるのだが、私たちは駐車場所から正規ルートの隣の尾根ルートで「二ノ塔」を目指す。 先ずは日本武尊足跡標識の立っている踏み跡で山に入る。このルートに登山標識は殆どないが迷うようなポイントもない。人工林や自然林、笹薮などを通り抜けて幅広の尾根筋を登っていく。 |
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10時50分、笹薮を抜け出て桧林を登る。傾斜の緩んだ林の中に2つ目の日本武尊足跡標識があり、薄日が差し込んでいるので昼食を摂ることにする。 |
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今日は塔ノ岳泊まりと予定しているので時間は余るほどある。ゆっくり食事して11時20分、出発。5分ほど潅木帯を登って菩提から「二ノ塔」への登路に合流。一昔前、雪のシーズンにここで沢山のウサギの足跡を見たのを思い出した。 11時32分、「二ノ塔」着。体が温まってきたので手袋を外しシャツ1枚になる。晴天予報は外れて全天に薄雲が広がり始めた。 |
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11時50分、「三ノ塔」着。避難小屋の温度計は3度を表示。今日歩くコースは「塔ノ岳」まで展望できるが、遠景の富士山は靄に霞んでいる。 12時40分、烏尾山の烏尾山荘を通過。 |
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1時6分、行者岳でゆっくり時間調整するつもりが5分も休んでいると薄ら寒くなり先に進む。10分ほど先に8mほどの下りの鎖場。マロンをバックに詰めて通過した3年ほど前の表尾根山行を思い出した。 1時37分、書策小屋前でも時間調整のため小休止。薄日が差し始めた。相変わらずドロドロのヌカルミが続く。 1時58分、新大日着。少し青空が覗き始めた。10分ほど時間調整して先に進む。時間を持て余しての登山は始めて。 |
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2時47分、「塔ノ岳」に到着。 小雪が舞い始めたので尊仏山荘に入り、宿泊手続きを済ます。 先客は1人のみで他に予約客は無いらしく、二階の8畳の部屋を私たちだけで占有。久しぶりに郷里の話を聞いたりしてゴロゴロ過ごす。 5時半に夕食との声が掛かりテーブルに着くと客は4人のみ。丹沢の蛭やダニ、山荘の飼い猫、山頂からの夜景などが話題になる。 |
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部屋に戻り窓から夜の下界を見下ろすと、暗夜に一面の光の点滅。先日、NHKも撮影に来た夜景とのことでキレイ。7時には布団にもぐる。 (山荘は1泊2食6000円、弁当1000円。トイレは改造されキレイだが水はなく、用済み紙は持ち帰るべしとの張り紙。水場は山荘から30分。) |
1月7日(水) 6時に朝食。飯と雑煮風汁物で水分は十分に補給。水筒にお茶を追加する。 上空は雲に覆われているが高曇りのため富士山や南アルプスがクッキリ見える。 6時30分、山荘を出発。山荘裏から直ぐに階段状の標高差100mほどの下り。解けた雪がカチカチに凍っているので軽アイゼンを付ける。 日高を通過したあたりから鹿との遭遇が増える。昔ほど人を警戒しなくなり、5m位に近寄っても逃げない鹿もいた。 |
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7時31分、一段の高みにある竜ヶ馬場を通過。東南に展望が広がり相模湾に突き出た江ノ島がよく見える。 7時50分、丹沢山に着く。この山の「みやま山荘」も営業していた。今日は長丁場のため、休まずに標高差100mほどの急坂を下る。気温はマイナス5℃。無風のため、気持ちよく歩ける。 「不動の峰」へ近づいたあたりで7頭の若い雄鹿の群れを見かけた。 |
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9時18分、「鬼ヶ岩ノ頭」の急坂を下りきる。左程凍っていなくて助かる。北の空から雲が薄くなり、太陽が顔を出す。気分を良くして蛭ヶ岳の上りに掛かる。 |
9時45分、「蛭ヶ岳」着。空気が澄み渡っているので富士山、南アルプスがクッキリ。大菩薩連嶺の後には金峰山の五丈岩まで確認出来た。 振り返ると今朝出発した「塔ノ岳」から「丹沢山」「不動の峰」が一望でき、西を見るとこれから歩くコースの先に「桧洞丸」が日の光を浴びて聳えて見える。気を引き締めて「蛭ヶ岳」からの標高差300mの下りの急坂に進む。 |
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11時20分、「臼が岳」山頂横を通過。振り返ると「蛭ヶ岳」が大きい。空の北半分は青空に変わった。曇りの天気予報は良いほうに狂った模様。 下りの途中で陽だまりを見つけて昼食。山荘で提供してくれた弁当はコンビ二弁当そのものだった。弟が少し疲れた様子。聞けば1ヶ月半ほど山を歩いていないとのこと。 11時44分、「神ノ川乗越」通過。前方の山斜面から小太鼓の連打のようなキツツキの音。気が付けば無風の山中で静寂の中を歩いていた。 11時55分、ピークを通過。全天晴れ上がり気分高揚。 |
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12時14分、「金山谷乗越」は昔歩いたヤセ尾根が更に崩れて通行不能になり、斜面に木階段が設置されていた。これを通過し、いよいよ「桧洞丸」への上りに入るが弟のペースが落ちている。不慣れな凍り道と長距離歩きで腿の筋肉や膝に疲れが溜まってきた模様。気温は10度に上がり、二人ともシャツは1枚で上る。 1時28分、「桧洞丸」山頂に到着。 疲れていても標高差1050mを下りきらないと山行が終わらないので弟には注意して頑張ろうと声を掛ける。が、初日に臨機応変で丹沢山まで足を伸ばさなかった自分に反省!!。 |
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2時28分、標高1040mあたりの「展望園地」で小休止。 3時5分、「ゴーラ沢出合」に無事下りきり、あとは平坦地形が続くので一安心。休まずに終着点に向かう。 3時50分、弟の車の待つ「西丹沢自然教室」駐車場に無事到着。 246号線で渋滞に巻き込まれながらも出発点に車を走らせ、ヤビツの山上で各自の車に戻り、東名・秦野中井ICで別れ、各自宅に帰る。 |
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