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笹子トンネル近くの「達沢山」が山梨百名山の一山であるのに気づき、梅雨が始まる前に登ることにした。 笹子峠からのコースは昭文社地図には紹介されておらず所要時間が不明であるが尾根コースの往復山行なので気にせずに出発準備を整える。 ◇所要時間: 6時間13分 |
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2時50分、出発。国立府中ICで高速に入り、大月ICを下り西に走る。笹子トンネル手前で旧甲州街道に分かれて山に上る。 |
4時21分、笹子隧道入口横の10台ほど駐車可能な空き地に車を乗り入れる。家を出るときには16度だった気温は9度に下がり少し肌寒い。 空き地脇には大月市による「笹子峠〜清八峠登山道案内」の詳細看板が立ち、私たちの今日のコースも「笹子峠→(1時間30分)カヤノキビラノ頭→(1時間20分)達沢山」と書かれていた。これで今日の所要時間は約6時間と判明。 4時32分、マロンの体にダニ忌避剤をスプレーし、「笹子雁ヶ腹摺山↑」標識に従い薄暗い森に入り「笹子峠」への上り開始。 |
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5分ほどで高度50mを上り、峠に立つ「←カヤノキビラノ頭 笹子雁ヶ腹摺山→」標識に従って尾根筋を左に進み、高度差120mの急坂に取り付く。 4時51分、急傾斜を息を切らして登り上げ、振り返ると「笹子雁ヶ腹摺山」の横に太陽が上り始めた。マロンに水を与えるとガブ飲み。 コナラ、ツツジ等の若葉に彩られた気持ちの良い尾根を南に進む。新緑の中に山ツツジの朱色がチラホラ。尾根が痩せてきた。路肩には稚児ユリとマイズルソウが小さな花を見せる。早くも体温が上がりシャツ一枚になる。 |
5時8分、「中尾根ノ頭1278m」着。 西に見える緩やかな二つの大きな山体はこれから通過する「カヤノキビラノ頭」と「京戸山」か「ナットウ箱山」らしい。その遥か先には南アルプスの「甲斐駒」らしい山も見えた。 5時20分.小さなピークに休憩ベンチ。南には雲の上に富士山頂だけが覗いて見えた。尾根の直進コースは見通しが利くのでマロンをフリーにして緩く上り始める。 |
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獣の臭いがするのかマロンが動きが激しくなったので紐付きに戻す。小ピーク通過。痩せ尾根では山道の両サイドの土が流されていて慎重に通過。潅木の若枝が山道に枝を張り出している。登山者は少なそう。鶯が鳴いている。 5時37分、岩の張り出し箇所を上ると前方にピークが見える。ミツバツツジの若葉の中、木漏れ日を浴びて小休止。再びマロンが水を多く飲む。10分ほど先で方向を変えて木の根に助けられて「カヤノキビラノ頭」を目指す。岩の露出したピークに上ったがその先は緩い下り。更に平坦な道を進む。 |
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5時58分、岩と木の根を踏みしめ、「カヤノキビラノ頭」への上り開始。 6時1分、「カヤノキビラノ頭」に到着し小休止。南側の木立が取り払われて山頂を雲に隠した富士山が見えた。 5分ほどの休憩で出発しようとしたが山道がはっきりしない。踏み跡を見つけ20mほど進むとはっきりした山道になった。若葉のカラマツ林を緩く下っていく。前方の富士山に懸かった雲が消え始めた。 |
6時20分、ピークに上り着いたら林の中に「大洞山(摺針山)」と今日のコースには無い山名標識が立っていた・・??。急ぎGPSを見たら「カヤノキビラノ頭」から90度以上も外れた別コースに進んだことが歴然。一息ついて戻り開始。 6時34分、「カヤノキビラノ頭」に戻り山頂標識を良く見ると・・「←大洞山 20分」の標識裏に「京戸山 約1時間→」の標識があった。地図や方角を確認せず歩き出してメンバーに無駄足を踏ませたことを大反省。 草に隠されてはっきりしない「京戸山」への踏み跡を見つけ西への痩せた尾根筋を進む。こちらにも山ツツジがチラホラ。 |
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6時42分、痩せ尾根のコース下が抉られている。注意して通過。ツツジの若葉の中をアップダウンしながら高みに上っていくとまた山道下の土が流されて木の根がむき出し箇所通過。緩く坂を上る。 7時12分、今日の一番高い地点を通過。尾根幅が広がってきたので再びマロンをフリーにして桧林と自然林の間の尾根を進む。 7時27分、緩いピークに手づくりの「京戸山」看板と公式の「京戸山系 1430m」看板があった。公式看板の現地名はテープで隠してある。以前ここを歩いた人のHPによると「京戸山最高点」の文字が隠されているらしい。先に進む。歩き始めて約3時間。林の中でバナナを食べながら小休止。風が無くなり、小鳥の声がにぎやか。 |
7時38分、「ナットウ箱山」への上りに入る。 7時40分、四等三角点のある「ナットウ箱山1412.5m」に到着。休まずに高度差130mほどの下り坂に進む。 桧林と自然林の間を下るに従い前方に「達沢山」がだんだん高く見えてきた。10分で下りきって上り返しに入る。ルートの南山腹は日当たりが良いせいか山ツツジが沢山咲いていた。 |
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7時59分、「達沢山1358m」に到着。 南の立木が取り払われ、正面に青空をバックにした富士山。富士山手前の御坂山塊の山並みの新緑が綺麗。長い尾根歩きを思い返しながらムスビを食べる。静かな森から「ジ〜・ジ〜」と早くも蝉らしい鳴き声がしてきた。 8時15分、往路で下山開始。 8時35分、息を切らして急坂を上り返して「ナットウ箱山」着。往路では10m程度の山だったが、帰りは120mほどの上りを強いられ、山名を持つ山だと納得。山頂で小休止。ザックからムスビを取り出した妻が「”ナットウ巻き”を買ってくればよかった」と言うので笑う。山頂の林の中を歩いてみたがこの奇妙な山名の由来らしいものは見つけられなかった。 |
8時43分、下山続行。 9時7分、今日のコースの一番高い地点でザックをおろして一息つく。休んでいると羽虫が飛び始めたので出発。木立越しに頭上から初夏の太陽が差し込むが涼風があるので気持ちいい。マロンが落ち着いて歩くようになったのでリードを外し、「後へ!!」と強制命令を連発しながら帰路を急ぐ。 |
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9時33分、「カヤノキビラノ頭」に戻り小休止。回りの林はカラマツ、コナラ、ミズナラ、等で「カヤノキ」は見当たらなかった。20分ほど歩くと山腹下に二抱えほどの「萱」の大木が数本生えていた。 10時21分、「中尾根ノ頭」通過。 10時45分、駐車場に到着。車は4台に増えていた。誰にも合わなかったので他の人たちは皆、笹子雁ヶ腹摺山に向かったらしい。 |
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車で下山の途中、路肩に「矢立の杉」の案内看板を見つけ、地図にも記載されているので立ち寄ることにした。 車を残して3分ほど山に入ると思いがけなく太い立派な杉の大木に対面。傍らの説明板には 「県指定天然記念物 笹子峠の矢立のスギ 根元の穴から樹の中に入り上を見上げると空が見えた。写真に収めて帰路に着く。 1時16分、無事帰宅。マロンの頭にダニが多数付いていた。 |
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