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奥多摩の長沢背稜中央に位置する「酉谷山」は何時か訪ねてみたいと思ってはいた。 …が、登山地図 (昭文社の「奥多摩」)には登山口へ続く小川谷林道は「一般車通行禁止」の注記があり、往復3時間40分も林道を歩かされるのが嫌で未だ登山候補の山に留まっていた。 このところ、少しずつ体力が戻ってきているので、「酉谷山」登山情報もHPで収集してみると、……2週間ほど前、小川谷林道を車で登山口まで入った記事を見つけた。これで一挙に次の山は「酉谷山」と決定。 昭文社の地図にはこの山は「酉谷山(黒ドッケ)」と立派な山名が付いているのに、国土地理院地図には何故かこのピークに山名が付けられていない。…・・???。 ◇所要時間: 4時間53分 |
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3時に妻に起こされ、先ずはマロンを車に入れる。車のケージに入れさえすればマロンは安心して静かにしている。おとーさんはそれから出発準備を整える。 |
3時20分、出発。夜空には僅かに星。 青梅街道から日原街道、小川谷林道へと進み、日原鍾乳洞前を通過。滝上谷あたりの路肩にブルドーザーがあったが稼動の様子はなく林道閉鎖は無さそうで一安心。 その先、砂利林道と簡易舗装路が交互に現れる。ガスが上がり始めた。 5時15分、駐車予定していた広場に到着。既に1台の4WD車が駐車していた。 |
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5時26分、標識に従い広場から北に向かう。山道は左下の小川谷に切れ落ちる急な山肌をトラバースするように付けられており、踏み外さないように気をつけながら進む。 5時47分、足場の悪い箇所に丸太に板を打ち付けた木橋。マロンが怖がって渡らないので抱いて通過。 |
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5時55分、三又に到着。 二つの沢が合流していた。木橋を渡り、雰囲気の良い滝谷に進みかけたら、進入禁止の看板。地図を見ると私たちの進路は酉谷沿いに北に向かっていた。いよいよ上りが始まる。 私は息を弾ませて登っているのにマロンは沢と山道の間を遊びながら上っている。マロンが白いものを咥えてきた。見ると鹿の頭骨の一部らしい。「ダメ!!」と捨てさせる。 |
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6時12分、沢が二筋に分かれている。道は左の沢沿い。その先に隙間のある丸木橋。マロンは自力で通過。 6時16分、沢から離れて山斜面を登る。山ツツジが朱色の花を見せてくれる。 6時23分、体が熱くなったので山道途中で5分ほど小休止。 6時32分、沢脇を上っている。沢筋に大木も生えている。このあたりは沢の水量が安定しているらしい。 |
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6時38分、木橋を渡る。沢が合流している。 6時41分、また沢が合流。左の沢沿いに登ると小滝。横を上る。 6時45分、二つ続いた丸木橋先に廃屋が見える。そこまで上ると「旧酉谷山小屋」の小看板。これを通過し、更に岩石ゴロゴロの山道を上る。雲は薄くなり、朝日が差し込んできた。 |
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7時3分、小休止。すでに沢に流水が無く、山の静けさの中に鳥の声。 沢筋に同じ種類の植物の群落が続いている。紫の花を付けており、毒草のハシリドコロかも。5分ほどで出発。ブナやシオジ(?)林の開けた窪地地形を上っていく。 やがて林床が枯れ笹に覆われ始めて前方の見通しが悪くなってきた。 7時35分、森の中、ゴロゴロと岩のころがる尾根筋を上り始めた。 |
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7時43分、森を抜け出ると南斜面の開けた場所に洒落た感じの「酉谷山避難小屋」。小屋前にはチョロチョロながら水場もある。小屋の中は整理されていて、日誌を見ると少人数ながらほぼ毎日のように利用者がある様子。10分ほど休んで出発。 7時56分、小屋上にある十字路の酉谷峠に上る。先ずは長沢背稜の尾根に上り上げて今日の目的地の酉谷山山頂を目指す。 尾根の北斜面には今にも咲き出しそうなツツジの群落。やがて前方にズングリした高まりが見えてきた。 |
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8時8分、「酉谷山」山頂に到着。1718.3m。 南面の木立が払われていて雲間に雲取山から鷹ノ巣山、六ッ石山へと続く石尾根が見える。赤飯ムスビを食べながら南に見える山を地図で確認しながら10分ほど休憩。 8時17分、山頂を後にして酉谷峠に戻り、長沢背稜で七跳山を目指す。南からガスが流れ込んできた。山道は長沢背稜の南面山腹を尾根沿いにほぼ水平に付けられていて歩きやすい。 |
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マロンに「来い !」「後へ !」の命令や犬笛で呼び返す訓練をしながら進む。流れるガスの切れ目に朝日を受けた谷底の新緑が望めた。ハッとする美しさ。 自然林の中の山道は落ち葉が堆積していて石も少なく、足に優しい。ハウチワカエデ(?)の林、続いて檜林の中を通過。 9時6分、尾根筋が山道に近づいてきた。地図の等高線図からすると前方の山は七跳山らしい。尾根の北斜面に白い花。大カメの木か?。上り斜面になってきた。 |
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9時15分、「七跳山」下の三分岐点に到着。長沢背稜筋を示す標識板は付いているが南へ下るルート標識がなくて…???。 あたりを見回すと鳥獣保護地区の立て札に小さなプレートが付いており「←ゴンバ尾根」の文字。 |
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少し先で山道は左斜面に下り始めたので、地図の七跳尾根コースに乗っていると判断でき、気楽に下山継続。 標高を下げるに従い、緑が濃くなり日も差し込んできた。ウグイスが鳴いている。檜林を下り、カラマツ林を下る。 遥か下方に林道が見えた。 |
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10時4分、やっと林道に下りきって、一息つく。マロンも林道に腹ばいして休んでいる。 10時19分、尾根を回り込んで車に戻る。車は相変わらず2台だけ。今日は誰にも出会わない山行だった。 13時、無事帰宅。 |
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