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前回の大霧山は歩行時間が短く、今年の山歩きを締めくくるには少々物足りなく、もう一山、登ろうということになった。大掃除疲れの妻を配慮し、近場で3時間程度との基準で対象を物色。

結果、相模湖近くの「権現山」に東からのコースで登ることにした。

 

 

◇所要時間: 3時間10

◇難度(マロンとして): 易+▼+++難

◇マロンの日記:  山道には破砕石や段差が少なく、歩きやすい山でした。
雨降山ではおとーさん達が南斜面で下山路を探している間に北斜面に下りて遊んでいたら、呼ばれても直ぐに戻れなくなり、マロンが迷子になったと慌てられました。

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5時少し前、満月と星空の下、家を出る。国道20号で相模湖脇を通過し、上野原の先で「野田方面→」標識に従い県道30号に入る。

バス停「和見入口」を右折し、和見集落を細い舗装路で通り抜けた先に「権現山登山口」「林道和見棚頭線終点」の標識を見つけた。別看板に「駐車場は2km先にあります」と書かれておりこれに従い、車を舗装林道に進める。

2kmほど上ると道路はゲートで通行止めされており、「冬季閉鎖中 平161220日より174月下旬まで」の表示。

仕方なく、ここから歩くことにして車は50mほど後ろの路肩に駐車。

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駐車横の斜面に山に入る階段があり、「危険 旧登山道」標識が立っていた。国土地理院地図に記載されているが昭文社地図に記載のない山道と判断でき、現在地が推測できた。

655分、ゲート横を抜けて舗装路を進む。3分ほど先で駐車場らしい大きな空き地横を通過。

73分、南に大きく張り出した尾根先端のカーブ地点に「雨降山 権現山→」標識を見つけ、この登山口より15段ほどの階段を上り、檜林に入る。

 

 

気温はマイナス2度。僅かながら霜柱も見られる。5分ほど先で「旧登山道→」分岐標識地点を通過。檜林の尾根はやがて南側だけ自然林に代わり、木の間越しに富士山が見え始めた。

 

735分、昭文社地図にある雨降山への直登ルートを上るつもりが、それらしい分岐ポイントに出合うことなく山道は山腹を巻き始めた。…???

雨降山へは帰路に立ち寄ることに計画変更し、この巻き道を進むと、左手の木立が取り払われて、重厚な扇山を前景にした富士山の好展望地が作られており、暫し冬富士を堪能。

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748分、「←権現山山頂 用竹→」標識の立つ、和見分岐に上りつく。傍らに洒落た「すみれの丘 53日頃」看板も立っていた。

ここで進路を西に変え、落葉しつくした林の尾根道を背後から朝日を浴びながら気持ちよく歩く。

 

8時、木立越し右前方に朝日を受けた権現山が姿を現した。

良い山容の山だ。

僅かなアップダウンを続けながら前進すると山道は杉林に入る。

815分、先行したマロンが杉林の岩上の古びたお社前で待っていた。

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石段を上って建物内に入ってみると正面に扉を閉めたお宮があった。手持ち地図には「大ムレ権現」と表記されているが、お宮脇の板壁には神社由緒沿革が記された板が掛かっており…

王勢籠神社由緒沿革
    祭神  日本武命(やまとたけるのみこと)
甲斐国誌には此の神 犬を使うこと七拾五匹 犬を頼めば盗賊火難を防守すると、近郷の農民達 犬を借りに名主の家に来て、札を請ひて帰れば、犬は必ず来て守ると言い、其の形は人の目に見えざるも来る日 きり米にて飼料を作り供え置けば、喰いつくすと記された社である。…宮司 鈴木正男敬白…・

 

と読めた。何はともあれ、私達は今年一年、ヤンチャマロンを含めて無事に山行が楽しめ有難うございましたと権現様に頭を下げる。お社後ろからは急斜面が山頂に向かっていた。

823分、「権現山 山梨百名山」山頂に到着。

気温は0度ながら無風、快晴。山頂周りに僅かな木立があるが、落葉を終えているのでほぼ360度の展望。富士山、扇山、三頭山、雲取山、飛竜山、御正体山等々、初冬の山々が見放題。

 

842分、往路で下山開始。

94分、「すみれの丘」に戻り、「雨降山」経由で下山するつもりで「用竹」方面へ進む。

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99分、電波塔設備のある「雨降山」に着き、「和見」への下山コースを探したが、どうしても見つからない。そのうちマロンの姿が見えないことに気付く。5分ほど大声で呼んだり、犬笛を鳴らしたりしていると北斜面の下の方から熊鈴の音がして馬鹿犬マロンが戻ってきた。呼ばれて戻った犬は褒めなければいけないと分かっていても心配させられたので頭の一つも叩きたくなる。

925分、「すみれの丘」地点に戻り、往路で下山継続。

10時、車に戻る。今日も登山者とは出遭わなかった。

12時、無事帰宅。

帰宅後、「権現山」の「権現」を角川 漢和中辞典で引いてみると…昔、神の尊号として用いたもの。わが国の神は、仏が権(かり)に日本に現れたものであるという本地垂迹の説による。と書かれており、本地垂迹とは…日本の神はインドの本地の仏が仮の姿となって出現したものとする説。と書かれていた。

更におやしろ名の「大ムレ権現」の「大ムレ」が何を意味するのかも気になり、「山名の不思議 谷有二:著」を開いてみると…ムレは古くは牟礼とも書かれ、盛り上がっているという意味…と書かれていた。また、 山梨県上野原町の奥に目をやると1312mの大勢籠山(おおむれさん)が目につく。しかしこれは江戸時代以来の古い文字遣いで何十年か前から、こんなややこしい字を使わずに大牟礼権現が祭られていたので、権現山になってしまっている。  とも書かれていた。

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