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秋が深まり、紅葉が低山に降りてきてテレビが榛名湖の紅葉風景を映す。

関越自動車道の渋川・伊香保ICあたりで西に見える凹凸の激しい山並みが「榛名山」とは知ってはいたが、遠方との印象があり日帰り登山対象には取り上げなかった。

が、前回の鼻曲山より近いことを知り、湖と紅葉風景を楽しもうと山行を決める。

 

人出が多そうな三連休の始まる前で天気の良い日をと木曜日の出発が決まる。

コースは外輪山ルートを歩き、終着点のヤセオネ峠から車に戻るには自転車利用を考えた。

 

所要時間: 3時間45

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318分、天気予報どおりの快晴。満天の星の下、家を出る。高崎ICで関越道を下り、市街を北に抜け、榛名湖目指して高度を上げる。カーラジオが「東京の日の出は6時」と放送していたが、榛名湖が見えるあたりで日の出。

先ずは「ヤセオネ峠」に車を回し、草むらに自転車を隠す。取って返して湖畔に戻り、舗装路が天神峠に分岐する手前の県営無料駐車場に車を停める(湖畔近くに無料駐車場は結構多い)

 

610分、湖畔沿いの舗装路を西に出発。100mほどで天神峠への分岐舗装路に進む。峠のバス停あたりから山道に入る予定だったが、200mほど先で「←関東ふれあいの道・遊歩道」標識が林に入る山道を表示しているのに気づきこれに従う。

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623分、尾根まで上ると「←氷室山0.3km ヤセオネ峠5.4km」「天神峠バス停 0.2km→」標識があった。気温は7度。氷室山への高度差100m程を丸太階段で上るうち、体は温まる。

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15分ほどで氷室山頂。次の天目山へは距離で0.8km、高度差で50mほど下り110mほど上り返すことになる。下りは木階段で始まる。左前方の榛名富士に朝日が差し込む。

641分、尾根筋の熊笹帯を上る。高度1200mあたりの木々は殆ど落葉しており、裸木越に北風が吹き込む。

658分、木の腰掛に囲まれた「天目山」に着く。朝日の差し込む山頂には「榛名山の鳥類」の解説板と「七曲峠0.6km ヤセオネ峠4.3km」標識がある。休まず七曲峠の高度差120mほどの下りに入る。

715分、「七曲峠」らしい車道を横切る。ここからは上り。野草はアザミが見られる程度。

 

730分、小ピークに上りきるが直ぐ木階段での長い下りに入る。前方に一段高く聳える相馬山が姿を見せた。このあたりは紅葉が残っていた。「ヤセオネ峠2.7km 松之沢峠0.3km」標識箇所で左折し林の中を下り上りしながら進む。

747分、車道にぶつかる。「松之沢峠」らしい。「[首都圏自然歩道] ヤセオネ2.5km スルス峠0.9km」標識に従い、車道を横切り、林の中を100mほど歩くと木階段の上りが始まる。

僅かな上りで見晴らしのある丘の上に立つ。快晴の空の下、榛名富士と榛名湖を眺めながら一休み。

少し先の「榛名山の歴史」の解説板には

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 榛名山は10万年前から爆発を繰り返し、4万年前に天狗山が外輪山となりました。相馬山の北から南にかけて大噴火の跡が残っていますが、相馬山や榛名富士が生まれたのは1万1千年前とされています (以下略)。   と記されていた。

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前方に相馬山が近づく。

山道に一面にヤマボウシの実が散っていた。木を揺すって落果を味わう。熟したヨーグルトの味。

木階段を下り進むと前方にずんぐりした奇妙な形の大岩が現れた。

817分、岩に近づくと「スルス岩」の名称板。その先のあずまや横の「磨墨峠(するすとうげ)」の解説板には

(前文略) 磨墨峠の「するす」は籾や粉をひく「臼」のことで磨墨は当て字、峠の特徴的な岩の形から「するす岩」、その岩のあるところから「磨墨峠」と名づけられました。環境庁・群馬県   と書かれている。

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828分、「相満山」の額の掛かった鳥居を通過。相馬山への高度差250mの上りが始まる。先ずは緩やかな石階段。道脇に山菊が咲いていた。

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837分、「相馬山」の赤鳥居通過。ここが「ヤセオネ峠」との分岐点。

いよいよ岩が積み重なる急坂が始まる。昔から霊山として登られたとのことで石碑、石社が多い。傾斜がきつい箇所には鉄梯子や鎖が付けられている。

850分、山頂が近いかと上を見上げると「あと10分」の看板が待っていた。やがて傾斜が緩み、潅木の中を進む。

 

 

93分、「相馬山 (1411m)」山頂に到着。

山頂の岩盤に石像、石碑が南を向いて並んでいる。南方に展望が開け、関東平野の先に富士山が浮かぶ。

恒例の記念写真を撮ろうと山頂標識を探したが、手書き看板しかない。信仰の山に山頂標識は似合わないから??

石像群前に立つ「黒髪山神社」解説板には

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 (前文略)勧請の年月日は不詳ですが、高崎・前橋方面を始め、遠く関東平野の村々より榛名山を望む時、厳然として屹立した第二峰相馬岳、ここより立ち昇る黒雲は忽ちにして雷鳴を発し、慈雨を下し、豊かな稔りを約束してくれる闇(クラ)オカミノ神(水神=竜神)の住まわれる処の信仰以下略「黒髪」はこの御神名が訛ったものらしいとのこと。

周りに見える山を同定しようと磁石で方位を調べようとしたら、磁針の動きがおかしい。前回の山行で磁針は電池に影響されるのを知ったので今回はこれを避けたが、磁針は石灯籠の台座の岩に引かれるような動きだった。少し離れればこの影響はなくなったが、何となく霊山の気配????

924分、往路で下山開始。私たちはスムースに下れたが、この狭い尾根コースでの登山者の交差はさぞ大変だろうと思われた。

941分、「ヤセオネ峠」への分岐に戻る。ここからは笹を下草にした林の中の緩やかな下り道。

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955分、終着点の「ヤセオネ峠」の車道に出る。

妻とザックは「ヤセオネ峠」に残し、待機させておいたママチャリで標高差80mほどを快適に下って車を停めた駐車場へ急ぐ。7分で駐車場に行き、4分でヤセオネ峠に戻れた。

帰路は渋川・伊香保ICに向かい下る。下山する車は僅かだが、対向車は数珠つなぎで上ってくる。下るに従い紅葉が鮮やか。

渋滞にも出遭わず125分、無事帰宅。マロンはデッキで昼寝していた。

  相馬山へ