16年前、「飯豊山」で尾根歩きの心地よさを堪能し、いつか再訪したいと思ったが、その後、犬を家族に迎えたので実行は不可になったと考えていた。・・が、図書館で見つけた「四季の花を楽しむ100山(実業之日本社)」で、・・・ 飯豊連峰の最高峰の大日岳の尾根の末端近くに、なおも膨大な山容を誇っている「蒜場山」に近年登山道が開設され・春には・・花々が登山道に満ち溢れ・・真っ白なシラネアオイ・・山頂は・・大展望・・(以下略) との記事を見つけ、「飯豊山の代わりに」と妻に話すと、「どうせ1泊するならもう1山を」との返事。・・・で、2日目は以前から目を付けていた「浅草岳」に立ち寄る計画を纏め、梅雨期の中、2日続きの好天予報の出された火曜日の出発を決めた。 |
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◇所要時間: 9時間28分 |
1時、出発。首都高と環八経由で関越道を北上し、北陸道、日本海東北道と乗り継ぎ、新潟のSAでマロンに朝食を与え、5時8分、聖籠新発田ICを降りる。県道14で新発田市を通過し、約20km先の内の倉湖の西で県道335に左折。 |
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途中にあるゲートは「今年は6月2日に開錠された。」との追記事をあるHPで読んでいたので心配せずに駐車場を目指し進むと、ダム湖手前3.4kmの舗装路がゲート閉鎖され、「この先積雪のため、全面通行止めにします。」看板があり、傍らの空き地に無人の先着車が1台。 はるばる遠征してきたからには、ここから歩くしかないと覚悟を決め、出発準備。気温は14度で快晴。 |
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5時57分、舗装林道にスタートすると道路脇の木の枝を揺らし、猿が警戒の啼き声を立てたが、マロンは落ち着いていた。道脇にノリウツギとフジの花が咲いていた。雪崩除けトンネルを3つほど通過。 6時21分、飯豊橋で加治川の左岸に渡ると1kmほど先にダムが見え、遥か前方に「蒜場山」らしい山が見えた。 |
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6時44分、「加治川治水ダム」管理棟前に着く。 180mほどのダムを渡りきった地点の「蒜場山登山道・米平新道」標柱地点で体勢を整え、登山開始し、段差の大きい急坂を登る。タニウツギが紅花を見せる。高度を80mほど上げると道脇にイワカガミらしい若葉が増えた。 羽虫が飛び始めたので皆で防虫対策。マロンにも背当てシートを付け、忌避剤ジュエルをたっぷり塗ってやる。新緑を味わいながら気持ち良く登る。 |
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7時23分、標高500mあたりまで上ると展望が利くようになり、左下にダム湖、前方に「蒜場山」が望めた。痩せた露岩帯を通過し、杉林をアップダウンしながら進む。 ミズナラ混じりの森を進むと前方から蝉の声。標高600mあたりから勾配が減り、楽になる。木立越しの西に「俎倉山」らしい岩山が望めた。 標高700mあたりは新緑のブナ林を緩く上る。 |
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7時57分、小さなコブの標高734mポイントの「独標」で小休止してバナナでエネルギー補給。 先に進むと道脇には今が盛りとイワカガミが多くの花を見せる。 展望の利く飯豊山の尾根歩きをイメージしての遠征だったが、今の所は森林歩きが主。 |
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8時43分、スギの古木の立つ「岩岳」に着いた。涼風が気持ち良い。 東への尾根先にどっしりした「蒜場山」が聳え、尾根途中に烏帽子岩のピークが立ち上がって見える。小休止後、東のブナ林へ緩く下り始めると、破砕石が増えて森と山の雰囲気が変わった。 ナナカマド、ヤマツツジが花を見せ、林床にはイワウチワも咲いていた。多種の花が同時に見ることが出来、さすが雪国の山だと感心。 |
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8時54分、進路を南東に変えると、前方に「烏帽子岩」のピークが高まりを見せ始めた。一段下ったブナの林床に残雪。ブナやミズナラ、スギの大木の森を進む。 9時1分、尾根途中の小ピークに登るとシャクナゲが咲いていた。僅か下り、破砕石混じりの林を登るにつれ、「烏帽子岩」が見上げるように聳えてきた。 露岩の幅狭岩稜帯を先行マロンに引かれて登る。 |
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9時34分、「烏帽子岩」の7mの鎖場前に着き、状況視察。鎖場は右に回り込めばマロンにも対応可と見て、マロンに「上!!」と指示すると一息に駆け上がった。 マロンに追従しかけると上で人の声。崖上では降りてきた先行登山者がマロンに声をかけていた。この登山者に先の様子を尋ねると、「コースに雪は無く、花は盛期」とのこと。「烏帽子岩」山頂でムスビを食べながら、景観を楽しむ。 道脇にコケモモ、ウラジロヨウラク、ナナカマドが花を見せた。 |
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9時54分、次の「鎖の岩場」前に到着。何人かのHP写真を見て、マロンは岩の左縁を登らせ、躊躇するようだったら背負子で背負いあげようと考えてきたが・・・・ ・・突然、マロンが正面突破を敢行。途中で一寸モタツキを見せたが自力で登りきってしまった。私たちは鎖に頼り上る。 新緑のブナ林を上っていくとサイコクミツバツツジ、イワカガミ、タムシバ、ショウジョウバカマ、カタクリ、イワウチワと野草の花のオンパレード。カメラに収めながら上っていく。 |
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北に二王子岳が姿を見せた。残雪脇に「シラネアオイ」が花を見せ、ツバメオモトも増えてきた。アップダウンを繰り返しながら上っていく。 10時51分、「山伏ノ峰」を前にして小休止。鉢巻を絞ると汗が滴る。黄色の花が2種。一つはオオバキスミレらしいが、もう1種は??。 |
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10時57分、「山伏ノ峰」に着く。山頂は400m先に穏やかな山体を見せている。雪渓を越してくる風が涼しい。前方に姿を現した残雪の飯豊山塊が大きい。 ガイド書に突然変異種と書かれていた真っ白の「シラネアオイ」を見つけ、カメラに収める。ツバメオモト、延齢草、シャクナゲが咲き、残雪脇にシラネアオイが増えた。 マロンは崖縁に残雪を見つけ、平気で腹這い。やっと最後の上り開始。 |
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11時14分、三等三角点の「蒜場山1363m」に到着。 360度の大展望が得られ、東に大日岳を中心に左に北股岳が見えたが、飯豊本山は大日岳に隠されていた。残雪のためか、どの山も見映えがする。 ムスビを食べながら展望を楽しむ。 |
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11時27分、下山開始。 帰りは雪渓を吹き抜けてくる風を正面で受けるので爽やか。飲み水が減ったので、雪渓の雪を補充。 叢に顔を突っ込んだマロンが突然、跳ね上がった。危うくマロンが日向ぼっこ中の蛇に噛まれる所だった。 11時40分、「山伏ノ峰」を通過。 |
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12時25分、鎖場の「岩場」。マロンは躊躇を見せず、先頭で飛び降り通過。随分と山犬度が向上。 12時33分、「烏帽子岩」に登り、鎖場は迂回して降りる。大杉の林で啼く猿を大声で追い払い、最後の雪渓で雪を食べる。 13時25分、「岩岳」に戻り、小休止して下山続行。10分ほどで「独標」を通過し、大きなブナの下で小休止して体を冷やし、下山続行。 |
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14時31分、「登山口」へ降り、ダム管理棟横に戻る。水筒が空になったので、公園駐車場の売店らしい建物に自販機があると見込んで、私が買いに出向いたが、建物は完全、閉鎖されていた。 14時44分、ダム横に戻り、舗装路を下る。帰りは太陽が真上から差し込み、暑い。 15時25分、車に戻る。結構、疲れた。 車は6台に増え、土地の人たちが山菜を採取していた。 |
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翌日の「浅草岳」目指し、車で山を下りて途中のコンビニで食糧を調達し、国道290、252を使って18時26分、「入広瀬・道の駅」に着き、車内を車泊仕様に変更の上、夕食を済ませて早々に寝袋に入る。 幸い、蚊は出ず、暑がりマロンのために、ドアを開けて風を入れながら寝られて良かった。 |
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「蒜場山で出会った花々」 |
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ミツバオオレンとオオバキスミレ |
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サラサドウダン |
ツクバネソウ |