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今年もアカヤシオを眺めたくなり、栃木や群馬県のツツジ情報をネット検索したが、なかなか最近情報が入手できず3年前のこの時期、「根本山」山行時に立ち寄って各種ツツジの競演が見られた「熊鷹山」を訪ねてみることにした。 たまには今話題の「高速道料金一律1000円制度」も活用しようと、今回はあえて土曜日の出発を決める。 ◇所要時間: 3時間55分 |
2時20分、出発。稲城大橋から中央高速に乗り、首都高経由で佐野・藤岡ICを下りる頃(4時)には早くも東の空が明け始めた。県道9号から県道201号に移り北上。作原町を通過し、小さな鳥居先にある小戸川沿いのカーナビに道路標示されない1車線幅の未舗装林道で更に山の中へ北上。高度500mあたりまで上り、砂利林道が左に急カーブする地点の砂防堤前の空き地に先着車を見つけ駐車。 |
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この登山口の「根本沢・作原 自然環境保全地域」看板には 「・・この環境保全地域には・・ブナ・ミズナラ等の天然性広葉樹林で所々にアカヤシオやシロヤシオ、サラサドウダンの群落もあり、・・中略・・また、クマタカやヤマネなどの貴重な野生生物が生息しています。」 と書かれており、山名の由来が判明。空に薄雲が懸かつているが風は無く、気温は11度で山歩きには好コンデション。 4時56分、「←くまたか山」標識に従い、小戸川に沿って山に向かう。 |
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水量豊富な沢脇にはウツギやミズに似た野草が白花を見せた。5分ほど先では「まな板の滝」看板横に小滝。沢横の崖を抉ったように付けられた幅狭道を通過し、「五段の滝」、「仙の滝」と名付けられた小滝脇も通過。 「11本杉」の名板先には一抱えほどの大杉が山道沿いに11本が寄り添って並んでいた。 5時19分、左に分岐する尾根筋の山道に「←いちろう新道」の標識。今日はこの道で戻ってくる予定。 |
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相変わらず、沢沿いに上って「小坂の一の滝」横通過。いずれも小滝でチラリと眺めて通過。上空が明るくなり新緑に囲まれ登るのは気持ちが良い。またワサビ田横を通過。 5時27分、「小坂の滝」横を通過。対岸から合流してくる沢にもワサビ田。山斜面にヤマツツジが咲いていた。2本の大杉の「夫婦杉」脇を通過し、更に沢沿いに上る。 沢の中洲に素直に伸びたシオジの樹が数本。以前、丹沢の酉谷山の沢筋でもこの樹林に出合ったが、水を好む樹種らしい。 |
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5時53分、流水の沢を離れ、右の涸れ沢沿いに山腹を上る。周りは新緑ばかりでピンク色は見当たらない。 歩き始めて1時間、涸れ沢横で小休止してマロンに水スプレーしてやる。コースの窪地地形を登っていくと膝程度の丈の笹が増えてきた。 新緑の中に「ミツバツツジ」が僅かに残花を見せた。周りに注意しながら登っていくと紫紅色のツツジ。雄しべを数えると長短で10本あり、ムラサキヤシオという種類かも。 |
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6時37分、尾根に登り着くと「熊鷹山」と「丸岩岳」との分岐。朽ち始めた鳥居を潜り、薄雲越しの朝日に向かい東の山頂を目指す。 途中、待望のアカヤシオに対面。1本だけの小木だが、綺麗な淡紅色の花を見せてくれた。喜び写真に収める。 |
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6時43分、二等三角点と木造の展望台の立つ「熊鷹山 1169m」に到着。 展望台周りには紅紫色の「ミツバツツジ」、赤紫色の「ムラサキヤシオ」が美しく咲き、朱色の「ヤマツツジ」はいまだ蕾。 「シロヤシオ」の小木は僅か1輪だけの花を見せた。 タイミング良く、薄日が差しこみ始め、周りの新緑の中にツツジの色彩が映える。 |
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北には日光の男体山、女峰山、白根山が特徴ある姿を見せ、南東遥か先の霞の上には双児峰の「筑波山」が浮かんで見えた。バナナを食べながら展望を楽しむ。 6時58分、期待のアカヤシオも見られたことに満足し、次の「丸岩岳」を目指す。5分ほどで三分岐へ下り、「丸岩岳・野峰→」標識に従い尾根を南に進む。 |
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尾根のミズナラ、リョウブ、モミジ等に混じる潅木は殆どヤマツツジらしいが、新緑の若葉ばかりで蕾や花は全然見当たらない。 7時24分、1084mの小ピークを通過し、アップダウンしながら「丸岩岳」へ向かう。 7時40分、「丸岩岳1127m」到着。木立に囲まれ展望は得られなかった。 |
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7時44分、ムスビでエネルギー補給して、「いちろう新道」で東に下山開始。150mほど先の三分岐は「←小戸川」標識に従い、東斜面に下る。 前日は雨らしく、ぬかった急斜面をマロンを後ろに従えて慎重に下る。この東斜面にはヤマツツジがチラホラ。 8時、お皿地形の笹原のピークで進路を北に代え、相変わらずの笹原を下る。林床の笹が消えたあたりで同年輩の登山者が上ってきた。挨拶すると山慣れした地元の人で、「この熊鷹山のアカヤシオは先週がピーク」だったと話す。「この地方でまだアカヤシオを見られる山は?」と尋ねると「月山」と「横根山」を教えてくれた。 |
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歩き易くなった尾根筋を好調に下っていくと尾根の大木にピンクテープ。マロンに引かれてその脇を抜け、更に尾根先に進むと眼前に岩稜の小ピーク。用心のため、マロンをフリーにし、岩間をすり抜けると崖上に出た。急斜面の下からは沢音。この下が往路だ、と崖下を覗き込んで辿れそうなコースを探す。フリーのマロンも崖下を覗いた途端、危険を感じたらしく後ろの高みに逃げて呼んでも近づいてこない。 念のため、GPSを見たら予定コースは100mほど戻ったあたりで南斜面を下っていた。無理は禁物と往路を戻る。 |
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8時22分、ピンクテープの巻かれた大木まで戻ると、南斜面下へ虎縞ロープが張られていた。先ほどは木の陰にあったこの虎縞ロープは目に入らなかった。 破砕石でザレた山腹を下る。落ち葉の下を流れる僅かな流水を見つけてマロンは腹ばいになり体を冷やして・・・泥犬に変身。 |
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8時31分、沢横まで下って、朝の往路に合流。 「11本杉」の沢横で小休止して流水の沢でマロンを洗う。下山を再開すると3パーティと交差。 8時51分、車に戻る。車は7台に増えていた。 11時25分、無事帰宅。 |
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