久しぶりに丹沢のツツジを見たくなり、「檜洞丸」を北からのルートで訪ねることにした。

◇所要時間: 6時間19
◇難度(マロンとして): 易+++▼+難
◇マロンの日記:
 道路閉鎖で、目指す山が突然、「大室山」に代わりました。後になって判りましたが、登った高さは1150mほどで上り甲斐のあるコースでした。

 

310分、星空の下、家を出る。橋本経由で道志の道(国道413)に進み、「神ノ川入口」標識箇所から「神ノ川林道」に入り、「神ノ川キャンプ場」を通過。

その先の路肩で「鐘撞山登山口」標識を見かけ、一昔以上前、「神ノ川キャンプ場から鐘撞山経由で大室山」へ単独行したのを思い出し妻に話す。現在の地図には点線ながら山道表示もされ、現地に標識も設置されていたので、十年一昔の感を深くした。

 

436分、駐車予定地の日陰沢橋まで残り1kmあたりまで進むと、「林道情報 台風9号で道路××・・一般車両の通行禁止・・」看板があり、林道がゲートと柵で閉鎖されていて唖然。

「今日の檜洞丸山行は日陰沢橋から標高差1000m以上、歩行も6時間を要する。これに往復2km、林道歩きを追加するのはキツそうだから今日は諦めて帰ろうか」と妻に言うと、地図を見ていた妻は「鐘撞山経由で大室山へ」登るのはどうかと言いだした。

丹沢の新地図(下図)では、そのコースの所要時間は5時間 40分。先ほど「登山口標識」も見ていたので、「ならば・・」と今日の目的地を急遽、「大室山」に変更し、先ほどの「鐘撞山登山口」標識地点に車を戻す。

 

53分、橋袂の「鐘撞山・登山口」標識横に車を置き、コンクリート階段で出発。

尾根先端に取り付き、檜林の急斜面を九十九折で上る。山道は新しく、あまり踏まれていないのか脆く崩れ易い。15分ほど登り、朝日が差し込む地点で水飲み休憩。林床にはフタリシズカや松風草が見られた。

527分、沢筋を横切り、東の尾根に移り上る。2分ほど先で、また沢を東に渡る・・?。 「鐘撞山へ直登」のつもりが、道は下り気味になり・??、 進行方向が東に向いた・・???

突然の計画変更のため、コースの国土地理院地図の手持ちは無く、疑問に苛まれながらも道なりに進む。

 

537分、尾根筋に上りつき、「←鐘撞山・大室山 キャンプ場・神ノ川→」標識に従い、檜林の尾根道を登る。

余分な動きが多く、息の激しいマロンが伏せして休んだので水飲み休憩し、マロンに水スプレー。遠くで鹿が鳴く。

61分、尾根幅が広がったあたりで小休止。あたりを見回すとキノコと銀竜草が目に留まる。

 

618分、「鐘撞山 900.2m」標識と「鐘」、「鐘撞山・奥の院の由来」看板の立つ山頂に着く。

ザックを下ろして地図をよく見ると、車を置いた林道から「鐘撞山」への直登コースを採ったつもりが、「折花橋・登山口」からのコースを登ったのが判明し疑問は解消。・・ならば、帰路はこの山頂からの直降コースで下ろうと「下り口」を探し、標識は無いが南に下る丸太階段の道を見つけた。

 

626分、鐘撞山を下って先に進む。すぐに自然林の中の上りが始まった。

638分、右へ直角に方向を変える辺りに「大室山・至る 約2時間→」標識。水飲み休憩しながら振り返ると朝日の下に「鐘撞山」がシルエットで尖って見えた。「危険」看板の立つザレそうな沢筋脇を九十九折で上る。

655分、尾根先端を九十九折で登る。林床は背丈ほどの笹。自然林を抜け、強い朝日に晒されながら急斜面を50mほど上りまた森に入り登る。

 

76分、杉林を上る。マロンの息は常に荒く、私たちと同じペースで歩くのをなんとか教えたいのだが・・・。西斜面に回りこんで水飲み休憩。尾根筋に上りつくと少し歩きやすくなり、自然林と檜林の間を上る。

右は大小のブナ林で一抱え以上の大木も混じる。山道に「アミガサ茸」。林床にトリカブトが増えてきた。その先のブナ林にはバイケイソウが見られた。

 

737分、昔の単独行時、下山に使った三分岐点に着く。

標識は当時の「←日蔭沢」から「←神ノ川ヒュッテ」と代わり、周りの杉林も手入れされて明るくなっていた。

当時、ヒュッテに下る山道は悪くなかった記憶があるので、今日はここから下山することに決め、バナナを食べながら一休み。

 

748分、バイケイソウの群生地を通過。良い雰囲気のブナの自然林を横に見ながら息を弾ませ登る。

南斜面の崩壊箇所の上に立つと南に好展望。大簪(オオコウゲ)の後ろに「檜洞丸」の山頂が覗き、左に「蛭ヶ岳」が形良く聳えて見えた。

先に進むと南面にカヤト。12年前に歩いた記憶が蘇える。

 

89分、傾斜が緩み、檜林と自然林の間を上る。朝日が強いので日陰を探して上っていく。

新緑の南斜面にツツジのピンク色がチラホラ見える。

やがて道脇にも花が見られるようになり、調べると東国三つ葉ツツジ。

 

820分、南斜面の崖上の狭い道をマロンを後ろに従え、保護ロープ沿いに注意しながら通過。

カラマツの新緑、ツツジの紫紅色、空の青さ、林床のトリカブトの若草色、上りの苦労が報われた感じ。

鹿柵前に上りついて、右に回りこんで自然林を進む。林床は一面のバイケイソウ。緩い上りで山頂を目指す。

 

835分、10m四方ほどの小広場に「山梨百名山」標柱の立つ「大室山 1587m」に到着。

山頂の桜はピンクの小花を散らし、木立のツツジは紫紅色の蕾を見せた。

青空に新緑のモミジが美しい。ムスビを食べながら休む。

 

854分、下山開始。「鐘撞山→」へのコースはマイナーらしく文字が消えた標識が方向を指示しているだけ。バイケイソウ群落に隠れされハッキリしない踏み跡を探し、鹿柵に沿って注意して下る。

 

931分、「神ノ川ヒュッテ」への分岐に着き、これを下る。昔、下った道だが、まばらな檜林や背丈の低い林床の草など、明るいコースに変わっていた。良く踏まれた山道を下る。

951分、檜林に入り、九十九折で下る。同年輩の夫婦登山者がダブルストックで上ってきて交差。これで、例の道路閉鎖地点と神ノ川ヒュッテ間は人の通行は可能だと分かり、一安心。

危険」看板が立つ杉林の中の破砕石のザレ帯を九十九折で下る。10分ほどでこれを通過し、隣の尾根に移り小休止。

 

1040分、流水の沢横に出て、この地点で合流する二つの沢を丸太組橋で渡り、砂利林道に出た。
(
逆行者にはこの分岐点が見付け難くい。ヒュッテから100mほど上ったら右沢に要注意。)

路肩に「神ノ川〜犬超路間(暫くの間) 通行止め」看板が見られた。

無人の「神ノ川ヒュッテ」横を下り、「日陰沢橋」脇を通過。マロンをフリーにして舗装林道を下る。

途中、「道路補修工事期間は720日まで」の看板、更に下ると「壊れた砂防堤修復工事 620日まで」の看板が見られ、横の河原で工事中。その先の林道では「電設工事」が進行中。

林道横に流水の沢を見つけ、マロンを水に入れて体を冷やしてやる。

1122分、車に戻る。

15分、計画外の山行になったが無事に帰宅。

 

当日のGPS軌跡

当日の標高データ