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20日ほど前に「雪頭ヶ岳」経由で「鬼ヶ岳」に登ったとき、東隣の山の名が「節刀ヶ岳」で、同発音の山であることに気づく。

「セットー」という言葉に何か共通点でもあるのかと気になり、いつか登ってみようかと妻と話したのだが、明日金曜日は好天で風も穏やかという天気予報に「節刀ヶ岳」を訪ねることにした。

なお、昭文社地図では「十二ヶ岳」と「金山」間ルートが点線表記、国土地理院の1/25000地図でもルートが荒れた地形を通過しているので無理なら途中で撤退することも考慮に入れる。

   所要時間: 5時間48

 

430分、満月に見守られながら出発。いつものように途中のコンビニで朝食と昼食を購入。

相模湖ICから中央高速を使い車内でムスビの朝食。大月ICで下り、あとは一般道で河口湖経由、西湖に向かう。

西湖のほとり「桑留尾」バス停脇のレイクサイド・オートキャンプ場手前の空き地に駐車。

 

647分、「十二ヶ岳登山道入口・旧根場通学路」の標識に従い、山に入ると直ぐに赤松林の中の直登が始まる。

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77分、「文化洞トンネル」への分岐点を通過。標高で200mほど登ったことになり速いペース。

720分、少し斜度が緩んだ登山道に雪が残っている。緩やかな尾根筋を登りながら振り返ると雪量が増え迫力が増した富士山の手前に河口湖が見え始めた。

738分、水のない沢を渡って右手の尾根に移ると残雪が多い。山道は暗いツガ林の中に入るとルートがはっきりしない。色あせた黄色テープを頼りに窪地地形を辿り登る。

753分、ツガ林を抜け出て明るい尾根筋を登る。気温はマイナス2度だが無風なので快適。急登が続く。

平坦地形に立つ道標の現地名が「地蔵」。雪の林の中に地蔵を見つけ小休止。木の間越に雪の南アルプスが見えるようになり、正面には十二ヶ岳が屹立している。雪の上に獣の足跡。

 

先を歩く妻が突然、「イノシシ!」と立ち止まる。50mほど離れて太った獣がこちらを凝視。頭と尻が汚れた灰色で体が黒いカモシカだった。急登が続く。

825分、岩場の急坂を登る。振り返ると富士の裾野に山中湖が光って見える。河口湖より随分標高が高いようだ。大岩を巻いて登る急斜面は張られているロープを頼って登る。その先でもまたロープ箇所。雪が凍りかけていて厳しい上りが続く。

845分、「毛無山」との分岐に登りつき、平坦な尾根を進む。残雪量が多くなる。

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848分、「十二ヶ岳・山梨百名山」標識の立つ山頂に到着。

岩の山頂には2つの小祠。先ずは無事登頂感謝で参拝。眼下の西湖を前景にして、朝日に輝く富士山が山頂あたりから雪煙を上げている。

バナナでエネルギー補給しながら静かで穏やか、雄大な景色を楽しむ。

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これから向かう「金山」と「節刀ヶ岳」は山頂北側の潅木に遮られてはっきり見えない。いよいよ北斜面に入るのでアイゼンを付ける。

9時、「鬼ヶ岳60分」標識に従い「十二ヶ岳」山頂を後にして先ずは「金山」を目指す。岩を乗り越すとすぐに雪の付いた崖の上に出る。

斜度50度ほどの岩場を15mほど下ることになる。数本の太いロープや潅木に助けられながら雪をつけた崖を何とか無事下りきる。結構、緊張させられた。

 

この先も結構、難路で雪を踏みしめて岩の痩尾根を辿ると次はロープと鉄はしごの上り。更に痩尾根の上り下りを繰り返す。

やっと雪に覆われた平坦な尾根筋を歩けるようになり、空腹を感じてコンビニ弁当を半食。

木の間越しに「節刀ヶ岳」の山頂がはっきりと眺められる。

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955分、「←鍵掛峠 節刀ヶ岳→」標識の立つ「金山」に到着。

「十二ヶ岳」から予想外に時間が掛かったので(地図表示30分に対し55)休まずに「節刀ヶ岳」に向かう。雪道に続く踏み跡を辿って緩やかに登る。

107分、陽のあたる雪の丘に「←節刀ヶ岳」標識が尾根ルートから直角方向を指示。

1013分、「節刀ヶ岳・山梨百名山」山頂に到着。

眼前に富士山、左手に河口湖、その手前に十二ヶ岳の12(?)の連山。西には鬼ヶ岳、毛無山、その先に雪の南アルプス。

 

 

東は黒岳、御坂山、三つ峠とこれまでに登った山々が続いている。

風がなく青空の下、珍しいほどの眺望を楽しみながらコンビニ弁当の残りで昼食。

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1033分、大展望を十分楽しみ、往路を使って下山開始。往路で緊張を強いられた崖は力ずくで登りきる。

1120分、十二ヶ岳で小休止し、下山継続。十二ヶ岳の先で同年輩の5人連れ登山者と交差。気温が上がり、雪の表面がザラメ状になってきたのでアイゼンを外す。

1235分、車に戻る。

「節刀ヶ岳」の名前に惹かれて登ってみたが、「雪頭ヶ岳」との共通点は尾根筋からチョット外れた見晴らしの良いピークという程度で、「セットー」の意味らしいものは見つけられなかった。

315分、交通渋滞に巻き込まれながらも無事帰宅。

帰宅後、思いついて、以前 練馬のE氏から教わって購入した「山名の不思議: 谷有二著」を取り出して読み直すと

春先にピーチクパーチク囀るホオジロのことを「セットウ」などと呼ぶので、御坂山塊の節刀ヶ岳(一部略)「ホオジロの多い山」の意味ではないかと言われている。との文面を見つけることができた。

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