近場で犬連れで上れそうな山は・・と手持ち地図を熱心に調べていた妻がマロンのために見つけた山は奥多摩湖近くの「丹波天平」。
山頂への道が地図では点線表示なのでインターネットで登山記録を調べると数件がヒット。・・・で、水曜日の出発を決める。

◇所要時間: 4時間45
◇難度(マロンとして): 易+++▼+難
◇マロンの日記:
 上りは少しキツメの坂ですが歩きやすい道でした。山の上は公園を歩くよう。峠からの下り始めはキツイ箇所もありました。

 

38分、出発。久しぶりに青梅街道を西に走る。奥多摩湖を通過しながら夜空を見上げると全天に星。5時半、丹波山村に到着。未だ夜が明けないので車で登山口と駐車場を探す。

登山口はどなたかのHP記載通り「丹波小学校」敷地の東北角に「熊侵入防止扉」を見つけ、表示は無いが「天平への登山口」と推測。
駐車場は昭文社地図記載場所方向を探したが見つけられず、仕方なく橋先の建物 (役場?)前の数台の車の横に駐車。気温は9度。

 

(下山して車に戻る際、橋の左下に駐車場を見つけた。この駐車場へは橋を渡って最初の細い左折路を下り、数台の駐車可能地先を左折すると入場可でした。)

 

545分、歩ける明るさになったので丹波川を渡り、青梅街道を西に50mほど進み「丹波小学校」へ右折。

小学校敷地を左回りで上り、「熊出没注意」看板が掛けられた鉄柵扉を通過して山斜面を右に登る。キツ目の勾配の山道を20分ほど登ると暑くなってシャツ一枚になる。回りは杉林。

少し上ると山道脇に50m位の間隔で金属パイプ柱が立ち、電線が山上に向かっていた。このシーズンは熊出没ニュースが多いのでマロンの熊鈴にプラスして妻の杖にも鈴を付け、更に金属電柱をステッキで叩きながら登っていく。

 

617分、杉林を抜け出て尾根に登るかと思ったら又山斜面に戻される。これを繰り返しながら登っていく。

625分、杉林を通過して山腹を東に回りこむと朝日が入り始めた。杉林に下草がなく見通しが利くのでマロンをフリーにする。

山に入って40分位の地点で道脇に小さな「丹波天平」の標識を見つけた。これが出発後に見た最初の標識。

 

山道に獣のほじった跡や山腹に獣の踏み跡が伸びていてマロンが気にするので都度、大声でセーブしていたが・・・一寸気を許したすきにマロンが右の自然林上に姿を消した。暫く待っていたら上から「ワン!」の一声。大声で呼ぶとやがて息を切らして駆け下りてきた。獣との遭遇があったのだろうか??。マロンに水を与えるとがぶ飲み。

647分、杉林の中の間伐跡を通過し山腹右に上がっていく。ここでも尾根筋に近づいては山腹に折り返すことを繰り返しながら高度を上げていく。

 

654分、赤松帯を通過しやっと尾根に上りついた。その先で尾根筋を辿るのか尾根を越して東の山腹に進むのか迷う。国土地理院地図でそれらしいポイントを見つけ、山腹ルートに進む。自然林で気持ちよく登れる。キノコも少し見られた。

72分、山道に栗のイガが沢山散乱しているが実は全然残っておらずドングリなどの木の実も全然見当たらない。山に入ってからのマロンの挙動や土の返し跡、獣の踏み跡などからこの山に獣の生息を感じる。

九十九折で登っていくうち、赤松混じりの雑木林がまばらになり太陽の光が林床まで入り始めた。ミズナラ、コナラ、ダンコウバイの葉が黄色に色づいている。前方20mほど先の枯れた草叢から大きい鳥が3羽飛び出して森に消えた。マロンは行方を目だけで追った。

 

715分、緩やかな尾根筋に上り着くと広い尾根筋と尾根越しの北の山腹へ2ルートがあるように見える。昭文社地図には尾根筋ルートが表示され、国土地理院地図は北ルートしか記載されていない。地図で現在地点がほぼ読み取れたので尾根筋に進む。

どの方向にでも歩ける広い尾根の紅葉した林は見通しが100mくらい利く。良い折なので普段、視界外のマロンがトランシーバにどんな反応をするのか試してみることにした。

マロンが遠く離れたのでトランシーバに「マロン・コイ!!」と呼びかけると確かに聞こえた反応はしたが、匂いを嗅ぎまわる行動は止めることなく、それでも徐々に戻り始めて、40m程に近づいてから、いかにも呼ばれた瞬間から全力疾走してきましたというような顔をして走り寄ってきた。マロンの頭の中は「おとーさんの命令」<「獣の臭い」らしい。

 

734分、優しくうねった地形に落葉樹が適度に生え揃っていて気持ちの良い地形を歩いていると何となく天平(でんでいろ)という地名が良い山名に思えてきた。

739分、立ち木の無い広場に抜け出るとその一角に三叉路標識。三角点は?と探すと100mほど西の僅かな高みに標石と「丹波天平1342.9m」の木彫り看板を見つけた。

 

この先でも緩やかに波打つ地形が続き、どこにでも歩けそうな林の中、一番それらしいコースを見定めて西に向かう。フリーのマロンは林の中の嗅ぎまわりながらも私たちと適当な間隔を維持して進む。

754分、ゆるい窪地にマルバダケブキが枯れ茎に種をかざして群生していた。まわりの林は薄黄色、薄黄緑色、黄色、朱色、赤色〜茶色と秋色が競演。西に進むに従い尾根幅が狭まってきた。マロンが鼻を上げて空気の匂いを嗅ぎはじめたので用心してリードをつける。

 

唐松林を通過。樹間から北に飛龍山〜雲取山の山並が続き、色づいたその山腹に朝日があたって美しい。

89分、僅かに下る。景色が変化して楽しめる。ミズナラは黄緑、モミジは赤、栃はまだ緑、ブナの大木は青空を背景にして黄緑から黄色に染まり僅かな風に葉を散らすので歓声をあげながら進む。

 

825分、今日の最後の無名ピークに上り始めた。

834分、山道から30mほど外れたピークに上ってみたが礎石が1つあるだけでさほどの展望はなかった。

コースは「サオラ峠(竿裏峠)」に下り始める。ブナの木が増え、落ち葉で山道がハッキリしない。唐松も色づいていた。

846分、四差路の「サオラ峠」に到着。

三条小屋方面方向は通行止め(・・4km先地点の権現谷付近の桟橋崩落・・。水源管理事務所)と表示されていた。

ムスビを食べながら小休止。南の一角の樹木が切り払われ、南の山の稜線の上に富士山が僅かに覗いて見えた。

855分、「丹波」に向かい下山開始。赤松交じりの雑木林の急斜面を九十九折で下る。一時山腹を辿った山道が急な尾根筋を下るようになると周りに黄〜紅葉の彩りが増える。注意して急斜面を下る。

 

918分、傾斜が緩まり道幅が広がってきた。紅葉した木々の間に丹波の町がチラリと見えたがまだ遠い。休まずにタダタダ下る。

940分、標識の立つ三叉路広場に到着。南のピークに登ってみたが木と石の二つの祠があるだけで展望は得られなかった。バナナを食べながら小休止後、下山継続。

958分、コンクリートで護岸された沢を渡り、続いて堰堤を木橋で渡ると眼下に村が見えた。山道沿いに金網が張られている。獣が里に下るのを防止する網らしい。

104分、柵にゲートがあり「開けたら必ず閉めてください。」の注意書き。この先でまたゲート通過。

109分、またまたゲート。横の畑で作業している人に挨拶して話を聞いたら、猿、熊、猪、鹿が下りてくるとのこと。熊は10年間で10匹ほど見たとか野菜は採り頃の時に食べられるとかの話を聞く。

その先で更にゲートを通過し舗装農道に出た。路肩には色づいた柿がなっていた。

また別の畑のおじさんと立ち話になる。彼はあそこに見える柿の木の下には熊罠の檻が2つ設置してあるとか山鳥や雉も畑にくること、農作業中もラジオを鳴らしているなどの話に加えてここに住んで8年になるが今年の紅葉は一番よくないとも話してくれた。

青梅街道に出て東に進み、車に戻ろうと丹波川を渡る橋を通過しかけて川を見下ろすと橋下に駐車場が見えた。

1030分、車に戻る。念の為、橋下に見えた駐車場へのルートを確認の上、帰路につく。

13時、無事帰宅。

   丹波天平2