前回の「鳴虫山(日光市)」南にある「夕日岳」への山行を計画したが、関東地方に木枯らし1号が吹いたとテレビが放映。
→紅葉前線の南下が早そうなので更に南にある「横尾山」に目的地を変更し、水曜日の出発を決める。

 

◇所要時間: 5時間40
◇難度(マロンとして): 易+++▼+難
◇マロンの日記:
 古峰ヶ原峠までは少し荒れた破砕石の山道でしたが、その先は歩き易くて足に優しい道でした。ツツジの咲く時期には人出の多いコースとのことですが、シーズンオフなら犬連れでも問題なさそうでした。

 

3時、星空の下、出発。

首都高を使い、東北自動車道に抜けて鹿沼ICを下りる。鹿沼市街を抜けて県道1458号線(何れも古峰原街道)で古峰ヶ原高原を目指す。近頃は夜明けが遅く、5時半過ぎにやっと山の輪郭が見えはじめた。大鳥居下を通過したが古峯神社はまだ8kmも先。

544分、「3km先通行止め」看板の立つ古峯神社前を通過。高度を上げていくと通行止め柵の手前の沢横に「←古峰ヶ原高原1.3km」標識を見つけた。傍らの20台ほど駐車可能な空き地に車を停める。気温は2度。

 

61分、「関東ふれあいの道」表示のある沢沿いの山道に出発。古道の雰囲気のする山道は破砕石の踏面に落ち葉が積もりはじめて秋終盤の雰囲気。

暫く上ると先ほどの通行止め林道の続きらしい砂利林道に合流したが、すぐに山道に戻されて沢を木橋で渡る。遠くでヒョーと鹿が鳴く。紐先を先行するマロンの吐く息が白い。背後の山斜面が朝日で赤く色づいた。破砕石と丸太階段が交互に続く道を上る。冷たい西風で手が冷たい。

 

635分、幅広舗装路に抜け出た所が「古峰ヶ原峠」で西に視界。あずまや横の「古峰ヶ原高原」の解説板には
・・・平均標高1200mの高原にはツツジ類が多く群生し・・・45月は「シロヤシオツツジ」「アカヤシオツツジ」「ムラサキヤシオツツジ」、56月は「ヤマツツジ・・・」と書かれていた。西の斜面下が「古峰原湿原」らしいが、ここからはただの野原に見えた。

「井戸湿原5.5km→」標識に従い、南東に延びる緩やかな尾根に上っていく。2分ほどで銀色の鳥居を通過。

 

652分、2つ目の銀色の鳥居通過。前方の稜線から朝日が上る。50mほど遅れた妻のところへ、いつものようにマロンを伝令犬として走らせようと紐を外した途端、マロンが猛烈な勢いで前方に走って姿を消した。

獣か鳥の臭いを嗅いだらしい。この瞬間のマロンは潜在している鳥猟犬の血が沸きかえるらしく、いくら大声で制止しても耳無犬。・・・森の中にマロンの熊鈴の音が走り回っている。2分ほどで息のあがったマロンが戻り、水飲み休憩。

710分、大石の多い場所だと思ったら、「天狗の庭」の看板。

周りの潅木はツツジが多く、初夏には楽しめそうな道を進む。上空は雲ひとつ無い青空。

 

716分、小広場に出ると「金剛院奥之院」で小社横に「三枚石」。

傍らの解説板には「日光開山の祖である勝道上人が座禅修行したということから「三昧石」とも呼ばれおり、窟の中には金剛童子(不動明王)が祀られています。」と書かれていた。

「井戸湿原3.8km→」標識に従い、どこでも歩けそうな潅木疎林を進む。落葉を終えた寂しい林に1本のモミジが鮮やかな朱色を見せた。やがて緩い上りが始まる。

 

734分、電波塔のある「方塞山」に着く。

南に展望が得られ、南東に延びた尾根先に目指す「横根山」が僅かな高みを見せていた。

笹薮の中の道を緩く下っていく。やがて右の牧場柵沿い進むが牛は見あたらない。

 

746分、丸太階段を緩く下り、舗装路脇の鉄柵沿いに進むと右前方にロッジらしい建物が見え始めた。落葉を終えた立ち木には「ウリハダカエデ」「コシアブラ」「リョウブ」「シラカンバ」などの樹木名板が掛けられていた。落葉した裸木では区別が付けにくい。銘板は「バイカツツジ」「ヤマザクラ」「ナナカマド」と続く。丸太階段を上る。樹木名は「ヤマウルシ」「ズミ」・・葉のある時期なら面白そう。

811分、「横根山0.3km→」標識地点で舗装路を横切り山に上る。「ヤマツツジ」「ドウダンツツジ」と名札が続く。

 

819分、「横根山」に到着。

ツツジを主にした潅木に囲まれ、殆ど視界は得られない。バナナを食べながら小休止。時間的に余裕があるのでこの先の「井戸湿原」から「象の鼻展望台」を回って帰ることにし、「井戸湿原0.7km→」標識に従い丸太階段で南に下る。

潅木帯を下る。背丈の高い潅木には「トウゴクミツバツツジ」、天狗が手にするような大振りの落ち葉の横には「ハウチワカエデ」で、「ヤシャブシ」だけはいまだに葉を残していた。いつの間にか空一面、雲に覆われていた。流水の沢横を下る。

843分、「井戸湿原0.1km」標識先であづまや前を通過。ここにも「熊注意」看板。

更に下り、鹿柵扉を開閉して湿原に進む。

847分、沢横で左に「←五段の滝」への道が分岐していたが、私たちは直進して東に傾斜している井戸湿原を横切る木道に下り立った。

 

湿原中央には細い流水が見られたが、全体的には乾燥化が進んで草原のように見えた。

木道横の看板には
井戸湿原は前日光高原にいくつかある湿原の中で代表的なものです。・・カラマツ、モミ、ツツジ、シラカバ等に囲まれて200種に及ぶ湿原植物が群生し・・」と書かれていた。

851分、湿原には霜柱も見られ、草紅葉期を終えた湿原の静かな雰囲気を味わい、「象の鼻」に向かい木道を緩く上る。こちらでも鹿柵通過。潅木帯を緩く上り、「仏岩」地点の三分岐は「←象の鼻(展望台)」標識に従う。

 

910分、北方に大展望が得られる「象の鼻(展望台)」に到着。

幸い、北空だけは晴れ上がり、「男体山」「大真名子山」「女峰山」が特徴的な姿を見せた。

地名にされた「象の鼻」の大石はどう見ても象には見えず・・??。砂利林道で帰路につく。

 

北斜面の牧場には10匹ほどの牛がのんびりと草を食べていた。

926分、林道脇のあづまやでムスビを食べながら小休止。広大な景色の中に車も人も見当たらず、不思議な感じ。上空の雲が薄れ始めた。
無人の「前日光ハイランドロッジ」前を通過。

951分、往路の山道に合流し「←古峰ヶ原3.7km」標識に従う。牧場脇の草叢に小さなリンドウが一輪。

1018分、「方塞山」手前で水飲み休憩。北から上空までが晴れ上がり、日光が戻ってきた。

1033分、「三枚石」に戻ると竜神像に手を合わせていた同年輩登山者が峠の方に下っていった。全天に青空が戻り、暖かい太陽を浴びながら小休止してムスビを食べ、下山再開。

1047分、「天狗の庭」を通過。マロンに引かれ、先ほどの登山者を追い抜き下る。

 

119分、「古峰ヶ原峠」に戻り、あずまやでムスビを食べながら休んでいたら先ほどの登山者が下りてきて暫し歓談。彼からの「ここまで車で上ってきたので同乗しませんか?」の申し出を断り、下山開始。

下るに従い、紅葉が増え始め、秋山の雰囲気になってきた。

1141分、車に戻る。

車で下山途中、「古峯神社」に立ち寄ることにした。鳥居横の解説板には
古峯神社は、日本書紀や古事記に登場する日本武尊が祭られていて・・・天狗信仰が厚く、天狗の宿として、古くから関東地方や東北地方を中心に信仰を集め・・・」と書かれている。

 

5基ほどの鳥居を潜り、お社に上がらせてもらい、祈祷の様子を見学したり大小の天狗面を拝観。

特に134kgもあるという大天狗の面は立派で写真に収める。境内の紅葉が見事だった。

3時前、無事帰宅。

 

 

当日のGPS軌跡。

歩行距離は15.7km