朝夕は秋の気配を漂わせる日もあるが日中はまだ残暑が厳しいので標高の高い山を探し、7年前に初代マロンと訪ねた「千頭星山」手前の「甘利山」へ花を訪ねる山行を計画。

一般コースだけでは面白みに欠けるので、諸資料を紐解き、登山地図に記載の無い「大笹池」経由で「南甘利山」も通過する周回コースを試すことにした。

◇所要時間: 4時間15
◇難度(マロンとして): 易+++▼+難
◇マロンの日記:
 甘利山までは楽でしたが、その先の大笹池への下りは密集した笹できつかった。
その先の森では久しぶりに・・森の中を・・・・で、戻るとおとーさん達はあきらめ顔でした。

 

3時、出発。国立府中ICから中央高速道に乗り、韮崎ICを降りて釜無川西岸で県道613号線に分岐し、甘利山に向かって900mほど高度を上げ、「椹池」横の白鳳荘の駐車場に車を入れる。(白鳳荘は休業中らしく見えた)

甘利山への登山コースが不明なため、白鳳荘横の鎖で閉鎖された草道の先を調べると、前方に標識らしいものが見えたので車に戻りGPSをセットし、出発準備を整える。気温は16度で朝空に僅かに流れ雲。

520分、鎖を跨ぎ草道に出発。「熊に注意」看板があるのでマロンの熊鈴2個の消音ネットを外す。

100mほど進み、まだ薄暗い森の笹道を登る。獣の臭いがするのか紐先マロンの左右への動きが激しい。

530分、県道に合流し、すぐ先の「登山近道↑」標識で山に入る。ここにも「熊に注意」看板。

スタート時は気持ちが逸って水を飲まないマロンのために水飲み休憩し、私たちは薄着になる。更に上ると南眼下の森に出発地点の「椹池」が光って見えた。

550分、再び県道に合流しこれを登る。東の雲から朝日が昇る。

舗装路では車の気配が無いのでマロンをフリーにし、マロンがトランシーバーにうまく反応するかを試しながら登る。

63分、舗装路のカーブ地点の「甘利山登山道↑」標識で山道に入り、朝日を浴びながら二度目の水飲み休憩。唐松林にマルバダケブキとアキノキリンソウが黄花を見せた。笹が張り出す山道を九十九折で上る。

 

627分、「甘利山駐車場」広場に上りつき、広場南の「つつじ苑(売店?)」横のロープで規制された山道で山頂を目指す。

コース沿いのロープに花の写真・名前・花期が書かれた表示板が下げられ、近くにその花が見られる。

「ヤマハハコ」、「ノコギリソウ」、「ツリガネニンジン」、「ヒヨドリバナ」、「ヨツバヒヨドリ」、「アオヤギソウ」、「ヤマオダマキ」と続く。

黄花の「タマガワホトトギス」には初めて対面。

「マルバダケブキ」、「トリカブト」、「ノコンギク」、「カワラナデシコ」と続く。

 

645分、ピーク広場まで上り、山頂に到着かと思ったが更に西250m先に「甘利山」山頂が控えていた。木道で山頂に向かう。草原のヤナギランはすでに姥花状態。

653分、「甘利山」山頂に到着。

西に大きく「千頭星山」が聳えて見える。「南甘利山」方向への山道に「椹池往復3時間→」「大笹池往復2時間→」標識があった。

75分、私たちは「大笹池経由で南甘利山」を目指す予定なので「千頭星山→」標識に従い山頂を北に下る。

 

713分、山頂の300mほど先から、「大笹池」への分岐路を見落とさないよう注意して進むと、古い「千頭星山↑」標識先で左の笹原に古びた標識。

67mほど笹を掻き分け標識地点に進み、「←大笹池 御庵沢林道」」と「急坂 難所 往復1時間45分」標識を確認し、高度差230mの笹の急斜面下りを開始。

 

最初は獣道を適当に下り、山道に合流して膝程度の笹原を下る。

笹丈が肩近くなり、傾斜がきつくなったあたりから急坂の木から木へ虎縞ロープが張られていてコースを表示。密集した笹の急斜面をロープに頼りながらマロンを後ろに従え下る。

727分、笹丈が腰程度になり下り易くなり、更に5分ほど下ると傾斜も緩んだので水飲み休憩。

この先では紐先マロンが草叢から山鳥を追い出したので私たちがビックリ。鳥猟犬の血が生きているらしい。

 

746分、「大笹池」に到着。

池畔は泥沼の感じで暑がりマロンが喜んで池に漬かったので泥犬に変身。

「フシグロセンノウ」が鮮朱色の花を見せた。僅か戻って東に進む。登山者が少ないらしく蜘蛛の巣が顔に懸かる。

752分、三分岐があり、「南甘利山を経て甘利山→」標識に従い高度差140mの上りを開始。

全身ビショ濡れの先行マロンはやたらと元気で私を引っ張るので妻との距離が50m以上も開く。・・・で、マロンに「おかーさん!!」と命令し、後の妻のもとに伝令犬として走らせる。マロンは数粒のドックフードを妻から貰っては全速力で引き返してくる。フリーで山を走れるのが許されるのでマロンは結構、このゲームを喜んでこなす。

 

峠地形を通過すると左前方に「南甘利山」が姿を見せた。肩ほどの笹原を抜けていく。

88分、笹の中に踏み跡が二分し、直進側に「空池→」標識。好奇心で笹を掻き分け覗きに出向くと水の無い窪地。降雨時は池になるのかも。

「南甘利山」への上り再開。山頂に近づくと林床にマルバダケブキが黄花を見せた。

820分、古い苔むした露岩帯を通過し、100mほど先で「甘利山↑」と「椹池→」の三分岐に着く。「南甘利山」山頂はいつの間にかを見落して通過したらしい。この三分岐点で小休止。

ムスビを食べながら山頂探しに戻ってみると、先ほどの露岩帯の針葉樹下に「南甘利山1600m」標識が落ちていた。標識を木の幹に戻して写真に残す。

835分、「椹池→」標識に従い下山再開。木立越し左に「甘利山」を眺めながら自然林を緩く下る。林床は花のない笹道だが、太陽に直射されずに涼しく歩けるので助かる。

852分、再び遅れた妻のもとへマロンを伝令犬にして走らせようと、「おかーさん!!」と命令し紐を解いた瞬間、マロンは何かを追って疎林に飛び込み、大声で呼んでもトランシーバで呼びかけても反応が無く、熊鈴の音は森の中を動きながら小さくなっていく。仕方なくホイッスルを吹きながら待機。やがて静かな森に鈴音が聞え始めて、息をきらしたマロンが戻ってきた。「水!!」の声に反応するマロンのために水飲み休憩。

 

95分、下山再開。山腹をトラバースし、やがて山斜面を下り沢筋に出てこれを下る。

929分、森の中の三分岐に「作業設備↑」と「椹池西→」標識。「椹池西→」標識に従いかけたが、GPSが「作業施設↑」標識方向に朝の往路があることを表示しているので、ログハウス方向に進み、朝の往路に合流。

935分、車に戻る。

 

時間的に余裕があるので「椹池」の池畔に下りて小休止。池畔にはサワギキョウの群落が見られた。ムスビを食べて帰路に着く。

1220分、無事帰宅。

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