近場でレンゲツツジが見られる山は?・・とネット検索していたら地図を見ていた妻が奥多摩湖西の「三窪高原」を提案。
この高原の「倉掛山」へは5年前のこのシーズンに満5ヶ月のマロン連れで登っており、好印象が残っていたので即座に再訪を決めた。

 

◇所要時間: 3時間48
◇難度(マロンとして): 易++▼++難
◇マロンの日記:
 鈴庫山への道以外は気持ちの良い歩き易い道でした。前回と今回でこの三窪高原の道は殆ど歩いたことになりますが、おとーさんは前回見られたレンゲツツジが今回は殆ど見られないのは何故だろうと不思議がっていました。

 

255分、出発。国立府中ICから中央高速道に入り、418分、勝沼ICを下りて国道20号に出て右700m先の柏尾交差点を左折。
旧カーナビはこの道が国道411(青梅街道)に直交する地点まで直進を指示したのに、今回は交差点通過400m先の最初の右折路をガイド・・??。この山沿い道には「フルーツライン」の看板もあり快調に北上でき、やがて塩山駅北で国道411号に合流した。こんな便利な道が出来たとは知らなかった。国道411号で高度を上げる。

457分、30台以上も駐車できそうな市営駐車場に到着。立派なトイレもあり先着車は5台。駐車場横の斜面には「レンゲツツジ」の姥花が咲いていた。快晴無風で気温は12度。

 

458分、駐車場隅の「三窪高原→」標識に従い丸太階段を上る。

緩く東斜面を登っていくと樹間にヤマツツジの朱色が見える。更紗ドウダンには花が満開。

525分、尾根筋の三叉路を北に進むと小ピークにカメラマンがツツジや雲海の先の富士山を狙っていた。無標識だが「柳沢ノ頭」らしい。

 

西斜面の潅木帯を北に進む。潅木の中にもヤマツツジの朱色。ミズナラ、ブナ混じりの林を進むと丸太階段の下りの先に丘陵のような高みが見える。三窪高原の最高地点の「ハンゼノ頭」だ。その東斜面にはツツジが満開。

丸太階段を下った四辻には左「←鈴庫山」、正面「ハンゼノ頭↑」、右「国道 411号線を経て柳沢峠→」標識。先ずは「ハンゼノ頭」に上り、山頂からの展望を楽しむことにする。

 

539分、「ハンゼノ頭1681m」に到着。カメラマンが一人、雲海先の富士山にカメラを向けていた。青空の下に鶯が囀る。

546分、西下に見える「鈴庫山」目指して四辻に戻り、西への山道に進む。道脇に咲くツツジは全て「ヤマツツジ」で期待してきた「レンゲツツジ」が見当たらない・・??

5分ほど先の三叉路は「←鈴庫山」目指し直進。その横の看板には「鈴庫山山頂近くは経路不明瞭」と書かれていた。道脇のツツジと更紗ドウダンが満開。ツガ、ミズナラ、ツツジ、モミジなどの混生林を進む。

 

557分、また三叉路。右は「笠取林道→」標識で直進路には「鈴庫山方面は行き止まり。Uターンすることになります」看板。道を遮るように置かれた枯れ木を踏み越え、「鈴庫山」を目指し西斜面に下る。

この先の林床の藪は背丈に近く、陰気な雰囲気。朽ち始めた角木階段を下り、ブナ混じりの林を進む。

67分、「鈴庫山」への上り口で息の荒いマロンのために水飲み休憩。傍らには「山梨の森林100選 鈴庫山の天然ひのき林 山梨県」看板。山頂への踏み跡はハッキリしていた。

 

614分、「鈴庫山」に到着。木立の中の狭い山頂には「山上宮」と掘られた御影石が一つ。山頂西の山肌にこの「鈴庫山」の影がクッキリ。

619分、往路で下山開始。三分岐の「←笠取林道」標識に従い、西斜面を等高線沿いに北に進む。背後から木漏れの朝日を受け、アップダウンしながら進む。

 

電波塔に近づき水飲み休憩。その先の三分岐点は左折し、尾根の西斜面を北に辿る。

右は背丈を越す密集した笹だが道脇の笹は刈られていて歩き易い。朝日が入りはじめ、気持ちの良い尾根道を北に進む。

710分、丸太イスのある小広場に立つと先ほど訪ねた「鈴庫山」先の雲海は消え、その先に富士山が霞んで見えた。

 

この尾根を辿るコースは西の景色が良くて気持ちよく歩ける。青空と新緑の中に朱色のツツジが映える。

蝉の声を聞きながら潅木帯と高原地形を交互に通過。

コースが尾根の東斜面に移ると、防火帯のような草原と尾根の潅木帯との間を暑く照りつける朝日を浴びて歩くようになった。

732分、僅かなピークまで進むとGPSが「藤谷ノ頭」到着だと表示。左下に下れば5年前に車を止めた「板橋峠」の筈。強い朝日を避けて木立に入ってバナナを食べ小休止。

 

740分、往路に戻る。

東南に「鶏冠山」が形よく見えた。電波塔下の三分岐は往路での景色が楽しめたので往路と同じく右に進む。道脇に頻繁に見られる背丈の低い潅木はツツジらしいが、何故か全て枯れていた。

85分、三叉路では「鈴庫山→」分岐路を右に見送り、「展望台↑」標識に従う。その先の小広場には山中では珍しい公衆トイレがあった。

傍らの「三窪高原のレンゲツツジ及び生育地」看板には・・・・

「標高1650mに位置する三窪高原は、・・中略・・レンゲツツジ(県指定自然記念物)やサラサドウダン、ヤマツツジの大群生地があります。レンゲツツジは、朱赤色の径6cmの大きな花を枝先に数個つける落葉低木で花色には濃紅色のものから黄朱色にいたるまで、株によっていろいろあります。  甲州市」

との看板があったが・・・レンゲツツジが全然見られないのは・・????

 

89分、三叉路の「←展望台」標識に従い、左の山を目指す。

817分、「ハンゼノ頭」に戻るとここが「展望台」地点だった。

今朝、出遭ったカメラマンがまだ山頂にいたので「レンゲツツジは?」と訊ねると「道脇の枯れた潅木がレンゲツツジで鹿に食べられ、今では駐車場あたりだけに残っている」と教えてくれた。富士山は朝より霞んで見えた。

820分、下山続行。

山頂南の四差路に下り、「国道411号線を経て柳沢峠→」標識に従い東に下る。道脇に枯れたレンゲツツジの木株が目立つ。

以前、赤城高原の牧場でレンゲツツジは有毒なので牛はこれを敬遠すると聞いていたので、鹿がヤマツツジを避け、レンゲツツジだけ食べるとは眉唾だなど話しながら下る。

837分、舗装路に下り立ち、右に下って国道411号線に合流。下山してきた「板橋峠」への舗装路は何故か侵入禁止柵が立てられていた。

 

846分、市営駐車場に戻る。

駐車場横の斜面には花期終盤状態だったが20株ほどのレンゲツツジ株が生きていた。次々と登山者の車が到着する中、帰路に付く。帰りは奥多摩湖脇を走る青梅街道を使って1140分、無事帰宅。

帰宅後、ネットで三窪高原のレンゲツツジの見られない理由を調べると・・・

多摩川現流域におけるニホンジカの被害状況と対策について  山梨県森林環境部みどり自然課 小俣 謙   ・・・中略・・三窪高原においても、ここ3,4年の間にシカによる剥皮被害が高原のドウダンツツジ等に見られ・・・レンゲツツジの芽をシカが全部食べてしまい、時期になっても花が咲かないため、・・・このお祭りは中止になっている状況です。」の記事がヒット。しかし、牛では有毒といわれるツツジを鹿が何故食べることが出来るかの理由は分からなかった。

 

  三窪高原2