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早朝の快晴が約束されれば、小淵沢IC近くの「日向山」に登り、甲斐駒ケ岳の眺めを楽しむつもりで出発準備を整えたが、曇天予報のため、更に北に位置する川上村の「天狗山」と「男山」に出向くことにした。 ◇所要時間: 5時間39分 |
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2時、家を出る。相模湖ICから中央高速に乗り、長坂ICを下りる。清里を経由し信濃・川上駅近くで小海線を渡り、県道2号線(川上佐久線)で馬越峠を目指す。高度を上げるに従い、道脇に白いマルチシートに覆われた川上村のレタス畑が広がった。 |
5時過ぎ、「天狗山登り口」標識のある馬越峠に到着。峠横には数台分の駐車スペース。空に雲は無いが下界には靄が掛かっていた。 5時21分、駐車場所からいきなり森の中に続く山道にスタート。 急坂の山道脇に朱色のフシグロセンノウ、白いトラの尾、紫のツリガネニンジン、ピンクのナデシコ等が花を見せ、季節を感じさせてくれる。気温は17度位だが、岩や潅木を掴みながら登る急斜面に直ぐに息が荒くなる。 |
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山越しに朝日が差し込んできた。尾根筋まで上ると傾斜は少し緩み、更に一段上りあげると平坦になった。 5時34分、赤松林を通過。前方に天狗山が姿を現した。一段下って上りが始まる。マロンの熊鈴の音が聞こえないのに気づき、犬笛で呼び返して見ると、熊鈴のハンマー部品が抜け落ちていた。暫く上って、犬笛を吹こうとしたら、パイプ部分が抜け落ちて紛失しているのに気づく。少し気を引き締めて先に進む。 岩と木の根の多い痩せ尾根を山頂目指して登っていく。左下は切れ落ちた崖で眼下には川上村の高原野菜畑が一面に広がって見えた。 |
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5時52分、幅狭の尾根を辿っている。真後ろから朝の太陽が照りこんできた。しばらく登った林の中、左下へ分岐路。消え掛かった看板文字は川上村と書かれているらしい。(ここが昔の馬越峠なのかも。) 5時57分、天狗山への上りが始まった。5分ほど上って木陰で小休止。マロンは沢山水を飲む。夏山なので私達二人で3リットル、マロン分は1リットル持参してきたが、この暑さでは今日は貴重な水になりそう。 |
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6時6分、岩稜帯の尾根道を前進中。狭い尾根道には右から潅木が張り出し、左は崖で切れ落ちている様子なので慎重に歩く。 道が荒れてきて注意して登っていく。朝日が皮膚に食い込むように差し込む。岩稜帯を通過しシャクナゲ林に入りホッと一息。最後は岩角を掴むほどの急坂の上り。 6時16分、やっと天狗山の頂上に到着。 |
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朝日を浴びた岩塊の狭い山頂には大山祇神社を祭った石の祠が一つ。360度の視界に恵まれ、西にこれから訪ねる男山、その後ろに八ヶ岳、南に小川山、その後ろにミズガキ山、北にはマロンも登った御座山、茂来山が見えた。 |
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6時21分、「男山」を目指して「天狗山」山頂を後にする。 山頂の急坂を下った先の潅木の木陰で5分ほど小休止。下りの道もガラガラした岩稜の道。振り返って見ると、天狗山が逆光線の中に岩の塊の姿で聳えていた。 6時34分、先端が切れ落ちた崖箇所に出た。コースはこの崖を左に巻きながら急角度で下っていた。帰路、ここを上り返すことを考えると気が重い。 |
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崖箇所を下りきって、幅狭の尾根道を進む。林の中に風が吹き込み気持ちいい。山道が稜線を外して北斜面に入ったので日が入らず生き返った思い。森の中、左に分岐の道に「大深山遺跡→」標識。これを見送り西に進む。 |
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6時51分、3mほどの崖の下り。マロンを抱えて補助ロープに助けられてこれを通過。道が平坦になり、唐松、ツガ、岳(白?)樺林の中を進む。 6時57分、左下への分岐路に「天狗山→遺跡 行程2km 40分」の板標識。横の白地看板には「天狗山は岩場が多いので非常に危険です。父兄引率者のいない小学生等は登山をご遠慮下さい。川上村」の看板が立っていた。 進行方向を示す「男山→」標識に従い西に進むと進路は狭い下り道になった。 |
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7時2分、下りきった。林の中に風が流れ気持ちいい。オダマキやナデシコの花が見られ、並んでも歩ける普通の山道を歩いていく。 尾根筋方向にも僅かな踏み跡が分岐していたが、右の林に続く山道の方に赤テープが付けられていたので、迷わず良く踏まれている右の道に進む (…×…???…) 。 |
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7時19分、苔も多く見られる茂った森の中、西に進むべき進路が北に反れ始め、ミスコースを疑いながらも、前進続行。 …・が、予定コースは坂を上っている筈なのに相変わらず下りが続くことからミスコースの疑念が深まってきた。 7時30分、思い切って尾根筋から外れ始めた箇所まで戻ることにした。 |
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7時42分、先の分岐地点まで戻り、踏み跡の少ない尾根筋に進んでみる。 頼りない山道ではあるが、男山へと続きそうだ。コースに岩塊が増えてきた。コナラ、唐松、三つ葉ツツジの林の中を進む。日は差し込まないが風が無く、汗まみれで上っていく。 7時55分、潅木に囲まれた岩のピークに立つ。赤テープはあるが標識は見当たらない。5分ほど小休止して前進開始。 |
8時4分、マロンが大岩通過に怖気付いたので抱いて通過。その先の岩上からは南の眼下にゴルフ場、正面に男山が見える。大岩の間をすり抜け、潅木の間を抜けて前進。 8時20分、狭い岩稜を手を使って上ったおかーさんに続こうとしたマロンが、恐怖心に襲われたらしく来た道に逃げた。おとーさんがリードで繋ぎ戻って、抱えて通過。 |
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8時39分、岩稜の崖箇所でマロンがまた怖気づいた。 「男山」はあと30分位の距離に近づいてはいるが、マロンを怖がらせるのは良くないし、私達も暑さに辟易し始めているので、今日はこの地点で戻ることにした。 見晴らしの良い岩の小ピーク下の木陰にザックを下ろし、大休止。 |
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往路を振り返ると「天狗山」が迫力ある山容を見せてくれた。ムスビとドックフードを食べ、水も十分に補給し、体温を下げて、帰路に付く。 9時7分、ミスコースした分岐箇所を通過。 9時14分、「遺跡→」標識の分岐を通過。空に薄雲が広がりはじめ、太陽光は弱まってきて助かる。 |
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9時26分、山頂を指して「天狗山→」標識がある急坂のスタートポイントに戻る。左に巻き道らしい分岐路も見つけた。国土地理院地図には天狗山の北側に巻き道が書かれているので、これに進んで見たいが、どなたかのHPの山行記には巻き道に進んだが天狗山の北麓の自然公園に下ってしまったとかかれていたのを思い出し、山頂への急坂に取り付く。 |
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強い日差しがぶり返し、熱中症に用心して水補給を繰り返し喘ぎながら登る。汗を出さないマロンは頻繁に木陰に伏せして体温を下げようとしている。 天狗山・山頂手前に木陰を見つけて休憩。 10時23分、山頂を通過し、岩稜帯を注意しながら下る。 10分ほど下り、眼下にゴルフ場の見える日陰で小休止しバナナでエネルギー補給。マロンも相伴。青空に積乱雲が流れはじめた。流れ雲で日差しが陰ると生き返る思い。 |
11時、車に戻る。誰にも出逢わない暑い山行だった。 3時、無事帰宅。 |
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